●わたしたちには国によるさまざまな行動に対して一定の承認を与え、一定の期待を するという形で、それぞれの心の中に国家を内在させている。この仕組み自体が国
家なのだ。
●誰しも曖昧ではあるが、「国民意識」と「国家」をもっている。それを明らかにし、国 民一人一人が自分なりの「国民観」「国家観」を見直すことが日本再構築の第一歩 となる。
●現在の日本では、「国民」「国家」という観念が忌避されているようにみえる。特に、 「国家」の観念についてはいかがわしいものを見るかのようである。しかし人々の国 民たらんとする意思を、政府を中心とした統治機関を通して実現するところに「国家」 が成立する。「国民」と「国家」は対立する観念ではない。
●21世紀においては、世界各国の関係が緊密化する中で「国家」の役割を改めてど のように構想し、「国民」の観念をどのように築き上げるかが問題になる。積み重ね られてきた歴史や文化を、伝統を再構築し、いかに「国家観」を作りあげるかが重要 である。
●国家としての理想を考えるにあたっては、’らしさ’の追求が必要である。この’らし さ’とはさまざまなアイデンティティーが複合したところに総和として存在する。個々が 自分らしさを追求するところから始めれば、その総和として日本の行くべき道が見つ かるはずである。
●人々はそれぞれ役割を担っているからこそ「善い〜」という評価を受けることができ る。それぞれの役割にあった「善さ」を念頭におきながら、自分自身の物語の中を生 きること。それこそがアイデンティティーを形作る。
「国民観」と「国家観」を考えて「日本力」を具体化する!
<<ゼミ生が考える日本力とは何か?>>
・国民、国家というものを考える想像力、大きな視野をもっていくことが重要 なのではないか。
・調和を求める(日本人らしさ)
・中立の立場から世界をリードしていく力、縁の下の力持ちからくるリード 力なのではないか。
・先人たちが作り、築きあげてきた伝統や日本人の癖などが基盤に存在し、それを日本人の可能性(潜在的能力)でより積み重ねていく。
・主体性(自分の役割を全うする力)
⇒・人と人とのつながり、人の為につくすという意味も含められている。
・一人ひとりの責任にもつながっていく。
・共生するには"和"が必要であり、、個人では成り立たない。
日本人は自然の中、目に見えないものの中でも"和"を求めていく!
<参考文献>
坂本 多加雄 「求められる国家」