物理実験3 物3年
041-A-351

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
渡邉 匡人 教授
荒川 一郎 教授
平野 琢也 教授
伊知地 國夫 講師
柴田 康介 助教
坪田 雅功 助教
山川 紘一郎 助教
4 3 第1学期 木、金 3、4、5

授業概要

物理学は現象を正しく見、これを信頼できる実験データとすることから始まる。諸君は、これまでのカリキュラムから実験の基礎を習得してきた。これまでに習得した実験の基礎を基に、物理実験2と3では今までより多少複雑な事象を計測し解析して、研究実験の基礎を習得していく。

到達目標

これまでに習得した物理学の基礎を基に,研究実験の基礎を習得する。

授業計画

1 【A課程】
A1.圧電気現象の観測
A2.ヤング率と内部摩擦の測定
2 A3.マッハチェンダー干渉計による濃度勾配の測定
A4.非線型光学
3 A5.マイクロ波による結晶模型の構造解析
A6.発光ダイオードの特性評価
4 A7.プランク定数と電気素量の測定
A8.外部共振器レーザーを用いた飽和吸収分光
5 A9.電子回路とマイクロプロセッサ
A10.衛星アンテナを用いた宇宙背景放射の測定
6 【B課程】
B1.物質の構造解析
(a)電気炉による結晶の作成
(b)アーク炉による合金結晶およびアモルファス合金の作成
(c)結晶およびアモルファスのX線回折
7 B2.電気的、磁気的性質の測定
(a)酸化物超伝導体の作成と電気伝導率測定
(b)金属、半導体およびアモルファスの電気伝導率の温度依存性測定
8 (c)核磁気共鳴(NMR)の基礎実験
(d)磁気てこによる磁化のヒステリシス測定
9 B3.熱物性測定
(a)冷却曲線の作成による状態図の作成
(b)示差熱分析による固相相転移
10 (c)静滴法による表面張力測定
(d)電磁浮遊法による融体密度測定
11 【C課程】
C1.真空を用いる実験
(a)金属薄膜の作製とその電子的性質
(b)電子衝撃イオン化による気体の圧力測定
12 (c)熱電子放出による金属の仕事関数の測定
(d)気体の熱伝導率の測定
13 C2.光学実験
(a)偏光解析法による薄膜の光学的性質の測定
(b)フラウンホーファー回折と光学的性質の測定
14 C3.放射線計測
(a)シンチレーション計数管を用いたγ線のエネルギー分布測定
(b)ガイガーミューラー計数管を用いたβ線の観測
(c)比例計数管を用いた低エネルギーX線のエネルギー分布測定
15 実験のまとめと発表
(各研究室でおこなった実験の発表をおこなう)

授業方法

A課程の担当は平野研究室、B課程の担当は渡邉研究室、C課程の担当は荒川研究室でおこない、各研究室で工夫をこらしたプログラムを組み、諸君を待っている。物理実験2では、下記の内容の3分の1をおこなう。【A課程(平野研究室)】下記のAテーマから二つ選び、一つのテーマを一人または二人で所定の期間に実験する。できるだけ個人的な指導をしたいと考えているので、遠慮せずに平野研究室を訪ねて欲しい。最終日に発表会を実施する。【B課程(渡邉研究室)】B課程では物質の構造と性質を調べる基礎的な実験を、試料の作成から自らおこない物性物理学の理解を深めてもらう。また最後に実験結果を議論する機会を設け、発表技術の習得とともに実験レポートの記述内容の充実をはかる。【C課程(荒川研究室)】C1の中から一課題、C2+C3から一課題を選択し、実験を行う.前半は装置と測定原理を理解するための練習実験であるが、後半は自分のオリジナルな発想を加えて実験を発展させて欲しい。それぞれレポートを提出し、最終日にどちらかの実験について発表する。

準備学習

測定の原理など実験に必要なことを事前に十分に調べておくこと(約30分)。

成績評価の方法

レポート:30%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%
実験内容・成果の発表:30%
レポートと発表。
実験に取り組む姿勢も評価の対象とする。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。