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学習院大学 理学部生命科学科 大学院自然科学研究科生命科学専攻 Department of Life Science, Faculty of Science Graduate Course in Life Science, Graduate School of Science Gakushuin University
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タンパク質化学(小島研究室)

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生命活動を担う最も基本的な分子であるタンパク質の構造と機能について、遺伝子工学の手法などを用いて研究しています。主な研究対象は、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)とその阻害剤(インヒビター)、タンパク質の立体構造形成を補助する分子シャペロン、そして繊維状集合体を形成するαへリックスなどで、それらの構造と機能の相関関係を明らかにすることを目標としています。

放線菌ズブチリシンインヒビター(SSI)の模式図 21残基のα3ペプチドが形成した繊維状集合体の電子顕微鏡による観察図

プロテアーゼとその阻害剤(インヒビター)の構造と機能

 プロテアーゼは、タンパク質代謝のみならず、細胞内シグナル伝達やアルツハイマー病など様々な病気の発症に深く関わっており、創薬の対象としても重要なタンパク質です。そこで、いくつかのプロテアーゼとそれらに特異的に結合する様々なインヒビターについて、その作用機序を分子レベルで詳細に理解するために、遺伝子工学、立体構造解析、ペプチド合成などの手法を用いて解析を進めています。特にタンパク質性のプロテアーゼインヒビターは、タンパク質でありながらプロテアーゼによって分解されるどころか、それらの働きを抑えてしまう、というユニークなタンパク質です。現在、下記に示すようなテーマで研究を進めています。

 

(1)ズブチリシンに対するインヒビター

 ズブチリシンは枯草菌由来のセリンプロテアーゼで、その構造や機能は詳細に調べられています。このプロテアーゼに対して阻害作用を示すタンパク質が放線菌というバクテリアに広く分布していますので、それらの構造を調べたり、その中でも最も研究が進んでいるSSIと略されるタンパク質について、プロテアーゼに対する阻害の特異性の変換の可能性を探ったり、このタンパク質がプロテアーゼインヒビターとして機能するために必要不可欠な構造的特徴を調べています。そのような研究を通して、プロテアーゼインヒビターの阻害作用の詳細を明らかにしようとしています。

(2)ファージディスプレー法を用いた新規ペプチド性プロテアーゼインヒビターの創製

 ファージとはバクテリアに感染するウイルスですが、その遺伝子を加工することによって、ファージ粒子のコートタンパク質に異種タンパク質やペプチドを提示することができます。提示する部分の配列をランダムにすることによって、そのライブラリーの中から新規な機能性タンパク質あるいはペプチドを見出すことが可能です。この手法を用いて、ズブチリシンに対して阻害活性を示す12残基のペプチドを見出すことができたので、そのペプチドについてさらに詳しく解析を進めています。

(3)新規な阻害様式を示すプロテアーゼインヒビターについての解析

 ヒラタケ由来のPOIA1や酵母由来のYIB2は、他のセリンプロテアーゼインヒビターに相同性がなく、またカルボキシぺプチダーゼで処理すると阻害活性が消失することから、C末端領域がプロテアーゼとの結合に重要であると考えられます。実際にこれらのインヒビターのC末端領域の配列を改変すると、阻害作用に変化が見られます。このようなことから、これらのインヒビターはこれまでにないユニークな阻害様式を示すものと考えています。部位特異的変異体などを用いて、さらに詳細な阻害様式を調べています。

(4)ハプトグロビンのプロテアーゼへの変換の可能性の検討

 ハプトグロビンは元々ヘモグロビン結合タンパク質として発見されましたが、そのアミノ酸配列はセリンプロテアーゼのものと似ています。そこでハプトグロビンがプロテアーゼへと機能を変換することが可能か調べています。この例はタンパク質の進化について、何らかの示唆を与えてくれるものと考えています。

分子シャペロンによるタンパク質の立体構造形成機構の解明

 ズブチリシンの成熟体領域のN末端側にはプロペプチドと呼ばれる領域があり、この部分を欠落させると活性を持ったズブチリシンが生成できないことから、プロペプチドはズブチリシン成熟体領域の立体構造形成(refolding)を補助する「分子内シャペロン」として働いていることがわかっています。またそれと同時に、ズブチリシンに阻害作用を示すことがわかっています。このようなユニークな性質を示すプロペプチドによるズブチリシンの立体構造形成補助作用について、さらに変異体を用いて解析を進めています。

 上にも述べたPOIA1やYIB2は、このプロペプチドと低いながらも相同性を示します。このことから、POIA1もズブチリシンの立体構造形成を補助する「分子内シャペロン」として機能しうるか調べたところ、in vivoおよびin vitroの実験からPOIA1はそのような活性を持ち合わせていることがわかりました。現在、さらに様々な変異体を作成し、「プロテアーゼインヒビターによるプロテアーゼのrefolding」の分子機構について、詳細に解析を進めています。

αへリックス形成ペプチドによる繊維状集合体形成の分子機構

 (LeuGluThrLeuAlaLysAla)3というアミノ酸配列を持つペプチドは安定なαヘリックスのみならず、電子顕微鏡で観察可能なほどの大きさの繊維状集合体を形成することを見出しました。現在、アルツハイマー病や狂牛病など、ペプチドあるいはタンパク質が「凝集」して、疾患を引き起こす例が知られています。これらの疾患の原因となっているペプチドやタンパク質は主に「βシート構造」を形成していることがわかりつつありますが、私たちが扱っているのはαへリックスからなる集合体です。そのような集合体を形成する分子機構やそれらの構造について研究を進め、βシート構造からなる集合体との違いなどを明らかにしようとしています。
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