――― 4年 黒木瑞穂のVOICE――――――――――――――――

講演会を終えて最も自分が変わったと感じたこと、それは人との繋がりを今まで以上に大切に考えるようになったという事だ。

例えば、ゼミ内。これまで、広報班として講演会準備の多忙期のピークを迎えていたころは、自分以外の班を見回す余裕こそなかったが、少し時間が出来てきていよいよ開催間近となると、一つ一つの班が一つ一つの任務をこなし、そしてそれがつながり合って講演会が出来上がっているのだなとしみじみと感じられた。

更に、ゼミ外においても、同様の事が言える。動員活動では、個人にノルマが設けられてはいたが、「来て」と声をかけた友人たちは快く、関心をもって来てくれた。また、当日も直前になって参加できなくなった方々がいると知ると、積極的に知り合いに電話をかけて誘っていらしてくれた友人もいた。ゼミ内の活動では、どうしても内部にばかり目が向いてしまうが、こうして外の世界に改めて目を向けてみると、いかに普段、横のつながりを大切にしていかなければいけないのかという重大さにはっと気づかせられた良い機会になったと思う。

ゼミ内外でも、困った時に手を差し伸べてくれる友人は本当にありがたいものだ。

だからこそ、今回の最初で最後の講演会を機に、人とのつながりをより大切に、そのありがたみを噛みしめて過ごしていこうと思った。

――― 4年 白髪那美のVOICE――――――――――――――――

今回の講演会、私達4年は2回目というのもあり、昨年より満足のいくものになったと思っています。以下準備を通して感じたことと当日感じた事を書いていきたいと思います。

 講演会の準備を通して感じた事は小さな積み重ねが一つのおおきなものを作っていくということです。昨年は、その活動を行っている当初、小さいことだと感じたり、何度もちょっとした修正をして忙しさを感じてしまい、気持ちを込められていなかったように感じます。今年は全体の流れも見え基本を押さえながらも臨機応変に行動できました。小さな流れ一つひとつが大切で無駄なものはないということを感じながらできたと思います。2つ目に人間の信頼関係の大事さを学びました。ただ物事を進めるためだけに共に動くのではなく、どういう人なのか、何が得意なのか、相手を知ろうとすることで関係も良くなっていきます。さらにお互いを高め合う結果にもなり、主体的に物事に取り組んでいけるということを思いました。

 次に私が講師班を担当していて講演会当日について感じた事を書いていきたいと思います。一つ目に今年の講演会に関しては講演して下さる先生の気持ちをゼミ生一同あげていくことができたなということです。会場を埋め尽くす人は勿論、先生を出迎えるゼミ生の姿勢に何か感じるものがありました。私も会場に来たときみんなの頼もしい姿を見て安心すると共に気持ちが向上しました。みんなが真剣だというのが伝わり、それが先生にも届いたのではと感じています。2つ目に臨機応変に対応するには、周りの人を信頼すること、準備段階で基本は頭にいれ動いていくことが大事であると共にそれを実践できたと思います。自分で何でもやらなくてはという気持ちが今回私は少なかったです。きちんとまかせられる人がいるというのは自分にも気持ちの余裕をもたせてくれました。また、準備段階でのリハーサルがあってくれたからこそ、当日も講師の方がどんな動きをされても対応することができたのだと思います。

 最後になりましたが私達4年にとっては最後の講演会、去年も良かったですが去年よりもより良いものができたのではないかと思っています。それは、きちんと段取りを踏んで動くということに慣れてきたというのと周りの頑張る仲間だからこそ信頼でき支え合えるということができるようになったからではないかと思っています。反省する部分(広報班で私が手伝うことはすくなかったなど)もありますが、そこは直し良かった部分はもっと向上していけるように日々の生活を送っていきたいと思います。

――― 4年 服部祥子のVOICE――――――――――――――――

 講演会を終えて強く感じたのは1人1人の想いや力が合わさったとき最高のものができあがるということだ。 
 2回の講演会を通して振り返ったとき”今年の方がより一層によいものになったな”と真っ先に思った。4月のテーマ決め、また渉外からはじまり一見昨年と同じ手筈をとるため同じように進んでいくのだろうかと感じたが全く違った。毎年開かれている講演会であるがその時の国際情勢、ゼミ生の関心、想いによってこんなにも変わるものなのかと実感した。

 昨年の講演会をふまえ4年生がよりよいものを創り出そうとしているのは同じ空間にいてすごく伝わってきた。また、3年生の積極性にも感銘を受けた。私自身は就職活動ばかりに専念してしまっていたためなんとなくその空気感についていけなかったことが非常に残念であった。今年はすごいなと感じれば感じるほどに気後れしてしまったことを後悔している。

 渉外においては去年とは全く違う形にしたいと考えたため色々と工夫をしてみた。信頼関係を築くために一番にしなければならないことは私自身が相手を信じることであると考えたため何度も連絡をするのも控え、学実のスケジュールに沿って交渉を行うことを心がけた。今年は渉外二人の思いが重なり思い描いていた渉外像に近づけた気がしているし、これからの畠山ゼミの印象を変えることができていたらなお良いなと密かに思っている。
 私の考えを変えてくれたのはゼミ生みんなの雰囲気や思いであるのではないかと思う。みんなが本当によいものを作りたいと思っていたからこそそれを崩してはいけないなと身を持って感じ行動に移すことができた。
最高の仲間に出会えたこと、そして講演会をやり遂げることができたことを心より嬉しく思う。

