書道Ⅲ(漢字) 
091-E-216

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
齊藤 登 講師 2 2~4 通年 4

授業概要

隷書及び篆書の基本的研究。
古代中国に於いて、長い歴史的変遷の中発展し続けて来た篆書、その後、漢代に正式書体とされた隷書、この独特な構築美を見せる書体を実書し作品に幅をもたせたい。
更に篆書は文字学に通じ知的な書体故え、難度の高さを誇るが、学会、書展に於いては人気が高い。その点も合わせて探ってみたい。

到達目標

隷書独特の書法を時間かけ習得した後、半折を用い作品制作へと導きたい。
後期の篆書に於いては、半折作品に止まらず、篆刻実習も行ない、篆書の巾の広さを理解させたい。

授業計画

1 年間授業内容の説明。法帖選択。第1学期隷書(漢碑を中心)
2 隷書に於ける独特な筆法説明。(八分、蔵鋒、等)
3 各点画に於ける蔵鋒筆法の練習。提出。(曹全碑)
4 水平・平行・八分の書き方に重点を置く。提出。(曹全碑)
5 実書練習の間に漢代正式書体隷書の解説。(礼器碑)
6 線質の充実さに重点を置く。提出。(礼器碑)
7 骨格と重厚さを学ぶ。(乙瑛碑)
8 結構の違いを理解。提出。(乙瑛碑)
9 素朴さを学ぶ。(西狭頌)
10 隷書のもつ独特な構築美への追究。提出。(石門頌)
11 線の抑揚、遅速の変化、強弱を加え豊かにする。提出。(木簡)
12 木簡隷の流動さを学ぶ。
13 刻書隷と肉筆隷の差を実書をもって確認。
14 条幅書き指導
15 夏季休暇中の作品制作説明と実書・まとめ。
16 戦国(秦)石鼓文をもって篆書の書き方を学ぶ。第2学期(篆書、篆刻)
17 篆書のもつ構築、正確、均等、蔵鋒、造形等の説明。(石鼓文)
18 篆書の複雑且つ正確さを学ぶ。提出。(石鼓文)
19 レタリングにならぬよう、線の抑揚を理解する。提出。(石鼓文)
20 曲直混合の難度、構築美への追究。提出。(石鼓文)
21 以下自己自由研究。提出。
22 半折作品制作上の効果を含めた諸注意解説。
23 篆刻学習へ移る。時代・発展・繁栄期、約束ごと、用具用材の説明。
24 篆書専門字典にて刻する文字を引き出し、印稿にて作製。
25 印面に布字した後彫り始める。詳しくは授業にて作製。
26 印刀を用いて刻す。添削。
27 印の仕上げ各自、印泥を使用し、印箋に押印する。
28 訂正箇所を調らべ補刀。
29 冬期休暇中の条幅指導。
30 休暇中仕上げた作品批評会・まとめ。
隷書、篆書、篆刻と難度の高い書体を学ぶため、自己の研究が必要となってくる。

授業方法

年間限られた時間内に習得する為、夏・冬季休暇中に作品制作を望みます。

準備学習

限られた時間内にさまざまな書風を学ぶ為授業参加はもとより、時間外でも自己の練習を求めたい。

成績評価の方法

平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%
提出作品による:80%

教科書

『全国大学書道学会「書の古典と理論」』、光村図書(株)
用意しないと何をすべきか理解出来ません。

参考文献

柳碧蘚著『書の古典攻略ハンドブック』、可成屋

履修上の注意

履修者数制限あり。(25名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。