日本語教育論Ⅰ
038-A-014

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
森沢 小百合 講師 2 2~4 第2学期 2

授業概要

今、小さい子どものときから複数の言語を学びながら成長する人が増えています。成長期に複数の言語を学ぶことは、その人にどんな影響を与えるのでしょうか。本授業は、そのような幼少期より複数言語環境で成長する子どものことばの学びについて、日本語教育の視点から考えることをテーマとしています。本授業では、子どもが幼少期より複数言語に触れ成長するとどのような状況に遭遇するのか、突然国境を越えて移動した子どもが青年期から大人になるときに複数言語を話す自分とどう向き合い、アイデンティティを形成していくのかなどについて考えます。また、そのような子どもたちにどのような支援が検討され、どのような日本語教育実践が行われているのか、いくつかの実践事例や教材を紹介するとともにその使用方法等についても検討していきます。21世紀に増加すると予想される複数言語使用者と社会のあり方、多様な背景を持つ人々との共生社会についてクラスで考えることを目標とします。

到達目標

本授業では、以下のことを到達目標とします。
1.幼少期より複数言語環境で成長する子どもが増えている現代社会の現状を理解すること。
2.子どもが複数の言語を学びながら成長するとき、どのような課題に遭遇するかを理解すること。
3.複数言語環境で成長する子どもに対することばの学びの支援について理解すること。
4.複数言語を学びながら成長する子どものアイデンティティ形成について理解すること。
5.以上を踏まえて、21世紀の人としてのあり方と社会のあり方について考えること。

授業計画

1 オリエンテーション:本講義の目的と概要
2 日本で日本語を学ぶ子どもたち
3 ことばの学びとことばの力
4 海の向こうで日本語学ぶ子どもたち
5 ことばとアイデンティティ
6 複数のことばの中で育つということ
7 ことばの学びを支える「教材」1
8 ことばの学びを支える「教材」2
9 ことばの学びを支える言語活動
10 ことばの学びを支える言語活動をデザインする-発表1
11 ことばの学びを支える言語活動をデザインする-発表2
12 言語活動デザインをJSLカリキュラムから分析する
13 ライフストーリーを解釈する
14 総括:子どもの日本語教育における「支援」と「連携」
15 予備日

授業方法

・講義
・テーマに沿った問いに対する答えをグループディスカッションで深めていく

準備学習

事前に教科書の該当部分を予習しておくこと(30分)

成績評価の方法

レポート:60%(レポートは2本提出
レポートA30%、期末レポート30%で評価)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%(毎回、授業で出された問いについてコメントシートに記入、提出。問いに適切に答えられているかを平常点として評価)

教科書

川上郁雄・尾関史・太田裕子『日本語を学ぶ/複言語で育つ 子どものことばを考えるワークブック』初版、くろしお出版2014年、ISBN=9784874246351

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。