解析力学 物2年
041-A-221

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
井田 大輔 教授 2 2 第1学期 2

授業概要

Newton 形式の背後にあって, より洗練された古典力学の原理を学ぶ。Newton 形式においてはいくつかの質点の運動が各質点の運動量, 力といったベクトル量のみたす連立微分方程式によって記述されるのに対し, 解析力学ではそれら運動方程式のすべてが作用積分とよばれる単一のスカラー量を最小にするという原理によって表現される。この定式化は任意の座標系に対する運動方程式の変換, 拘束条件のもとでの運動の解析といった問題に対し有利な解法を与えるという手法的優位性をもつうえ, 同じ現象でも見通しのよい視点を与えてくれるという理論上の利点を有する。また, この形式は質点の力学に留まらず, 電磁気学, 統計力学, 一般相対論, 量子力学, 場の量子論といった, あらゆる理論の基礎となる概念を導入する。

到達目標

力学の背後にある幾何学を理解できるようになる。

授業計画

1 導入
2 Lagrange 形式, 一般化座標, 配位空間
3 変分法, 最小作用の原理, Euler-Lagrange 方程式
4 簡単な力学系
5 対称性と保存則
6 Hamilton 形式, 一般化運動量, 相空間
7 Hamilton の正準方程式
8 Lagrangeの未定乗数法
9 Legendre 変換
10 正準変換
11 Hamilton-Jacobi 形式
12 特異系の扱い, Dirac 形式
13 古典場の理論
14 量子論へむけて
15 理解度の確認

授業方法

黒板を用いた通常の講義形式による。

準備学習

講義の復習をしておくこと。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):90%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%
筆記試験の成績により, 講義内容の理解度を評価する。

参考文献

アーノルド『古典力学の数学的方法』、岩波書店
大貫義郎『解析力学』、岩波書店