書道概論 
091-E-213

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
齊藤 登 講師 2 2~4 第2学期 3

授業概要

殷・甲骨文字より楷書の成立までを時代背景を混え乍ら、解説していく。特に周時代より漢時代までの書体の確立を追う。その後名品と言われた作品の解説をし、明確に論じえる「目」を養っていきたい。文字学にも触れます。

到達目標

和漢の文字の歴史と展開を出来る限り理解させたい。大きな時代の流れの中変化を遂る漢字と、我国独特の文字文化の仮名と学ぶものは誠に多い。しかし乍ら文字を芸術の域にまで達せた意義を考えさせたい。

授業計画

1 <甲骨文字>の発見と研究者の解説。
2 <甲骨文字>の分析。特に金文(青銅器銘文)との関係を学ぶ。
3 <甲骨文字>より文字学に至る経緯の説明。
4 秦・始皇帝の統一時に於ける篆<小篆>の制定と度・量・衡。
5 戦国期より漢代に至る肉筆書《簡牘・帛書》の説明。
6 戦国末・秦・漢に於ける帛書・竹簡・木牘に見る通行書体の発展を解説。(篆→隷→草)
7 前漢期の素朴雄渾な隷書(古隷)を解説。
8 後漢期に於ける隷書の黄金時代と漢帝国の滅亡への過程を書体を通して説明。
9 前漢初期の隷書と、後漢末八分隷の相違点を分析。
10 草書の黎明と今草・連錦と続く約2000年間を通視する。
11 平安初期に於ける大陸よりの漢字の新しい流入を解説。
12 仮名美と古今和歌集の関係を考える。
13 新古今和歌集にみる幽美と墨跡の関係を考える。
14 清代に於ける考証学(金石学を含む)を説明。
15 明治新政府時に於ける「書の黒船来朝」を説明・まとめ。
大陸と日本の文字文化とのつながりと相違を覚えます。例・草書より仮名の誕生など。

授業方法

講義主体

準備学習

年代と時代名称は必ず覚えて下さい。時代と作品名が理解出来ないと困るのは自分です。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):70%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):30%

教科書

『書学書道史学会「書道史年表事典」』、萱原書房
必ず持参して下さい。年代等が理解出来なくなります。

参考文献

『全国大学書道学会「書の古典と理論」
教科書と併用すると解り易くなります。また他の書関係の授業でも使用します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。