情報戦略なき国家
     春学期は、「高度情報化時代の国際戦略」をメイン・テーマに外交戦略の課題を考察
    する。高度情報化時代の今日、私たちは様々なデーターを瞬時にして獲得できるように
    なったが、データーが多ければ多いほど、情報処理・分析は、困難になる。また入手デ
    ーターが質の高い情報を提供するとは限らない。すなわち、高度情報化に伴うデーター
    量の増大はかえってコミュニケーションや相互理解を妨げかねず、情報の質を低下させ
    る危険性の方が大きいのである。かかる時代、国際コミュニケーションに最も必要な課
    題は、今まで以上に相手のもつ固有の歴史、文化、伝統や政治・経済・社会に関する
    思想・制度を深く理解し、「相手の偏見や誤解を解消し、自らの意思を適切に相手に受
    容させる」発信能力と「状況を正しく把握し、相手の意思を深く洞察する」受信能力の向
    上を図ることである。そこで、本演習では「IT革命」国際情報戦略上の影響を探り、更に
    諸国、諸民族の歴史、文化、伝統を比較し、国際文化交流の担い手に必要な、国際コ
    ミュニケーションおよび異文化理解に関する広い視野と深い洞察力を養う。


                     日本の政治文化の特質
     春学期に引き続き、「高度情報化時代の国際戦略」をメイン・テーマに外交戦略の課
    題を考察するが、秋学期では、相手の偏見や誤解を解消し、自らの思想や意図を相手
    に適切に伝えるには、いったい、どのような情報発信が必要かという点に注目して演習
    を進めたい。意思伝達にとって重要なことは、伝えようとする物事の本質を深く知り、さ
    らにそれを相手に理解できるように説明することである。本演習では「日本の政治文化
    の特質」や「日本の国家理念」等についての検討を加え、対日誤解を解き、」日本の思
    想や意図を的確に伝えるためにはどのような説明が必要であるかを検討する。また、
    受講生各自が卒業研究テーマについて深めた内容を発表・報告し、卒業論文の完成を
    目指すこととなる。


















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