幾何学3
043-B-623

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
桑田 孝泰 講師 2 3~4 第2学期 2

授業概要

前半は,凸多面体についてエルハートの理論およびその周辺の話題についてを講義する.
多面体の含む格子点(座標がすべて整数である点)の個数から得られるエルハート多項式と
エルハート級数をいくつかの多面体を題材に具体的に計算にする.その後,格子凸多面体
のエルハート多項式の次数はその多面体の次元に等しいというエルハートの定理を始めと
するエルハートの理論について学ぶ.
後半は,正六面体(立方体)や正四面体などの平面への正射影に関するガウスの定理,
イーストウッド-ペンローズの定理などを扱う.複素数平面や線形代数の基本知識を用いるが,
その都度復習を取り入れていく.

到達目標

母関数の概念を理解して,いくつかの多面体のエルハート級数を求める計算における考え方を理解できる。また,エルハートの理論が理解できるようになる。さらに,正六面体(立方体)や正四面体などの平面への正射影に関するガウスの定理およびイーストウッド-ペンローズの定理の内容を理解できる。

授業計画

1 数列の母関数の概念と応用
2 単位立方体のエルハート多項式,エルハート級数
3 標準単体,ピラミッド,十字多面体のエルハート級数
4 ピックの定理と格子多角形のエルハート級数
5 有理多面体とそのエルハート級数
6 三角形分割,および,尖状錘と有理錘の格子点
7 格子凸多面体の格子点,エルハートの定理
8 格子凸多面体のエルハート級数
9 有理凸多面体に対する相互法則
10 反射的多面体のエルハート級数
11 直交系の平面への正射影
12 ガウスの定理
13 直交三脚の脚の長さ
14 正四面体の平面への正射影
15 まとめ

授業方法

講義形式で行います。適宜演習する時間をとります。

準備学習

毎回,前回の内容の復習を予習として少なくとも30分は行ってきて授業に臨んでください。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):50%
レポート:40%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%
基礎的内容の理解度に重点を置いて評価する。

参考文献

ベック,ロビンス『離散体積計算による組合せ数学入門』、丸善出版2012年、ISBN=9784621062715