心理学研究法Ⅰ
037-A-002

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
孫 媛 講師 4 1 通年 3

授業概要

心理学で、何らかの対象について研究をしようとするならば、目的に応じてデータを集め、それらを処理していかなければならない。この授業では最初に、実験・観察・調査などを通じて得られるデータのまとめかたを学ぶ。具体的には、データの分布を表やグラフとしてあらわす方法、分布の特徴を要約する値(平均や標準偏差など)の求めかたと、その解釈法などが取り上げられる。授業の最終的な目標は、データ(標本)に基づいて、関心の対象全体(母集団)について、どのような判断ができるのかを学ぶことである。

到達目標

データと式に対する抵抗感をなくし,楽しめるようになる。
心理学とその関連領域における統計法の基本的な考え方と方法について,本質を理解ができるようになる。
具体的な問題に対して,目的に沿って分析し,数量的な把握と統計的な検討から適切な解決を導く基礎的な力を身につける。

授業計画

1 オリエンテーション,心理学研究における統計学の役割
2 変数とデータ
3 度数分布表とグラフ
4 分布の特徴をあらわす指標(1)代表値
5 分布の特徴をあらわす指標(2)散布度
6 データの標準化
7 散布図と相関(1)
8 散布図と相関(2)
9 相関係数を巡るいくつかのトピック
10 クロス表と連関係数(1)
11 クロス表と連関係数(2)
12 統計的推論の必要性、標本抽出理論、標本分布
13 正規分布
14 理解度の確認
15 予備日
16 第1学期の復習
17 標本分布(1)
18 標本分布(2)
19 統計的仮説検定の考え方
20 標準正規分布を用いた1つの平均値の検定
21 t分布を用いた1つの平均値の検定
22 独立な2群の平均値差の検定(1)
23 独立な2群の平均値差の検定(2)
24 対応のある2群の平均値差の検定
25 効果量
26 検定力と標本の大きさ
27 相関係数の検定
28 カイ2乗検定
29 理解度の確認
30 予備日

授業方法

ほぼ教科書に準拠しながら板書を用いた講義をおこなう。必要に応じて、教科書を補うプリントを配付する。
授業は復習と予習を前提として進める。授業前に確認小テストや授業中に質疑等を行いながら,能動的な参加型の授業を進めていく。

準備学習

前回の授業内容を復習すること
教科書の該当箇所を読んでから授業に臨むこと
(合わせて週に約一時間)。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%
第2学期(学年末試験):40%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%

教科書

山田剛史・村井潤一郎『よくわかる心理統計学』、ミネルヴァ書房2004

参考文献

南風原朝和『心理統計学の基礎』、有斐閣アルマ2003
南風原朝和・下山晴彦・市川伸一『心理学研究法-調査・実験から実践まで-』、東京大学出版会2001
末永俊郎『社会心理学研究入門』、東京大学出版会1987

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。