複素関数続論
043-A-615

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
西川 青季 講師 2 3~4 第1学期 2

授業概要

この授業の目的は、複素解析学の古典的理論を学ぶことである。すなわち、複素関数入門の授業の続編として、正則関数の写像としての性質について学び、その幾何学的意味を理解するのがねらいである。とくに、リーマン球面の一次変換や単位円板の解析的自己同型群について学んだ後、リーマンの写像定理とその証明の理解を目指す。

到達目標

1 複素偏微分をもちいた複素関数の計算に習熟する。
2 正則関数の局所的性質と大域的性質の係りを理解する。
3 リーマンの写像定理とその幾何学的意味を理解する。

授業計画

1 正則関数とコーシー・リーマン関係式
2 複素偏微分と連鎖定理
3 コーシーの積分定理と積分公式
4 正則関数の基本的性質
5 正則関数と調和関数
6 リーマン球面と一次変換
7 単位円板の解析的自己同型群
8 有理型関数と偏角の原理
9 正則関数の局所的性質
10 リーマンの写像定理
11 リーマンの写像定理の証明1
12 リーマンの写像定理の証明2
13 総合演習
14 講義の総括と理解度の確認
15 到達度確認

授業方法

複素関数入門の講義で履修した内容を前提とするが、基本的事項の復習を行いながら、講義形式で授業を進める。

準備学習

複素関数入門の授業で学んだ基本的事項(コーシー・リーマン関係式,正則関数のテーラー展開やローラン展開,留数を使った定積分の計算など)をよく理解している必要がある。理解が不十分な場合は、講義の際に紹介する参考書等で予習・復習しておくこと。また、授業中に配布した資料は必ず復習し(約1時間)、次回の授業の準備とすること。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):80%
レポート:20%

教科書

特定の教科書は定めない。参照すべき文献は授業中に指示する。

参考文献

高橋礼司『複素解析』(基礎数学)新版、東京大学出版会1990
藤本坦考『複素解析』、岩波書店2006
吉田洋一『函数論』(岩波全書)第2版、岩波書店1965
竹内端三『函数論上巻(新版)』POD版、裳華房2015
西川青季『等長地図はなぜできない』、日本評論社2014

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。