※日本文学演習
『紫式部集』を読む―
133-F-014

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
神田 龍身 教授 4 D/M 通年 4

授業概要

昨年に続いて、『紫式部集』を扱う。『源氏物語』や『紫式部日記』の研究に比して、『紫式部集』の研究ははっきりいって遅れている。授業では、この『紫式部集』を徹底的に読み込むとともに、このテクストの文学史的位置づけを試みたい。それが紫式部の伝記資料たり得るのはもちろんのこと、他の紫式部テクストといかなる関係にあるのか、さらに平安時代の私家集一般の中で、どのような特性をもっているのか。昨年の授業の成果をふまえつつ、本年度の授業では、一つの結論をだすことを目的とする。

到達目標

平安時代の私家集を通しで読むことで、私家集とは何なのかということを実感していただく。

授業計画

1 昨年度の授業内容についての確認。
2
3 研究史ならびに授業方法についての説明。
4
5 『紫式部集』49・50・51。
6 『紫式部集』52・53。
7 『紫式部集』54・55・56。
8 『紫式部集』57・58。
9 『紫式部集』59・60。
10 『紫式部集』61・62。
11 『紫式部集』63。
12 『紫式部集』64・65・66。
13 『紫式部集』67・68。
14 まとめ。
15 到達度確認。
16 『紫式部集』69・70。
17 『紫式部集』71・72・73。
18 『紫式部集』74・75・76。
19 『紫式部集』77・78。
20 『紫式部集』79・80。
21 『紫式部集』81・82。
22 『紫式部集』83・84。
23 『紫式部集』85・86。
24 『紫式部集』87・88。
25 『紫式部集』89・90。
26 『紫式部集』91・92・93。
27 『紫式部集』94・95・96。
28 『紫式部集』97・98。
29 まとめ。
30 到達度確認。
各自、担当した歌について、「本文異同」「諸注釈書の相違点」「現代語訳」「鑑賞・論」をほどこす。

授業方法

演習形式。1回の授業、担当者1人。

準備学習

授業で扱う『紫式部集』の歌は限られているので、各自なるべくはやく『紫式部集』全体を通読しておく必要がある。

成績評価の方法

レポート:60%
発表内容:40%
必ず三分の二以上出席すること。レポートは8000~12000字。なお評価は博士前期課程の基準で行う。

教科書

『紫式部集』のテクストとして、古本系最善本の陽明文庫本と、定家本系最善本の実践女子大学本があり、授業では、陽明文庫本を基準としつつ、実践女子大本を適宜参照していくという方法をとる。両テクストともどもプリントを配布。

参考文献

●注釈書 竹内美千代『紫式部集評釈 改訂版』(桜楓社)、南波浩『紫式部集』(岩波文庫)・『紫式部集全評釈』(笠間書院)、木船重昭『紫式部集の解釈と論考』(笠間書院)、秋山虔他『国文学 解釈と教材の研究』(学燈社、1982・10)、新潮日本古典集成(山本利達、新潮社)、新日本古典文学大系24(伊藤博、岩波書店)、和歌文学大系20(中周子、明治書院)、田中新一『紫式部集新注』(青簡社)等々。
●研究書 岡一男『源氏物語の基礎的研究』(東京堂)、今井源衛『紫式部』(人物叢書 吉川弘文館)、南波浩『紫式部集の研究 校異篇伝本研究篇』(笠間書院)、清水好子『紫式部』(岩波新書)、河内山清彦『紫式部集・紫式部日記の研究』(桜楓社)、稲田敬二『源氏の作者 紫式部』(新典社)、山本淳子『紫式部集論』(和泉書院)、原田敦子『紫式部日記 紫式部集論考』(笠間書院)、横井孝他『紫式部集大成』『紫式部集からの挑発』(笠間書院)、徳原茂美『紫式部集の新解釈』(和泉書院)等々。

履修上の注意

履修者数制限あり。(20名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。