地球物理学
太陽系の物理学―
041-B-504

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
栗田 敬 講師 2 2~4 第2学期 2

授業概要

最近の惑星の探査により大きく進展した太陽系の姿を紹介し、その様々な構成員の特徴の理解に物理学がどのように貢献しているのかを解説をする.取り上げる題材は惑星・衛星の内部構造や大気構造、45億年にわたりどのように進化してきたのか?、惑星・衛星の熱源、表層環境の特徴などである.講義の中心的なテーマは我々の地球が太陽系の中でどのような位置にいるのか、地球の特質を太陽系の中で理解することを目的とする.

到達目標

太陽系内の様々な現象を支配している基礎的な物理過程の理解

授業計画

1 太陽系の構成員(1):惑星探査の手法、質量をどう決めるのか?
2 太陽系の構成員(2):天体の形状、重力場、平均密度
3 天体の内部構造と組成:内部の圧力、金属化
4 太陽から受けるエネルギー:惑星の表層環境が決まる機構、プランクの輻射則
5 地球型惑星(1):大気の構造、表層、クレーター年代学
6 地球型惑星(2):大気の組成、温室効果、金星地球火星の比較
7 地球型惑星(3):磁場、太陽風、ローレンツ力、大気の散逸
8 地球型惑星(4):内部構造、進化、火山活動
9 巨大外惑星:内部構造、組成、太陽系の構造
10 太陽系の成因:現在の構造、準惑星、カイパーベルト天体
11 氷衛星:内部構造、熱源、
12 衛星:潮汐相互作用、角運動量保存、月地球系
13 太陽系の中の地球:地球は特殊な存在か?、海の存在、表層環境の安定性
14 系外惑星:太陽系外の惑星系、検出法、多様な姿、太陽系は一般的な存在か?
15 まとめ

授業方法

講義形式を主体とするが、キーとなる質問・疑問を軸に講義を進める.

準備学習

講義は一連の連続した展開です.前回の内容を良く復習しておくこと.
本講義で目指すものは地球惑星科学現象の理解に物理学がどのように使われているのかを解説することにある.復習課題として力学、統計熱力学などの関連講義の内容を再確認しておくこと.また温暖化・寒冷化などの環境変動、地震や火山噴火といった自然災害、惑星探査などニュースや新聞で良く取り上げられる話題である.講義ではこのような時事ネタも適宜採り入れるので、ニュースや報道番組、新聞に目を通しておくことを勧める.

成績評価の方法

レポート:70%(内容の正しさよりも自分の言葉で書かれているかという点を重視する.)
小テスト:30%(講義の理解度のチェックに使う.)

その他

電子メイルにて講義への意見・要望・質問を受け付ける.初回講義時に電子メイルアドレスや講義内容のHPを伝える.