基礎化学 物1年
041-A-102

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
加藤 礼三 講師 2 1 第1学期 5

授業概要

まず認識していただきたいのは、本授業は「化学」の授業というよりは、「物理学」(主に量子力学)の成果が如何に化学の「基礎」を築き、物質科学を豊かにしているかを学ぶ「物理学」の授業であるということである。
化学は、宇宙に存在するすべての物質を研究対象とし、さらに、新たな物質の合成を行うことによって物質の世界を拡張する。化学の主役は、「化学結合」である。この授業では、物質科学の基礎となる「化学結合」を主軸として、広い視野から「物質」を総合的に理解することを目指す。

到達目標

「化学結合」について理解し、原子や分子の結合・集合様式とそれらが物質の性質に如何に反映されるかを考察できるようになる。

授業計画

1 物質の構成要素:元素の誕生(ビッグバン、核融合、超新星爆発)
2 電子の性質:粒子性と波動性、重ね合わせの原理
3 原子の中の電子:原子軌道
4 構成原理
5 電子配置と周期律
6 共有結合:ルイス構造式
7 共有結合:原子価殻電子対反発モデル
8 前半のまとめ
9 共有結合:分子軌道法
10 共有結合:原子価結合法(混成軌道)
11 σ結合とπ結合
12 π共役分子:ヒュッケル分子軌道法
13 結晶の中の電子
14 エネルギーバンド :金属と半導体
15 理解度の確認
実施回と内容項目との対応については、大まかな目安です。

授業方法

講義形式

準備学習

毎回の授業の前までに、前回の授業の復習を行っておいてください。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):70%(授業で学習したことを理解していることと、それを使いこなすことが出来ること。)
レポート:20%(演習問題等で、授業内容を確認する。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%(毎回、出席カードを提出。授業内容に関するコメントを求める。)
授業の進行状況等によっては、評価配分を若干変更する可能性があります。

教科書

M. J. Winter (著), 西本 吉助 (訳)『フレッシュマンのための化学結合論』、化学同人1996年、ISBN=9784759807752

参考文献

朝永振一郎『鏡の中の物理学』(講談社学術文庫 31)、講談社1976年、ISBN=9784061580312
ファインマン(砂川重信 訳)『ファインマン物理学(5)量子力学』、岩波書店1986年、ISBN=9784000077156
両者とも、化学結合の理解に不可欠な量子力学の基本的考え方を理解する上で非常に優れた著書です。前者は、レポートで用います。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

レポートや重要な連絡をG-Portからお知らせしますので、常にチェックをお願いします。