○物理学・数学演習3 物3年
041-A-361

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
田﨑 晴明 教授
高麗 徹 助教
2 3 通年週2回
4
5

授業概要

演習とは単に与えられた問題を解くだけの授業ではない。能動的に演習という場に参加し、自分の理解したこと、分からないことを発表し、演習の参加者と議論することにより、自分自身のみならず他の参加者の理解をも深めていくことに演習の意義がある。問題の解法を学ぶためだけならば適当な問題集を独習することの方が、より系統的で、効率的であろう。ただ出席して、ノートをとるだけならば演習という授業の目的は達せられない。この演習では、量子力学に関連した問題を扱う。その際、必要ならば、古典力学、電磁気学、物理数学等の問題も扱う。

到達目標

量子力学を理解し、自らの力で演習問題を解けるようにし、さらに、理解した内容を他の参加者に説明できるようにする。

授業計画

1 複素関数の微分
2 コーシー・リーマンの関係式
3 複素関数の積分
4 コーシーの積分定理
5 フーリエ変換
6 デルタ関数
7 波束の運動
8 群速度
9 波束の拡散
10 1次元調和振動子
11 昇降演算子
12 数演算子
13 連成振動子
14 3次元調和振動子
15 結晶格子振動の熱統計力学
16 一様電場中の調和振動子
17 縮退が無い場合の摂動法
18 角運動量
19 中心力場中の電子
20 水素型原子
21 一様電場中の水素型原子
22 縮退がある場合の摂動法
23 時間を含む摂動
24 黄金律
25 1次元自由電子の状態密度
26 箱型障壁による散乱
27 3次元自由電子の状態密度
28 湯川ポテンシャルによる散乱
29 微分散乱断面積
30 全散乱断面積
主として量子力学の問題を扱うが、参加者の理解度、興味の方向を勘案して適宜授業計画を定める。最初は、復習を兼ねて、複素関数の微積分を扱う予定である。

授業方法

問題のプリントを適宜配布する。その問題を各自解き、黒板を使って説明してもらう。その際、必要に応じて、コメントを加えたり、解き方等を指導する。

準備学習

参考書『鏡の中の物理学』を事前に読んでおくことが望ましい。
また、前回までに配布されたプリントの問題を解き、関連する講義で習った内容を
必要に応じて復習すること。これから先の準備や前回までの復習に、確認も兼ねて、
それぞれ、最低でも1時間程度、勉強すること。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%
第2学期(学年末試験):40%
平常点:20%
ただ出席しているだけでは平常点を与えられない。積極的に発表し、議論することが必須である。
あくまで、試験の点と平常点の重みは、一つの目安であり、不断の演習への積極的参加が
評価のポイントである。

教科書

江沢洋『量子力学(Ⅰ)、(Ⅱ)』、裳華房2002
この本に沿って演習を進めるわけではないが、参考として挙げておく。他にも、量子力学の本は、たくさんあり、自分に合ったものを探すのもよい。

参考文献

朝永振一郎『鏡の中の物理学』(講談社学術文庫)、講談社1976
事前に読んでおくことが望ましい。

その他

月曜日4、5時限にも「物理学・数学演習3」を開講している。どちらか一方を選択すること。但し、希望者が片方に大きく偏った場合は、人数の調整を行う。