茶色の文字で書いてある部分は、相当に細かい仕事の話なので、ふつうの読者の方は読み飛ばしてください。
いかんな、月末にあわってて一回だけ日記を書くというのが癖になり始めた。
幸い、JST がらみのもろもろも一段落し、また、物理学科の人事もほぼ収束したので、ものすごく多忙というわけではない。 そのかわり、相変わらずいろいろなことをやっているせいか、本当に時間がない。
通訳関係ということで、司会者が英語でぼくを紹介し、ぼくも英語版のスライドを使って "Molecules, atoms, and chemical reaction" あたりから英語で講演を始めた。 実は、さすがに英語の講演だとわからなくなる(し、ぼくもスライドの準備が大変過ぎる)だろうということで、最初だけは英語にしてびっくりさせて、5分くらいしたら日本語に変わるという、主催者とぼくがしかけた「プチ・どっきり」だったのだ。 でも、みなさん、英語でも日本語でもしっかりと頷きながら一生懸命に聞いてくださった。
終わってみれば、今回も、ぼくにとって学ぶことのきわめて多い有益な会になった。 特に、放射線問題にかなり冷静に対応してきたと思っていた人たちだって、2011 年の事故の当初には不安のどん底で深刻に悩んでいたのだということを --- まったく今さら何を言っているのだという感じだけれど --- あらためて痛感した。 今は、様々なことが予想よりもずっとよい方向に向かったことがわかったわけだが、それでも、まだ色々なところに「しこり」が残っている。 先は長い。
芳賀由香『まだ終わらない』いま読んでも漫画だから描ける「ある種の切実な空気」に圧倒される。 芳賀さんご自身も「あの時期だから描けたと思えるものも多い。今ではこれを描くだけのエネルギーはなかなかわいてこない」というようなことをおっしゃっていた。
『まだ終わらない』は、人によって「どれが好き」かが別れるという話になったのだけれど、ぼくは第二話の『帰省』という、東京の大学に通っている女の子が郡山に帰省する話が気に入っている。 ぼくにとって身近な設定ということもあるけれど、震災や原発事故で人々の人生がいろいろな形でねじ曲がっていく様子が自然に描かれていると思うのだ。
ところで、芳賀由香さんは、同じく郡山の出身である ZABADAK の小峰公子さんと高校の同級生で、今でもとても親しくされているそうだ。 となると、今回、ついに(ぼくを呼んでくれた N さんを介して)
小峰公子 ←(高校の同窓生)→ 芳賀由香 ←(大学生の母親仲間)→ N さん ←(高校の同窓生)→ ぼくという具合にリアル知り合いで公子さんとつながったことと相成った。ファンとしてはうれしい限りであります。
しかし、彼女は、最終の新幹線に乗るつもりで新幹線の回送電車に飛び乗ったことがあると聞いて、さすがにびっくりした(Twitter では「在来線の回送電車に乗った」と書きましたが誤りでした)。 彼女を一人で「駅に放つ」わけにはいかないと知っている仲間たちが新幹線の改札までは送り届けたのだが、けっきょく、その努力も空しく、回送電車に乗ってしまったらしい。 ぼくは、山手線の逆回りに乗ったこととかはあるけど、飛び乗った電車の照明がすべて消え車庫に連れていかれそうになるところを窓ガラスを叩いて必死で助けを求めた(←駅員さんも驚いていたらしい。そりゃそうだろ)とかいう経験はないよなあ。世の中、上には上(あれ? 「下には下」というべきなのかな??)がいらっしゃると実感(独特の雰囲気のある素敵な方でしたよ)。