物性物理学2 物3年
041-A-372

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
鹿野田 一司 講師 2 3 第2学期 5

授業概要

「物性物理学1」を受け、量子力学に基づいて物性の理解を進める。まず格子振動の基本的な性質を見る。次いで,周期的なポテンシャル中を運動する電子の振る舞いを学ぶ。特に、エネルギーバンドの概念が、結晶固体の統一的な理解を与えることを理解する。これまでに学んだ力学、電磁気学、統計力学、量子力学がいかに役立っているかを確認することになるであろう。

到達目標

結晶格子の振動的振る舞いと、結晶中を運動する電子の振る舞いを,古典力学と量子力学の両面から理解することを目指す。同時に,物質の電気的性質,つまり,金属,絶縁体,半導体の区別が漠然としたものではなく,物理的に明確なものであることを理解する。

授業計画

1 格子振動
2 フォノン
3 格子比熱と熱伝導
4 自由電子
5 結晶中のブロッホ電子とエネルギーバンド
6 ほとんど自由な電子の近似
7 強く束縛された電子の近似
8 物質のバンド構造と金属・半金属・半導体・絶縁体
9 結晶中での電子の運動と有効質量
10 電気伝導(1)古典的な考え方
11 電気伝導(2)バンド理論に基づく考え方
12 半導体のバンド構造
13 真性半導体と不純物半導体
14 p-n接合
15 まとめ

授業方法

板書を中心に進める。

準備学習

量子力学と電磁気学の基礎知識を前提とするため、これら2科目について復習しておくことを薦める。授業後に復習し、授業中に説明した概念を理解し、式変形を確認すること(1時間以上)。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):70%
レポート:30%

教科書

特に教科書は指定していないが、下記の参考書を教科書として所有することを薦める。

参考文献

岡崎 誠『固体物理学-工学のために-』、裳華房2002年年、ISBN=978-4-7853-2214-4
H. イバッハ、H. リュート著 石井・木村訳『固体物理学』、シュプリンがー2012年年、ISBN=4-431-70760-3

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。