書道Ⅰ(漢字) 
091-E-214

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
齊藤 登 講師 2 2~4 通年 5

授業概要

第1学期―初唐の三大家の作品は我国奈良、平安時代に多大な影響をもたらした。その作品を通して楷書の基礎とも言える点・画・線・構成を的確に学びとり、その華麗な構築美を修得する。(書写教育中心)
第2学期―北魏の雄渾な作品に触れ、幅広い表現力と、その背後に潜む美を探ってみたい。
芸術教科故え、型にハメ込むことを極力さけ、各自の持ち味を引き出す。なお夏・冬休みには条幅作品の制作をさせます。

到達目標

第1学期に於いては書写に流入出来る書風を中心としたい。半折作品をもって半期の仕上げとする。
第2学期は一歩踏込み、高等学校に於ける芸術教科「書道」の領域に手を伸ばす。勿論半折による作品制作も行なう。

授業計画

1 年間授業の説明。古典中心故え、各自法帖を説明。その他筆・墨・硯・紙等文房具の解説。
2 法帖の学習法を詳しく説明。書作品の類型化を防ぐ為、唐時代名品の説明。
3 楷法の結構法(中心、間隔、点画、払い等)を解説。作品提出。孔子廟堂碑。
4 碑文の欠落部分に於ける解決法の説明。作品提出。九成宮醴泉銘。
5 法帖の疑問点等を研究及び解説。作品提出。九成宮醴泉銘。
6 一法帖に於ける個々の作品仕上げ。作品提出。(唐・三大家作品より)
7 楷書と言えども、流れ、リズムの研究。雁塔聖教序。
8 各法帖との相違点<点、画、線質、払い等>を解説。提出。
9 自己による自由研究。孔子・九成宮・雁塔を各自選択する。以下それによる。
10 表現力を豊かにする問題点についての説明。提出。
11 線の細太、曲直、蔵露、潤渇、等相反する手法の取り入れ方。提出。
12 半折書きの実書説明(濃淡、潤渇、細太、曲直、蔵露、抑揚、選文)。
13 半折は半紙と違いバランスが必要となる。その点の説明。
14 条幅書きの指導。
15 夏季休暇中の作品制作説明・まとめ。
16 北魏のエネルギッシュな書に触れ、その雄渾美を探る。龍門写真配布。
17 時代が古い上欠損個所が多く経験の少ない書故え、各々の質問時間となる。提出。
18 時代性に慣れることに重点を置く。提出。高貞碑。
19 大胆且つ強靭な線質習得への研究。提出。張猛龍碑。
20 形にとらわれない美への追究。提出。鄭羲下碑。
21 法帖替え。<例・高貞碑→張猛龍碑、等>
22 法帖の相違確認<例・上記> 提出。
23 自己にて自由研究。提出。
24 古法帖の重要性を説く。提出。
25 世界遺産の「龍門造像記銘」の臨書。
26
27
28 半折書きの説明と準備。
29 冬季休暇中の作品制作指導。
30 休暇中仕上げた作品批評会・まとめ。
実技中心の授業故え、意欲のある学生を望みます。又、教職であることを認識して臨んでほしい。

授業方法

授業毎に作品提出を求めます。実技主体。(教室の関係上約40名定員とします。)

準備学習

実技中心となる授業故え、授業外でも筆に親しみ自己練習を求めたい。

成績評価の方法

平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%
提出作品による:80%

教科書

全国大学書道学会『書の古典と理論』、光村図書(株)
教科書が無いと自分が何をするべきが理解出来ない。

参考文献

柳碧蘚著『書の古典攻略ハンドブック』、可成屋

履修上の注意

履修者数制限あり。(25名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。