臨床心理学ゼミナールB
心理療法の基礎の体験的理解―
037-A-008

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
吉川 眞理 教授 4 3~4 通年 3

授業概要

心理療法の基礎について、カウンセリング入門実習を通して理解を深めるとともに、文献を手がかりにして理論を学ぶ。ロジャーズ、ウィニコット、ユングの臨床理論の基本的理解をめざす。ユングの分析的心理学理論に関しては昔話を「体験し」討論するとともに、グループ・アクティブ・イマジネーション実習を行う。

到達目標

自分自身の体験を通して、心理療法の諸技法について理解を深める

授業計画

1 導入:心理療法とは? 援助的人間関係の本質
2 実習1:相手の人格を尊重する・自分の人格を尊重される体験
3 実習2:感情を語る/聴く体験
4 ふりかえり1:傾聴の本質
5 ロジャースのカウンセリング理論を英語で読んでみよう その1
6 ロジャースのカウンセリング理論を英語で読んでみよう その2
7 来談者中心療法のまとめ
8 来談者中心療法の面接場面から学ぶ
9 イマジネーションの描画表現体験その1
10 英語文献講読<心理療法におけるイメージとメタファーの活用>その1
(Paul Greenhalgh 1994 Emotional Growth and Learning Chapter7)
11 イマジネーションの描画体験表現その2
12 グループ・アクティブ・イマジネーション実習 1
13 物語プレゼンテーション実習
14 文献講読<無意識への接近;『人間と象徴』河出書房新社 所収>
(C.G.Jung 1964 Approaching the Unconscious in Man and his Symbol)
15 自主研究
16 英語文献講読<心理療法におけるイメージとメタファーの活用> その2
(Paul Greenhalgh 1994 Emotional Grouth and Learning Chapter7)
17 英語文献講読<心理療法におけるイメージとメタファーの活用> その3
(Paul Greenhalgh 1994 Emotional Grouth and Learning Chapter7)
18 ユングの分析心理学による昔話の理解
19 昔話プレゼンテーションの作成 
20 昔話プレゼンテーション1と討論
21 昔話プレゼンテーション2と討論
22 昔話プレゼンテーション3と討論
23 昔話プレゼンテーション4と討論
24 昔話プレゼンテーション5と討論
25 昔話の本質について ふりかえりと解説
26 象徴に関する体験実習
27 グループ・アクティブ・イマジネーション実習 2
28 グループ・プレゼンテーション1
29 グループ・プレゼンテーション2
30 グループ体験のふりかえり
第1学期は実習を通してカウンセリング理論の体験的理解をめざす。第2学期は文献講読とイメージ体験実習を通してイメージを媒介とした心の理解について学ぶ。

授業方法

第1学期の実習はペアやグループにより行う。文献講読については授業の初期に担当個所を決定し、文献の全訳を紹介し、討論する。第2学期の英語文献については担当箇所を責任をもって翻訳することが課題となる。さらに昔話の語り、グループ・アクティブ・イマジネーションのプレゼンなどの表現活動を行う。履修者の積極的でクリエイティブな参加が期待される。

準備学習

文献講読では担当した部分を和訳する。(6時間)
昔話について班ごとのプレゼンテーションの準備を行う。(3時間)
グループ・アクティブ・イマジネーションのプレゼンテーションの準備を行う。(4時間)

成績評価の方法

レポート:20%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):80%
授業の出席とグループ・プレゼンテーションへの取り組み、および夏休みレポート課題の提出による

教科書

皆藤章『よくわかる心理臨床』、ミネルヴァ書房2007

参考文献

C.G.Jung『人間と象徴』、河出書房新社1975
Paul Greenhalgh, Emotional Growth and Learning, Routledge, 1994

履修上の注意

履修者数制限あり。

その他

グループによるアクティブ・ラーニングを積極的にとりいれます。
受講者にはこころの柔軟性、グループへの積極的参加を期待しています