公開: 2012年3月10日 / 最終更新日: 2012年3月21日
放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説
講演会「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」の記録
2012 年 3 月 10 日、「つながろう柏! 明るい未来プロジェクト」のお招きで野尻美保子さんといっしょに柏で講演をした。
当日の録画も公開していただいたので、資料やスライドともに、ここにまとめておく。
講演会の案内より
去年の 3 月の原子力発電所事故で飛び散った放射性物質とは、これから先、何年も何年もつきあっていかなくてはなりません。ここでは、放射能について考えていくための基礎的な知識をなるべくわかりやすく話そうと思います。
そもそも放射能とは何なのか、なぜ放射能にはふつうの「常識」が通じないのかといったことを、できるだけ正確に解説します。また、私の専門ではありませんが、放射能が私たちの健康にどう影響するかについても、何がわかっていてどのような考えがあるのかを、なるべく客観的にまとめてみるつもりです。
これからの日本で放射能と向き合って暮らしていくための「新しい常識」を作るひとつのきっかけになればと願っています。
田崎の講演「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」
講演の中では触れる余裕のない細かいことなどをここにまとめておいた。
字ばっかりの資料でこれを見ると「げっ」と思うかも。でも、この資料はまったく見なくても大丈夫なのでご安心を。
(古いバージョンの pdf 閲覧ソフトの方はこちらをどうぞ)
もともとの Keynote のファイルから派手な画面転換などを取り除いた pdf ファイル。
録画の画面が見づらいときにはご利用ください。
pdf の 17 ページの用語が少し不正確だったので、正確に直したバージョンを 18 ページに付け加えておいた(2012/3/14)。
ファイルに表紙をつけ、内容の再利用についての注意などを明記した(要するに使っていいけど、ごく一部のイラストと写真にはご注意ということ)(2012/3/21)。
講演の録画。1 時間弱ある。よろしかったら、お時間のあるときにどうぞ。
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03:30 田崎の講演のはじまり
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04:25 基礎編 1「放射線の基本」
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24:53 基礎編 2「被ばくの健康への影響」(←「紫外線で DNA が切れる」と言っているがこれは誤り。申し訳ありません。紫外線で DNA は損傷は受けるけれど、切断はほとんどおきないそうです)
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38:46 応用編 1「放射性物質による地面の汚染」
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44:50 応用編 2「食品中のセシウムによる内部被ばく」
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55:15 「どう考えていけばいいのだろう?」
野尻さんの講演「日本における内部被曝の現状 --- 食品からおしっこまで」
質疑応答は 38:00 あたりから(← あれ? 野尻さんは 15 分のショートトークをするはずだったのでは??)。
注目の農水省の原田さんへの質問と回答は 54:50 あたり。
なお、45:12 あたりで、野尻さんの回答への補足としてぼくが「牧野さんってものすごい変わってて、ものすごい優秀な人なので・・・・・、参考にしないでください。」と言っているけれど、その真意は(もちろん)「牧野さんは、低予算で目標を達成することにかけて天才的な人なので、かれにできたからといって自分でもやろうとすると、思うような結果が出ずに苦労すると思います。」ということ。さらに付け加えて「とはいっても、我こそはと思う方は、牧野さんよりも低予算でより高精度の測定法を開発すべくがんばってください!」と言うべきだったと反省。
このページを書いて管理しているのは田崎晴明(学習院大学理学部)です。
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