民俗学特殊講義
民俗学の眼で見るということ―
092-E-213

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
長佐古 真也 講師 4 2~4 通年 1

授業概要

普段、なにげなく行われている慣わしに眼を向けることで、各自が自らを省みる。こうした民俗学の視点を理解し獲得することが授業のねらいです。したがって、その内容は、多岐にわたる民俗学の到達点を知識として紹介することよりも、いくつかの限られたテーマに沿いながら、実際に皆さんの身の回りのことについて考えることを主眼に授業を進めます。

到達目標

柳田国男の言う「自己内省」の理解・実践を通して、民俗展示を考案する上での方向性はもちろん、自分自身を捉える上での新たな視点の獲得を目指します。

授業計画

1 ガイダンス、「内省」・「実学」としての民俗学
2 「MINZOKU」ってなんだ/「民俗」のイメージ、典型的な民俗にふれる
3 「MINZOKU」ってなんだ/若者と民俗、私たちは古いしきたりとは無縁なのか
4 「MINZOKU」ってなんだ/民俗の諸相、私たちが持つ「民俗」
5 柳田國男と民俗学/「郷土生活の研究」について
6 柳田國男と民俗学/柳田民俗学の方法と特色
7 柳田國男と民俗学/柳田に学ぶべきこと
8 器の世界/私たちの食生活の中にある不審
9 器の世界/なぜ「ご飯茶碗」なのか?
10 器の世界/民俗学の中の「ワン」
11 器の世界/飯ワンの歴史
12 器の世界/お茶の民俗学
13 器の世界/お酒の民俗学
14 器の世界/「食べる」ということの意味
15 改めて「自己内省」について考える
16 生死観と民俗/「死者」という言葉、「人生儀礼」という民俗
17 生死観と民俗/私たちの葬送観、葬式の風景
18 生死観と民俗/葬送に伴う民俗
19 生死観と民俗/墓ってなんだろう、両墓制について
20 生死観と民俗/南西諸島の墓制
21 生死観と民俗/お墓の歴史
22 生死観と民俗/私たちの墓制観とお墓の将来
23 民具の資料論/なぜ「民具」を扱うのか、渋沢敬三のまなざし
24 民具の資料論/「民具学」という枠組みと民具の「定義」
25 民具の資料論/今、民具に求められるもの
26 未来を見つめる眼/民芸運動と考現学~視点の展開
27 未来を見つめる眼/「二十五箇年後」について考える
28 未来を見つめる眼/「暮らし」を見つめる眼差し
29 授業の総括
30 予備日
進捗の都合で、各回の授業内容が前後することがあります。

授業方法

講義形式で行いますが、随時、視聴覚教材を用いたり、アンケートなどを行ったりします。

準備学習

事前に配布された参考資料には必ず目を通しておいて下さい。
自己内省の観点から、当日の講義内容を復習して下さい。(約30分)
またレポートに向けて、普段から自身の身の回りや習慣について見つめ直す事を心掛けてみて下さい。

成績評価の方法

レポート:80%(第1学期・第2学期各1回づつ、自己内省を実践する内容のレポート)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%(アンケート・リアクションペーパーの提出状況および内容)
主に各学期末頃に提出していただく計2回のレポートで評価しますが、講義内で課すアンケート等の提出状況や出席状況を加味する場合があります。

教科書

独自の内容が多いため、配布資料を中心に進めます。参考文献等も配布資料中でご案内します。

その他

独自の内容を多く盛り込んで講義を進めるため、きちんと出席していないとレポートの課題趣旨を理解するのが難しくなります。土曜の朝1限の講義ですが、頑張って参加して下さい。出席義務は課しませんが、第1回目のガイダンスは重要な留意事項について案内しますので、可能な限り出席して下さい。