博物館資料保存論 
092-E-203

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
長佐古 真也 講師 2 2~3 第1学期 2

授業概要

「資料保存」の意味について考えた後、資料素材毎の性質やそれを取り巻く環境の特徴、それらに基づく保存の方法・修復技術等について学びます。

到達目標

資料を素材の視点で捉え、周囲の環境に気を配る。すなわち、資料を後世に長く伝えるための基本的素養を身につけることで、課題に対し自分自身で判断し対処する力と、資料を扱う者の持つべき理念も育みます。

授業計画

1 「資料」とは何か、「保存」の理念
2 資料素材を知る(1)有機物1/木・繊維等
3 資料素材を知る(2)有機物2/紙・樹脂等
4 資料素材を知る(3)有機物3/染料・標本等
5 資料素材を知る(4)無機物1/金属
6 資料素材を知る(5)無機物2/金属腐食物
7 資料素材を知る(5)無機物3/その他の無機物・データ
8 資料の劣化要因と対応(1)温湿度
9 資料の劣化要因と対応(2)室内空気環境
10 資料の劣化要因と対応(3)室内環境の制御
11 資料の劣化要因と対応(4)光
12 資料の劣化要因と対応(5)生物被害とIPM
13 資料の劣化要因と対応(6)劣化資料への対応例
14 危機管理とリスクマネジメント、資料保存の過去・将来
15 総括

授業方法

講義形式で行います。また、リアクションペーパーは重要なコミュニケーションツールでもありますので、有効に活用して下さい。

準備学習

内容が盛り沢山なので、配布した資料を元に毎回欠かさず復習して下さい。(約1時間)
万が一欠席した場合は、配布資料等で必ず自習しておいて下さい。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):80%(基本的な知識の他に、応用力を問う内容です)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%(リアクションペーパー等の提出状況及び内容)
学期末に行う試験を主として、授業内で課す課題と出席状況を総合して評価します。

教科書

講義内容全体を網羅する書籍がないことから教科書は定めず、講義内に配布する資料を中心に授業を進めます。

参考文献

東京文化財研究所 編『博物館資料の保存環境』、中央公論美術出版2011年、ISBN=9784805506486
石崎武志 編著『博物館資料保存論』、講談社2012年、ISBN=9784061565036
上記2冊は、準教科書的内容を有する参考書です。この他、講義内容に沿った参考文献に関しては、当該講義内にてご案内します。

その他

義務にはしませんでしたが、初回の講義は特に重要な事項を解説しますので、可能な限り出席して下さい。
短期間で多くのことを学びますので、極力欠席・遅刻をしないよう留意して下さい。