熱学および統計力学3 物3年
041-A-342

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
宇田川 将文 准教授 2 3 第2学期 4

授業概要

相互作用のない多粒子系に平衡統計力学を適用することで、粒子の統計性の違いがマクロな量子系としてどのような違いをもたらすかということを論じる。特に自由フェルミ粒子系の一般論を固体中の電子に適用することにより、金属が示す種々の性質を統一的に理解する。また、自由ボース粒子系が示す顕著な性質である、ボース-アインシュタイン凝縮についても論じる。さらに、磁性体のように強く相互作用する系における相転移・臨界現象の問題についても触れる。

到達目標

マクロ多体系の強力な解析手法である統計物理学の方法論に習熟する事が出来る。さらに統計物理学を用いた物性論の基礎、相転移などの協力現象についての理解が可能となる。

授業計画

1 調和振動子の統計力学
2 固体の低温比熱とデバイ則(1)
3 固体の低温比熱とデバイ則(2)
4 輻射の統計力学(1)
5 輻射の統計力学(2)
6 多粒子系の量子力学(同種粒子の扱い)
7 量子理想気体
8 自由フェルミオン系と金属電子論(1)
9 自由フェルミオン系と金属電子論(2)
10 ボーズ=アインシュタイン凝縮
11 磁性体における相転移
12 Ising modelの相転移と臨界現象
13 統計物理学のトピックス(1)
14 統計物理学のトピックス(2)
15 理解度の確認
授業の進行によっては上記の計画通りに行うとは限らない。

授業方法

板書を中心とした講義形式とする。

準備学習

授業時間だけで初見の内容を十分に理解する自信がない場合は、授業前に予め教科書の該当箇所を読んで、内容に親しんでおくこと (1時間程度)。
また、適宜復習を行ない、授業中に説明した概念や式変形など、前回までの講義内容をきちんと理解しておくこと (1時間程度)。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):90%
レポート:10%

教科書

田崎晴明『統計力学II』(新物理学シリーズ 38)、培風館2008年、ISBN=978-4563024383
田崎晴明『統計力学I』(新物理学シリーズ 37)、培風館2008年、ISBN=978-4563024376

参考文献

久保亮五他『大学演習熱力学・統計力学』、裳華房1998年、ISBN=978-4785380328

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。