※日本東洋美術史特殊研究(大学院)
日本絵画史研究の理論と実践―
13A-F-200

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
島尾 新 教授 4 D/M 通年 2

授業概要

前年度講義した基本的な内容を補完しまたそのの上に立って、大学院で日本美術史研究を行ってゆく上で必要な、理論・技術・知識について、絵画を中心に講義する。具体的には、基本的な技術として、1)作品の調査・撮影とデータ処理、2)絵画材料学(顔料分析・墨・筆・紙)、3)文字と書、4)美術史の論理、5)日本美術史の問題空間などを対象とする。

到達目標

研究者となるために必要な、基本的な技術を修得する。

授業計画

1 イントロダクション。2回目以降は、以下の内容を適宜行う。
2 基礎技術1:作品の撮影と調査
デジタルカメラによる撮影の復習・作品撮影のさまざま・撮影実習
3 基礎技術2:カタログの作成
印刷と編集の基礎知識・校正実習
4 基礎技術3:自然科学的手法による作品の分析
モノとしての作品・顔料分析の方法・
5 基礎知識1:絵画材料学
顔料の種類・墨について・紙と筆の基礎知識
6 基礎知識2:文字と書
文字と書の歴史・書体と辞典・画賛と印
7 基礎知識3:芸術論
日本の芸術論・画論を読む
8 美術史の問題空間1:歴史か今か
現前するモノたち・現代美術としての伊藤若冲・美術史語りのパラドックス
9 美術史の問題空間2:変換システムとしての日本美術のシステム
オリジナルなき美術・「作品」か「システム」か
10 美術史の問題空間3:東アジアのなかの日本美術
和漢の構図・「グローバル」と「ローカル」・雪舟によるケーススタディ
11 美術史の問題空間4:積層の美術史
写しの文化・引用の自由・積み重ね型オリジナリティ
12 美術史の問題空間5:ジャンルの錯綜
分類の思想・「作品」か「作り手」か・ジャンルは連続する
13 美術史の問題空間6:「美」か「財」か
美的価値と経済的価値・総合システムとしての唐物
14 付:美術史の論理
論点の整理・レジュメの書き方

授業方法

講義ではあるがゼミ形式を交え、テーマによっては履修者の発表を求める。また作品の扱い調査・撮影等については実習を行う。

準備学習

事前に読むべき題材を配布すること、小課題を課すことがある。

成績評価の方法

レポート:50%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):50%
授業への参加度と、学年末のレポートによって評価する。基本的なフィードバックは、毎回提出するコメントペーパーに対応することで行う。

教科書

参考書は授業のなかで紹介する。

参考文献

参考文献は、講義のなかで紹介する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。