職業指導科教育法Ⅲ 
職業的能力の日本的形成について―
091-E-131

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
沼口 博 講師 2 2~4 第2学期 1

授業概要

明治期以降、後発国として出発したわが国は欧米からの技術導入により近代化を実現してきた。そのために近代的な工場では欧米方式の教育と訓練が当初導入された。その後、日本的な制度として企業内教育・訓練が形成され、今日の企業内教育・訓練制度として定着するに至っている。学校教育の上に企業内教育・訓練という「かさね餅」型と言われる制度である。
 職業能力の開発を企業内教育・訓練に委ねるこうした方式は、非正規雇用が広がる中で大きな社会問題ともなっている。職業能力の開発をどのように社会化していくのかが今日の課題である。

到達目標

職業能力の形成に関するわが国の特殊性を理解し、今日の我が国の企業内教育・訓練の構築過程について理解し、学校教育との関係について分析的に理解する力をつける。

授業計画

1 日本の産業の勃興と企業内教育(企業内教育・訓練の歴史1)
2 日本の産業の勃興と企業内教育(企業内教育・訓練の歴史2)
3 戦後日本の経済復興と学校教育(1)1950年まで
4 戦後日本の経済復興と学校教育(2)高度成長期1
5 戦後日本の経済復興と学校教育(3)高度成長期2
6 戦後日本の経済復興と学校教育(4)安定成長期1
7 戦後日本の経済復興と学校教育(5)安定成長期2
8 企業内教育・訓練制度と職業能力開発1(養成訓練)
9 企業内教育・訓練制度と職業能力開発2(向上訓練)
10 企業内教育・訓練制度と職業能力開発3(階層別訓練)
11 公共職業訓練制度について1(職業安定行政)
12 公共職業訓練制度について2(職業能力開発行政)
13 日本における職業能力開発制度の課題1
14 日本における職業能力開発制度の課題2
15 まとめ(発表)
配布資料をもとに授業を行う。配布した資料は毎回持参して欲しい。

授業方法

学期末にグループによる発表(プレゼンテーション)を行うので、グループで課題を見つけ、その課題について報告をしてもらう。積極的に取り組んで欲しい。

準備学習

事前配布する資料について、よく読んで理解しておくこと。

成績評価の方法

中間テスト:10%(中間にテストを実施し、理解度を見る。)
小テスト:10%(途中で理解度を見るため、小テストを行う。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%(出席状況および授業への参加(発言やグループ活動への参加など)を考慮。)
学期末にレポートを課す:60%(課題への対応の適切性、論理的な整合性などを考慮して評価する。)
授業内容に従って課題を出す。参考文献を必ず参照しながら、課題に対して的確なレポートを作成して欲しい。

参考文献

そのつど指示する。

その他

資料や参考文献などについては授業の中で適宜紹介する。また、この授業ではグループを編成し、協同で資料を読み解いたり、プレゼンテーションを行ってもらうので、積極的にグループ活動に取り組んで欲しい。連絡方法については、最初の授業の際に案内する。