一般物理学 物1年
世界を物理の心で観察する―
041-A-101

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
荒川 一郎 教授 2 1 第1学期 2

授業概要

物事を抽象化して考えることができるのは、大人になった人間の証の一つと思います。身の回りに現れる様々な量を記号化し、その関係を式で表現することも抽象化の一つでしょう。mv2/2=mghとかQ=CVとかの字の並びを見れば、諸君は頭を働かせて、ある意味をくみ取ることができ、さらにそれらをこねくり回して、新しい話を作れるはずです。これらはこの数年間訓練されてできるようになったことでしょう。それはそれで結構なのですが、ややもするとこれらの記号が表している元の量の具体的イメージが消えかかっていないですか。この講義では、もう一度様々な物理量の大きさを実感してもらいたいと考えています。例えば、「ボールを投げるときボールには何Nの力を加えているのだろうか」と言うことから考えてください。この力は手の指で実感できますね。さらに、気体分子一個の運動エネルギーとか、コップ一杯の水の中の分子数とか、数値で表せても、人間の直感的な理解を超えているような小さな(大きな)量もある意味で「実感」できるようになって欲しいのです。

到達目標

「物理量」が何であるかを理解し,あわせてそのスケール感を獲得する.

授業計画

1 数量に対する感覚
2 力を実感する
3 大気の圧力
4 力の場と位置エネルギー
5 ポテンシャル・カーブ
6 エネルギー
7 演習
8 仕事と気体の内部エネルギー
9 大気の圧力の再考
10 電子と電流
11 電子の運動
12 光子
13 光子のエネルギー
14 光子と電子
15 理解度の確認
皆さんの様子を見ながら、興味を持ってもらえそうな「トピックス」を取り上げながら進めます。必ずしも系統的な講義にはならないと思います。力学、電磁気学、熱学、波、原子など高校で習った物理を一通り、始めは復習のつもりで、次にこれから大学で学ぶ物理につなげて行くつもりで講義を進めます。

授業方法

講義期間中に数回のレポートを課し、適宜、演習・小テストなどを行います。標準的な講義形式です。

準備学習

高校で使用した物理の教科書をもう一度最初から読んでおくこと(通して読むのに24時間はかかるであろう).講義でわからないことがあったら,高校教科書の該当する分野・項目を復習すれば,多くは自力解決できるはずである(こちらは人によって0〜30分位か).

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%(物理量(数値と単位)の理解,正しい計算.)
中間テスト:40%(物理量(数値と単位)の理解,正しい計算.)
レポート:10%(物理量(数値と単位)の理解,正しい計算.)
小テスト:10%(物理量(数値と単位)の理解,正しい計算.)
物理量(数値と単位)の理解.問題となる物理現象を正しく把握すること.単位系を混同せずに正しく計算して解答を導いているか.

教科書

特に定めません。必要に応じて、中学・高校の教科書から理学部図書室にある本を見て下さい。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。