あと半年間悔いのないゼミ生活を送り卒業したい。


――― 3年 相澤李帆のVOICE――――――――――――――――

講演会準備や講演会を通して学び、考えたことを述べる。

 まず、講演会準備についてである。畠山ゼミではこの十月の講演会を開催するにあたり五月から準備を始めていた。講演会テーマを決定した後に、どの先生を講師としてお呼びし、そこで何を語っていただきたいか等もゼミ生自身が意見を出し合い決定した。テーマと講師の先生が決定した後も、ゼミ生は班ごとに分かれ講演会に向けた準備に取り組んでいた。

 その集大成が十月十九日のあの講演会であったのだ。あの講演会が開催されるまでには講師を引き受けてくださった宮家先生や宮家先生の奥様はもちろんのこと、日頃ゼミ生を指導してくださっている畠山先生や畠山先生の奥様、さらに畠山ゼミに沢山のものを残して卒業されたOGの皆様方のお力添えと、真剣に取り組んできたゼミ生たちの目には見えにくい努力があったのだ。

 また、講演会当日は宮家先生が現場で培われてきた皮膚感覚と分析力の結晶とも思われるような「宮家式MPS地政学七原則」に基づいた今日の国際情勢認識や、そのようなグレートゲーム時代を迎えている国際社会において日本が今後取るべき外交戦略についてご講演いただいた。

 今回の宮家先生のご講演や御著書そしてコラムを拝見して、多面的に国際情勢を考察した上でこれからの日本を語る必要があることを痛感した。つまり、講演会前に考えていた「自分が属する日本がどのような国家となることを自分は望んでいるのか。それを達成するために必要とされるものを日本はどれほど有しているのか。」という視点だけでは足りない。それらを考える前に、自らの視点だけではなくあらゆる視点から現状を認識する必要があると改めて感じたのである。

 さらに、宮家先生のご講演後に再度畠山ゼミ学術班が作成した講演会資料等を読み込み日本がこのグレート・ゲーム時代を生き延び、国際的指導力を発揮していくためには具体的にどのような戦略が必要なのか、日本が発信しうる国際秩序の形とはどういったものなのかについて考えた。それらの構想は未だ明確なものではないため、ここで示すことはできない。しかし、自分の中で考え方の大きな変化があった。

 講演会に向けて自ら学び考える前は、日本人であるにも関わらず日本のことを知ろうとする姿勢を愛国主義的で避けるべきものだ、それが教養ある者のスタンスなのだと考えていた。だが、講演会に向けての勉強会やゼミ、国際問題研究会で学んでいく中で知らず知らずのうちに自国を批判することが知的なものの見方ができる人だという考えはなくなっていった。私は今回初めて日本と真正面から向き合うことが出来たように感じている。

 また、畠山ゼミの後期テキストは山本七平著『日本人とは何か。』(READING LIST参照)であるが、その中で語られていることは排他的な自文化中心主義の日本人論ではない。そこには日本とはどのようにして形作られてきた国なのかについて、その変遷と特徴が記されている。主にそれらを元にして私は日本だからこそ創造できる国際社会の新秩序を考えるようになった。日本的と呼ばれる考えを絶対化しそれらを実行せよと国際社会に求めるということでは決してない。畠山先生の言葉をお借りするならば、日本がこの国際社会をしたたかに「マネージメント」することができるのではないかと考えたのだ。

 新しい国際秩序構想といったとき、私はどうしてもグローバルな観点で0から何かを作り出そうとしてしまいがちであった。しかし、この国際社会の現状を認識し、自国を深く知り、新しい国際秩序を日本の国民として考えてみるのも興味深いものであると感じている。むしろ文化的蓄積のある日本国の国民として国際社会を見るという視点は私にとって新しい視点であったのかもしれない。今後、私は日本に帰属する国民としての意識を持ち、日本の地に心の根を張り、なおかつ多角的に物事を考えて今後の勉学に新たな気持ちで励みたい。

 最後になりましたが、講演会当日はたくさんの方々にご来場いただきまして誠にありがとうございました。今回の宮家先生の講演会内容やゼミ生の講演会資料を基に皆様方おひとりおひとりの中で日本がグレート・ゲーム時代を生き延び、国際的指導力を発揮するための戦略を立てて頂けますと幸いです。

私はそれが日本の底力となっていくことを願っております。


――― 3年 小平暁子のVOICE――――――――――――――――

国際政治を学ぶ学生として、そして日本人として、これからの日本が歩む道を考えたいと思っていましたが、講演会に向けた準備の中での勉強や宮家先生のご講演で、自分の視野の狭さを痛感しました。この経験を糧に今後はより多くの視点から物事を考えられるよう意識していきたいと思います。

また、講演会に向け畠山ゼミ生として活動してきた中で、改めて人の大切さや人が持つ力を感じました。このように講演会を主催し運営する経験は初めてで、振り返るとたくさんの人に支えられ、自分もそれに応えようと努力してきたと思います。そしてそれは私だけではなくゼミ生全員に共通することであり、個々の力を合わせればこれだけのことをやり遂げられるのだと、講演会当日の様子から肌で感じることができました。

この講演会に関わり、学びの機会を与えてくださった皆様に感謝します。講演会を成し遂げたことは大きな自信になりました。畠山ゼミ生はそれぞれが私には持っていないものや敵わないものを持っています。これからも仲間への敬意と感謝を忘れずに、切磋琢磨していきます。