生物工学
044-B-607

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
小島 修一 教授 2 3 第1学期 1

授業概要

生体内において種々の反応を触媒する酵素など、重要な生体高分子である蛋白質に対して遺伝子工学の手法を用いてアミノ酸置換を施し、蛋白質の性質を調べる研究分野である「蛋白質工学」を中心に講義する。変異導入法、変異蛋白質の解析などの紹介の後、変異導入によって活性・機能や安定性が変化した蛋白質の改変例について述べる。最後に、ファージ提示システムや非天然アミノ酸の導入など、機能性蛋白質創成のための遺伝子工学の応用例についても触れる。

到達目標

遺伝子工学の手法を用いて作成した変異蛋白質の解析例を通して、蛋白質の構造と機能に関する理解を深めることができ、さらに機能性蛋白質の創成に遺伝子工学の手法がいかに応用されているか、それらの原理を含め、主に分子論的観点から論理的に思考できるようになる。これにより、生命現象を分子レベルでより深く理解する力を養える。

授業計画

1 変異導入法
2 変異蛋白質の発現
3 変異蛋白質の精製
4 変異蛋白質の諸性質の解析法:機能解析法
5 蛋白質工学による蛋白質の改変例:酵素の基質特異性の変換(プロテアーゼを中心に)
6 〃 :酵素の基質特異性の変換(プロテアーゼ以外の酵素)
7 中間の理解度の確認ならびに総括
8 蛋白質工学による蛋白質の改変例:酵素以外の蛋白質の機能改変
9 〃 :補酵素要求性、pH依存性の改変
10 変異蛋白質の諸性質の解析法:安定性解析法
11 〃 :安定性の改変
12 人工蛋白質の設計と合成
13 ファージ提示システム
14 蛋白質への非天然アミノ酸の導入
15 理解度の確認ならびに総括

授業方法

板書を中心に授業を進め、随時、プリント等で授業内容についてのまとめを行う。

準備学習

事前に配布されたプリントあるいは参考書の該当する箇所を読んでおくこと(1~2時間)。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):55%
中間テスト:40%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):5%
テストの答案は返却し、授業内で解説を行う。

参考文献

渡辺公綱・小島修一『蛋白質工学概論』、コロナ社1995

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。