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結果報告

講演会 内容

10月21日土曜日。4ヶ月間の準備期間を経て、待ちに待った講演会当日。非常に印象的な会話の紹介から始まる講演会であった。その会話を紹介したい。

 この間、車の中で娘から、「ねぇ、お母さん、私半分日本人、半分アメリカ人でしょ?じゃあ、お母さんも半分日本人だよ。」と言われまして、「え?どこが日本人なの?」と聞き返すと、すぐに「心」と答えが返ってきました。そのとき、本当に嬉しかったです。この会話を聞いて、異文化理解のすべてを集約しているように思えた。

心温まる母子のエピソードを語ってくれたのは、山形県銀山温泉・老舗旅館の女将、藤ジニー氏だ。今年で19年目になる日本での生活をアメリカとの文化・生活習慣の異なりと共に実体験を含め語ってくれた。来日当初は何も分からず、食べ物も口に合わず本当に大丈夫なのだろうか?と不安に思ったこともあったそうだ。当時、藤屋の若旦那との交際を経て、結婚。女将になってからは、更に忙しく大変な日々が続いた。しかし、日本での生活や女将の仕事にも少しずつ慣れて、女将であるからにはと、茶道を始め華道など、様々な日本の伝統文化を習い始めた。習っているうちに表面的な文化だけではなく、その奥にある相手をおもいやる心に触れたと語ってくれたジニー氏。

―おもいやりと親切心は日本人に備わった特有の価値ではないかと思います。―

「私はアメリカで生まれアメリカで育てられたけれども日本で成長したと思っています。」と、最後を締めくくってくれた。

日本人以上に日本の事を熟知しておられ、お話に込められた含蓄の深さには会場にいる誰もがはっとさせられた様子。ユーモアの中にも氏の人生観が現れており、今までの数々のご苦労を感じさせない明るさが非常に印象的であった。だからこそ、冒頭で述べられた娘さんからの一言がジニー氏にとっては非常に心打つ一言であったことが良く分かる。

 国際化が叫ばれる一方で、自国の文化への無理解があるのも又現実。国際社会で生きていく者として、その大前提である自国文化、すなわち日本文化を見直すことが異文化理解の第一歩なのだと思い改めた講演会となった

来場者数

!!! 221人 !!!(来場者の皆様、ありがとうございました★)