無機材料化学
無機材料設計のための基礎―
042-B-311

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
稲熊 宜之 教授 2 3 第2学期 2

授業概要

無機化学および物理化学を基礎として、酸化物、ハロゲン化物、硫化物などの無機固体について構造、化学結合、電気的、磁気的、光学的性質などの物性の関係に注目し、その機能性発現について考える。原子から分子、金属錯体、そして固体へと拡張しながら話を進めていく。また、実際に使われている無機機能性材料を例にとり、材料設計の基本的な考え方について解説する。

到達目標

無機固体の構造、化学結合、物性およびそれらの関係について理解するための基礎を身につけることができる。

授業計画

1 概論
2 分子および結晶における対称性
3 回折法を用いた相の同定
4 回折法を用いた構造解析
5 無機固体物質の構造と物性(1)無機固体物質とその結晶構造
6 錯体における化学結合 結晶場理論、配位子場理論
7 遷移金属錯体の構造と性質の関係(1)結晶場(配位子場)分裂
8 遷移金属錯体の構造と性質の関係(2)結晶場分裂と磁性および電子スペクトルの関係
9 分子から固体へ - 電子のふるまい 分子軌道からバンド構造へ
10 無機固体物質の構造と物性(2)電子伝導性, イオン伝導性
11 無機固体物質の構造と物性(3)誘電性
12 無機固体物質の構造と物性(4)磁性
13 無機固体物質の構造と物性(5)光学特性
14 無機機能性材料におけるケーススタディ
15 理解度の確認

授業方法

必要に応じてプリントを配布する。小テストまたは演習をおこなう。

準備学習

講義内容および返却された小テストの内容を復習し、理解しておくこと。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):50%(総合的な理解度を評価する)
小テスト:10%(内容の理解度を確認する)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%(小テストとあわせて評価する)
中間テストまたはレポート:30%(前半の講義の内容の理解度を確認するとともに積極的な取り組みを評価する)
学年末試験、中間試験またはレポート、小テスト、出席状況により評価する。上記に目安となる評価配分を記した。

教科書

田中勝久・平尾一之・北川進 訳『シュライバー アトキンス 無機化学(上)』第4版、東京化学同人2008
田中勝久・平尾一之・北川進 訳『シュライバー アトキンス 無機化学(下)』第4版、東京化学同人2008

参考文献

コットン、ウィルキンソン、ガウス著、中原訳『基礎無機化学』、培風館
Mark T. Weller, Inorganic Materials Chemistry, (Oxford Chemistry Primers 23), Oxford University Press, 1995
T. A. Albright, J. K. Burdett and M. H. Whangbo, Orbital Interactions in Chemistry, Wiley-Interscience, 1985
その他、講義の中で指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

無機化学Ⅲおよび物理化学ⅢおよびⅣと関連があるので3学年以上の学生の履修が望ましい。