物性物理学3 物3年
041-B-671

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
家 泰弘 講師 2 3 第2学期 1

授業概要

「物性物理学1」で学んだ物性物理学の基礎知識に続いて、物質の磁性と超伝導について学ぶ。磁性や超伝導は、量子力学的な効果が巨視的なスケールで物性に現れる典型的な現象である。磁性や超伝導のミクロな起源を理解するとともに、相互作用によって秩序状態が生じる仕組みについて学ぶ。

到達目標

物質の磁性のミクロな起源を理解する。
超伝導の基本的性質とそのミクロな起源を理解する
相転移現象を扱う手法としての分子場模型やGL理論の考え方を身につける。

授業計画

1 磁石をめぐる科学史、物質の磁気的性質、磁気モーメントと磁化率
2 スピンと軌道、原子の磁気モーメント、反磁性、キュリー常磁性
3 交換相互作用、強磁性のワイス理論
4 さまざまな磁気秩序、磁気異方性、磁区と磁壁
5 伝導電子の磁性、パウリ常磁性、ランダウ準位、磁気量子振動
6 磁性に関する理解度テスト
7 理解度テストの解説と補足説明
8 超伝導の歴史、超伝導現象(ゼロ抵抗、永久電流、マイスナー効果)
9 超伝導を特徴づけるもの(コヒーレンス長、侵入長、エネルギーギャップ)
10 超伝導の現象論(GL理論)
11 超伝導のミクロ機構 ― クーパー対形成
12 超伝導のミクロ機構 ― BCS理論
13 磁束系の物理
14 超伝導に関する理解度テスト
15 理解度テストの解説と補足説明

授業方法

板書を中心とする。必要に応じてプロジェクターを用いるが、理解に必要な図などはコピーを配布する。

準備学習

特に課しません。授業時間中に集中して、疑問の点は質問してください。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):60%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%

教科書

家 泰弘『物性物理』(物理学教科書シリーズ)、産業図書1997年、ISBN=978-4-7828-1207-5

参考文献

家 泰弘『超伝導』(朝倉物性物理シリーズ)、朝倉書店2005年、ISBN=978-4-254-13725-5