工作法
041-B-503

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
溝口 彰 講師 2 2~4 第1学期 1

授業概要

 本講座は卒業研究等において実験機器の製作または使用する場合に必要とされる当該機器の企画・設計の考え方、当該機器に搭載・使用される部品・材料の知識、加工方法、電子機器の組立方法、機器自体の評価方法、機器または部品の故障解析手法等について述べる。合せて、現代の工業製品で特に重要とされる品質・信頼性に対する考え方、基礎知識に関しても取り上げる。

到達目標

 各種材料の特性、加工方法、電気・電子部品の構造・動作原理の理解を通じ、自らの研究/実験に必要とされる実験装置の機能/性能を仕様(数値)化し、かつこれらを実現可能な手段として企画/提案すること、実験装置に搭載される部品の加工手段の選択、及び製作した装置に対するトラブルシュート(不具合部位の検出)と処置対策の設定が自律的に遂行可能となることを目標とする。

授業計画

1 オリエンテーション(講義の進め方、工作法の役割)、物作りの目的、物作りの手順と研究の手順
2 実験機器の企画・設計の知識、及び機構部品(ボルト、ナット)の知識(原理、種類)
3 加工方法の知識(1)・・・切削(原理、種類)、溶接(原理、種類)
4 加工方法の知識(2)・・・熱処理(原理、種類)、表面処理(原理、種類)
5 加工方法の知識(3)・・・はんだ付(原理、種類)、接着(原理、種類)
6 電気・電子部品の知識(1)・・・受動部品(構造、使用材料、動作原理)、接触部品(構造、使用材料、動作原理)
7 電気・電子部品の知識(2)・・・能動部品(構造、使用材料、動作原理)
8 部品・材料、機器の評価方法(1)・・・信頼性試験、スクリーニング
9 部品・材料、機器の評価方法(2)・・・品質管理における統計的手法(統計量の基本、母集団とサンプリング、検定・推定、X-R管理図)
10 部品・材料、機器の評価方法(3)・・・物理分析、故障解析
11 製品設計手法(1)・・・信頼性工学(用語と定義、ワイブル解析)
12 製品設計手法(2)・・・信頼性工学(FTA、FMEA)
13 製品設計手法(3)・・・品質工学(損失関数、許容差設計)
14 製品設計手法(4)・・・品質工学(S/N比と感度、パラメータ設計)
15 理解度の確認
 講義の後半で、理解度の確認を目的とした小演習(4~5回程度)を適宜実施する。小演習を実施する場合は、対象範囲及び実施日を前週の講義において通知する。

授業方法

板書、配布プリントを併用する。

準備学習

 本講義は物作りに関する広範囲な知識・技術を取上げる為、自分の苦手な分野、または未知の分野に関しては、予習(1時間~2時間)において疑問点を整理し、講義に臨むこと。
 講義終了後に用語の定義詳細、講義中に取上げた技術の市販製品への適用事例を追加調査する等、復習を行うこと(1時間以上)。また、講義内で実施した小演習やレポートに関しても解答の導出過程について理解を深めるべく反復すること(1時間以上)。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%(4~5問の記述問題を設定し、「最終結果」のみではなく「導出する過程」も採点対象とする。)
レポート:40%(4回のレポート(10%×4回)を設定し、考察内容及び該当技術に対する説明等を採点対象とする。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%(講義内で実施する小演習(4~5回)を平常点として加算する。)
 期末試験及びレポートは、「最終結果」のみが採点対象ではなく、「最終結果を導出する過程(考え方)」も採点対象とし、導出する過程の配点を高く設定しているので、試験やレポートの作成には、これらを十分考慮すること。期末試験では、たとえ最終結果に到達していなくても答案に記載されている導出過程(解答途中のものを含む)に対しても採点対象とする。レポートに関しては、課題に対する着目点や考察内容、及びこれらに対する表現力を重視する。なお、講義の理解度や受講生の自主的な申請に応じて、上記以外に追加レポートを設定し、成績評価に加算する場合もある。

教科書

 本講座では広範囲な技術を取上げる為、特に教科書は指定しないが、学習を進める上で参考となる優良文献等に関して講義の中で適宜紹介する。