学習・認知心理学ゼミナールB
知覚研究の基礎と応用―
037-A-006

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
薬師神 玲子 講師 4 3~4 通年 1

授業概要

認知心理学、特に知覚認知を中心として文献を講読し、演習を行います。前半は視聴覚を中心とした知覚認知の概説書と、関連する研究論文の講読を行います。後半は各自興味のあるテーマについて文献を選び、その内容を発表して討論を行います(発表者は、論文を読んでいない人にも内容がわかるようレジュメを用意し、必要であればパワーポイントのスライド等も用意してください。発表者以外にも積極的な発言を求めます)。それと並行して後半では、前半で講読した文献や後半で受講生が紹介した文献の中からいくつかの実験をとりあげ、心理学実験用のフリーソフト(PsychoPy)を利用したコンピュータ制御実験の構築法についても解説し、簡便な追試を行います。最終的に、一年間のゼミナールで得られた成果をまとめたレポートを提出してもらいます。

到達目標

知覚認知を中心とした認知心理学の基礎知識を習得し、当該領域の文献を適切かつ分析的に読みこなす力を身につける。また、研究テーマに関わる文献を自ら探す情報収集力と、調べた知識や自らの意見を他人にわかりやすく説明したり、それを巡って他者と議論することができるようになる。併せて、コンピュータを用いて簡単な知覚認知の実験を行うための基礎的な技術を身につける。

授業計画

1 イントロダクション
2 視覚のしくみ
3 視覚(知覚)の研究法
4 色と光
5 奥行きと運動
6 オブジェクトの認知
7 視覚の錯誤と変化
8 視覚的注意とイメージ
9 聴覚のしくみ
10 環境音の認知
11 音楽とことばの認知
12 視聴覚の相互作用
13 知覚研究の応用 1:人工環境と知覚 他
14 知覚研究の応用 2:安全と知覚研究 他
15 前期の総括
16 後期イントロダクション:個別テーマの設定
17 文献の発表と討論1
18 文献の発表と討論2
19 文献の発表と討論3
20 PsychoPyの使い方と簡便な追試1:錯視の効果
21 文献の発表と討論4
22 文献の発表と討論5
23 文献の発表と討論6
24 PsychoPyの使い方と簡便な追試2:注意の実験
25 文献の発表と討論7
26 文献の発表と討論8
27 文献の発表と討論9
28 PsychoPyの使い方と簡便な追試3:プライミング効果
29 授業の総括
30 到達度確認
受講者の人数や興味・関心に合わせて、授業進行を一部変更する場合があります。

授業方法

前期は履修者による発表と討論形式。後期は文献の発表と討論の回は履修者による発表と討論形式、PsychoPyの使い方と簡便な追試の回は講義と実習形式で行う。

準備学習

発表担当者の場合には、教科書の担当箇所および発表予定文献について発表の準備(レジュメ・パワーポイントファイルの作成も含む)を行ってくること(約3時間)。
発表担当者でない場合には、教科書の担当箇所および事前配布資料を読んで、不明な点をまとめておくこと(約1時間)。
いずれの場合も、授業後には各時間の最後に提示される復習用課題を解き、わからない点があれば重点的に資料を読み直すなどして解決すること(約1時間)。

成績評価の方法

レポート:20%(先行研究を批判的に読み解き、考察し、自らの意見を論理的に述べているか。)
担当回の発表、討論・簡便な追試への参加:80%(発表準備状況・内容・態度は適切か。授業中の討論・追試に積極性に参加しているか。)
発表やディスカッションにおける発言等について、各回終了時にコメントを行う。

教科書

石口 彰『視覚』(キーワード心理学シリーズ 1)、新曜社2006年、ISBN=9784788509719
教科書の他に、各回で担当者の指定する文献を配布します。

参考文献

重野 純『聴覚・ことば』(キーワード心理学シリーズ 1)、新曜社ISBN=978-4788509894
他に、参考文献を各回で支持します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

授業中のディスカッションには積極的に参加してください。
授業時間外での連絡は、メールで行います。アドレスは、オフィスアワーを参照してください。