文化史特殊講義 
視覚文化とキリスト教逸話―
092-E-210

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
久々湊 直子 講師 4 2~4 通年 3

授業概要

視覚的に表象されてきた聖書物語、聖人伝を文化として理解し、テキストとともに親しむ授業である。昨年に引き続き、聖書正典(今年はとくに使徒言行録、ヨハネの黙示録など)のほかに、外典各種、ウォラギネ『黄金伝説』などを適宜取り上げ、描かれるキリスト教の逸話のテキストとともに、絵画全般を中心に、地図、浮き彫り作品も取り上げてテーマごとに目で習っていく。キリスト教文化、西洋視覚文化、異文化理解などの学際的な好奇心に対応する。

到達目標

キリスト教関連の芸術作品の鑑賞に有益なリファレンス・ブック、典拠、視覚文化特有の決まりごとなどの知識を身につけることを含め、さまざまなレベルでキリスト教逸話を主題とした作品を理解できるようになることを目的とする。

授業計画

1 イントロダクション(授業のデモストレーション、単位や評価などの説明)
2 概観1 旧約聖書と新約聖書、正典と外典、周辺文学の概観
3 概観2 主な視覚文化のきまりごと(記号、象徴、アトリビュート)のしくみ
4 概観3 描かれた『旧約聖書』ダイジェスト
5 概観4 描かれた『新約聖書』四福音書ダイジェスト
6 予型論の視覚化~タイポロジーで結ばれる新約と旧約
7 使徒言行録ほか ペテロとその周辺の逸話
8 使徒言行録ほか パウロとその周辺
9 ヨハネ黙示録
10 正典以外で語られるキリスト伝~『トマスによるキリストの幼少時代』
11 描かれる聖母マリア伝~『ヤコブ原福音書』とマリア信仰
12 描かれる外典逸話~『トビト記』、『ユディット記』、『ダニエル書補遺』
13 描かれる聖人伝説~ヴォラギネ『黄金伝説』~構造~
14 聖十字架伝説
15 聖人伝逸話のイメージ化
各テーマは授業1回~数回になることを見込んでいます。各テーマの伸縮は履修者の興味や授業の進み具合によります。

授業方法

講義形式

準備学習

毎回、次の授業のテキストを指示します。授業前にテキストを日本語で読んでくること。
目安は1時間程度。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):40%(授業を受けてどのような成果を得ているか。)
レポート:30%(展覧会レポート。事前調査とフィールドワークをどれだけ詳細にしているか。)
毎回のワークシート提出:30%(授業内容についてどれだけコミットしているか。)

参考文献

『新共同訳聖書』、日本聖書協会
ヤコブス・デ・ヴォラギネ『黄金伝説1~4』(平凡社ライブラリー
その他の参考文献に関しては、適宜授業内で説明します。