ショウジョウバエは体長2mmくらいの小型のハエです。ハエと言われると不衛生な環境の生き物・・・というマイナスイメージを抱く方も多いかもしれませんが、その中にあってショウジョウバエは果物を好む清潔な生き物で(英名 fruitfly)、もしも貴方が顕微鏡下でその姿を見る機会があれば、その繊細な美しさに驚かれることでしょう! このショウジョウバエは、今からおよそ100年前にアメリカのノーベル賞学者 Thomas Hunt Morgan によって、遺伝学の世界 に導入されました。単に遺伝の研究がしやすかったというだけではなく、そこか ら発見される様々な生命現象や生体内物質の構造・働きは、ヒトを含めた多くの多細胞生物にも共通する普遍性解明の糸口となったため、現在にいたるまで、生命科学の研究には欠かせないツールの一つとして、世界的に汎用されています。 私たちはこのショウジョウバエを用いて、細胞の増殖・分化・細胞死のバランスによる、発生の調節機構および成体組織の維持機構に関する研究を進めています。
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