『テロリズムとは何か』
佐渡龍己 著
文藝春秋
2000年 9月
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テロリズムは戦争である。心の戦争である。この戦争では、血が流れる負傷よりも、心に受けた傷の方が重大である。人質になった人、その家族、その人に関係する企業、そして社会の人々の心に、時空を超えて傷を残す。テロリストは見えない、テロリズムには戦線はない。敢えて言うならば、人の心が戦場である。テロリストは恐怖によって人の心を支配しようとする。ただ、この心という戦場でのテロリズムという戦争が二一世紀を迎えるにあたって、新たな段階へと進んでいることは確かである。本書では、そうしたテロリズムの変化と長い進化の歴史を描き出してみたいと思う。