心理学特殊講義(マスコミュニケーションの社会心理学)
037-B-118

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
山田 一成 講師 2 2~4 第1学期 4

授業概要

 地球の裏側の戦争を伝えるニュース。レアなコンテンツに共感し合う見知らぬフォロワーたち。マスメディアとソーシャルメディアが作り出す情報環境によって、私たちの間接体験は既に新しい局面を迎えている。この講義では近年の社会状況を念頭におきながら、メディアというアーキテクチャが私たちの社会認識と世界観に与える影響について考える。

到達目標

 情報環境の重要性を理解するとともに、現代社会におけるマスコミュニケーションの影響について、当該領域の代表的な理論・学説を習得したうえで、自分自身の体験に対する社会心理学的な考察ができるようになること。

授業計画

1 間接的に知る世界:情報環境論
2 ニュースとうわさの伝播:集合行動論
3 マスコミが事件を作る:メディア・イベント論
4 メディア仕掛けの選挙:アメリカ大統領選挙とマスメディア
5 意識の下の映像:広告効果論
6 世界観の構築:議題設定機能と培養理論
7 メディア環境の変化とメディア志向性
8 認識の拘束具(1):フレームとは何か?
9 認識の拘束具(2):メディアフレームとフレーミング効果
10 皇帝の新しい衣装(1):自己成就予言、FC効果、沈黙の螺旋理論
11 皇帝の新しい衣装(2):アナウンスメント効果、第三者効果
12 もうひとつの格差?:知識ギャップとデジタル・デバイド
13 メディアの逆説?:メディア依存と個人情報意識の変容
14 総括
15 到達度確認
開講後、社会状況が大きく変化した場合には、講義内容の順番を入れ替えることがある。

授業方法

講義(冒頭は前回のリアクションペーパーを用いたアクティブラーニング)

準備学習

事前に前回までの授業内容を概観しておくこと(約20分)。

成績評価の方法

レポート:70%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):30%
レポートの評価ポイントは各回のアクティブラーニングにおいてフィードバックする。

教科書

山田一成・北村英哉・結城雅樹(編著)『よくわかる社会心理学』(やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)、ミネルヴァ書房2007年、ISBN=9784623048120

参考文献

随時、指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

私語は悪質な授業妨害と見なし、厳重に注意するので、そのつもりで出席すること。