量子力学特論
041-B-621

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
井田 大輔 教授 2 3~4 第2学期 2

授業概要

量子論の理論形式および運動学的側面に重点をおき, 量子論再入門をおこなう。Schroedinger方程式を解かない部分に特化し, また有限次元の系を題材にとることにより, 概念的なことを中心に解説をおこなう。

到達目標

Schroedinger 方程式以前にある, 量子力学の枠組み全体に対する理解を深める。

授業計画

1 量子論の公準: 状態, オブザーバブル, ユニタリー発展, 測定
2 合成系の記述, 線形代数からの準備
3 EPRの背理, 隠れた変数理論
4 決定性, 状況依存性, 局所性, Bell の定理
5 純粋および混合状態
6 測定の基底, 状態決定
7 状態の分離可能性, エンタングルメント, Schmidt 分解
8 Bell 基底, コンカレンス
9 量子操作
10 LOCC, アンサンブル定理
11 量子論理ゲート
12 2量子bit上の論理回路
13 万能回路
14 Shorの素因数分解アルゴリズム
15 理解度の確認

授業方法

黒板を用いた通常の講義形式をとる。

準備学習

推論の過程を再現できるようにしておくこと。

成績評価の方法

レポート:70%(自分の言葉で説明できているか。推論が明確か。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):30%
数回のレポート問題によって理解度を確かめる。ただし, 大学院生には追加のレポート課題がある。

参考文献

佐藤文隆『量子力学ノート』、サイエンス社
アイシャム『量子論』、吉岡書店