教育相談D 
自己実現を目指した教育相談の在り方―
091-E-010

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
吉田 恵子 講師 2 2~4 第2学期 2

授業概要

教育相談は、児童生徒一人一人の自己実現を目指して、本人又は保護者等に、その望ましい在り方について助言を行う教育活動である。そのためには、すべての教師が、児童生徒に接するあらゆる機会をとらえて、教育活動の実践の中に、教育相談的な視点に基づく配慮を加味することが、学校現場では求められている。教育相談に関する理解を深め、技法を習得するために、事例を汎化したものを課題として提示した演習を行う。個別の相談活動のみならず、家庭・地域・関係機関との連携にもふれながら、問題や背景への理解を促し、アセスメントに基づいた具体的対処法への道筋について、考えられることを目的とする。

到達目標

1)「教育相談の今日的課題に対する理解」=今日的課題について理解し,その対処法について自分の考えを述べることができる。
2)「児童生徒への個別支援や個別指導に関する能力」=教育相談にかかわる基本的な技法を理解し、実践することができる。
3)「集団指導や学級経営に関する能力」=開発的予防的な教育相談の重要性について理解し,説明することができる。
4)「家庭・地域・関係機関との連携の意義を理解」=自己の特性を理解し、チームとして組織的に取組むことの重要性を説明できる。

授業計画

1 学校教育と教育相談の現状と課題
2 カウンセリングの理論と技法(1):カウンセリングの基礎知識と傾聴的態度
3 カウンセリングの理論と技法(2):カウンセリングの基礎知識と言語的技法
4 カウンセリングの理論と技法(3):カウンセリングの基礎知識と非言語的技法
5 児童生徒の発達段階と発達障害の理解:気になる児童生徒の支援と合理的配慮
6 保護者への対応と教師のメンタルヘルス:クレーム対応の基本と危機介入
7 生徒指導と教育相談:ネットいじめ等、問題行動の理解と対応
8 不登校問題の理解と対応
9 教育実践に活かす開発的予防的教育相談:構成的グループエンカウンターの活用
10 学級経営と集団支援(1):学級集団分析尺度の理解とアセスメント
11 学級経営と集団支援(2):学級集団分析尺度の活用とグループ支援
12 進路指導と教育相談:キャリア教育とガイダンスカウンセリング、中途退学等の実際
13 教育相談の校内システム:他の校務分掌や養護教諭、スクールカウンセラーとの連携
14 外部専門機関との連携と協働:チーム学校の実践、貧困問題や精神医学的問題の対応
15 まとめ

授業方法

講義と演習形式で行う。
アクティブ・ラーニングの視点(ロールプレイ,グループワーク,ディスカッション等)も、適宜導入する。

準備学習

・予習:前回講義終了時に「教育相談を取り巻く今日的課題に関する汎化事例(事例を一般化して修正を加えたもの)」を提示するので、その対処法に関する自分の考えを、400字前後でまとめておく。(約1時間)
・復習:汎化事例の対処例の解説を次回の講義開始時に行うので、自分の解答との相違点や疑問点を明らかにする。
・備考:演習した「汎化事例」の中から試験問題を出題するので、確実に自分の知識として習得しておくこと。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):70%(基礎知識を習得し,現代の教育課題について論理的に考察できているかを評価のポイントとする。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):30%(演習等への参加態度や提出物等による総合評価。
授業時のふり返りシートやディスカッションシートも評価対象とする。)

教科書

河村茂雄(編)『教育相談の理論と実際』、 図書文化2012年、ISBN=9784810026078
講義用資料を配布する。

参考文献

会沢信彦・安齊順子(編)『教師のたまごのための教育相談』、北樹書房2010年、ISBN=9784779302305
文部科学省『中学校学習指導要領解説-特別活動編-』第4章・第1節・2生徒指導の充実と教育相談

その他

座学に加えて、アクティブ・ラーニング(カウンセリング演習、グループ討議、グループワーク等)を導入するので、積極的な参加を期待する。
質問や諸連絡は、初回授業時公開するアドレス宛にメールで問い合わせること。