数値解析および計算機2
計算機シミュレーション入門―
041-B-611

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
横山 悦郎 教授 2 3~4 第2学期 3

授業概要

現代では計算機を使った自然現象の研究手法は、伝統的な実験や理論と同じように重要な役割を担っています。この授業では、いままで学んできた物理数学をより理解するため計算機を使って、自然現象を観察・体験することを目的とします。具体的には、Mapleを使った数式処理法やHTML5Canvasを使った多粒子系シミュレーションについて解説します。Mapleを使った数式処理法では、グラフィックスを使ってフーリエ変換やラプラス変換を視覚的に理解すること、カオス力学系を例にとり様々なアトラクターを実際に自分で描くこと、拡散・流体現象における簡単な偏微分方程式を解く方法についてを学びます。多粒子系シミュレーションでは、熱平衡状態における古典粒子系を例にとり、分子動力学の初歩を学びます。

到達目標

Excel, MapleおよびC言語またはHTML5-JavaScript-Canvasを使った数値解析法について学び、それを考察することにより、自然現象のモデリングについて自分の言葉で理解と説明ができるようになる。

授業計画

1 0)授業の導入現象とモデリング
2 1)Excelを使った数値計算:差分の精度・移流方程式
3 Excelを使った数値計算:差分の精度・拡散方程式
4 2)数式処理ソフトMapleの基礎:フーリエ変換とラプラス変換
5 数式処理ソフトMapleの基礎:1次元および2次元非線形微分方程式の相空間における特異点解析
6 数式処理ソフトMapleの基礎:3次元非線形微分方程式の相空間における特異点解析・ローレンツ・モデルを例として
7 3)HTML5 Canvasを使った2次元シミュレーション:1個の粒子の直線運動のシミュレーション
8 HTML5 Canvasを使った2次元シミュレーション:1個の粒子の単振動のシミュレーションとその計算精度
9 HTML5 Canvasを使った分子シミュレーション:2次元容器における粒子の運動のベクトル化と境界における反射
10 HTML5 Canvasを使った多粒子の2次元シミュレーション:相互作用なしの複数の粒子
11 HTML5 Canvasを使った多粒子の2次元シミュレーション:2次元容器サイズ変更
12 HTML5 Canvasを使った多粒子の2次元シミュレーション:周期的境界条件
13 HTML5 Canvasを使った多粒子の2次元シミュレーション:剛体球モデルとして弾性衝突
14 HTML5 Canvasを使った多粒子の2次元シミュレーション:ポテンシャルによる相互作用
15 多粒子の3次元シミュレーションへ

授業方法

毎回前半の3分の2は講義を行い、後半の3分の1は各自で授業中に提示した問題のプログラミングを行う。この課題が毎回出るので、その結果と考察をこちらが用意したページにリンクし、各自のWebページで提出する。また、筆記小テストを時々行う。

準備学習

毎回の授業中に出した演習問題を各自のWebページから提出(約1時間)。

成績評価の方法

レポート:50%(問題の理解度および解決度)
小テスト:25%(筆記小テストの出来具合)
学期末課題:25%(課題の完成度)
学期末の課題および毎回授業の終了時に出すレポートと時々行う小テストで評価する。

参考文献

プリント(電子ファイル)を配付する。