皆様は現在自衛隊がイラクのサマワで何をしているかご存じでしょうか。 憲法九条等のしがらみから自衛隊は戦争行為とみなされる行動、つまり武力行使を禁止されています。そのため危険地にありながら充分な武装もなく、いつ襲われるか解らない状態の中、イラクのため日夜活動しています。自衛隊がイラクに行った目的は治安維持のためではなく復興支援のためであり、イラクの人々が自立できるよう日々取り組んでおられます。 ではなぜ、そもそもイラク人道復興支援特別措置法を制定し、イラクに自衛隊を派遣する必要があったのかをご存じでしょうか。 今までの日本は資金援助をするだけで、憲法九条を理由に他国民が危険任務に就いているのを見ているだけでした。日本が本当の意味で国際社会の一員となるためには、危険地域に国民、特に危険地域の人々の安全を確保するための組織、を派遣し国際社会の一員として必要な役割を果たす必要がありました。その観点からいくと今回のイラク派遣は、まだまだ治安が安定しない地域に日本という名を背負った自衛隊が、独自の方法でイラクを支援するという今までに無い新しい試みなのです。『自衛隊は、これまでにないような重要な任務につく。国の名誉がかかる。』(『砂漠の戦争 イラクを駆け抜けた友、奥克彦へ』岡本 行夫著 より)のように、自衛隊のイラク派遣には国際関係の観点から見ると、日本が国際社会の一員としての役割を全うするという大きな意味を持っていることが理解して頂けると思います。 現場で活躍している自衛官の方々は、早くイラクが自立出来るよう、イラク人とともに自立の道を模索しています。『自衛隊は住民と同じ目線で接し決して威圧的にならない、という評判がある。イラクのように誇り高い人々と接していくためには、日本の自衛隊ほど適した人たちはいないだろう。』(『砂漠の戦争 イラクを駆け抜けた友、奥克彦へ』岡本 行夫著 より)このようにイラクに赴いた自衛隊の方々は、「復興する側だから自分たちはイラクの人々より偉いのだ」という考えを持っているのではなく、イラクの人々を敬い、その知識を認め、同じ目線で会話し、協力して活動しています。報道では知ることの出来ないイラクの現場の真実について語って頂くことにより、日本が何を思い、何を成しているか・今後日本はどのような方向に進んでいくべきなのかという国際支援の立場も学んで行ければと考えております。 このような国を背負い、国の名誉のため、危険任務に赴く自衛官の方々から、私たち畠山ゼミナール生は今後私たちが国際社会の第一線で活躍していく際、国を背負い、自分の任務を全うしていくために必要な心構えを学びたいと考えております。加えて、今後国際社会の第一線で活躍していくために学生生活では何を学ぶべきか、危険任務に赴く自衛官という並大抵の覚悟では就けない職業に就こうと志されたきっかけ等について語って頂くことにより、私たちが今後の生き方を決める上での糧を得られればと考えております。 複雑化を極める国際社会で、日本の立場を考え、今後私たちがどう生きていくべきかを考えるヒントを今回の講演会から学びたいと考えております。そして来場してくださる方々とともに多くのものを共有し、皆様が何かをこの講演会から得て頂ければ幸いです。 |
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