日々の雑感的なもの ― 田崎晴明

一覧へ
最新の雑感へ
タイトル付きのリスト
リンクのはり方

前の月へ  / 次の月へ

茶色の文字で書いてある部分は、相当に細かい仕事の話なので、ふつうの読者の方は読み飛ばしてください。


11/1/2001(木)

月初めからあわただしい。

午前は諸雑用。

午後から、Raphael と高麗さんと延々と議論。というより、今日はほとんどぼくがしゃべった。

議論の途中で、Raphael から聞いた情報:
最近話題にしている Derrida-Lebowitz-Speer の B. Derrida (random energy model でも有名)は、なんと現代思想の Derrida の甥にあたるらしい。 フランスではよくある名前なんだろうな、くらいに思っていたので、これは、びっくり。 思わず、

にゃるほろ。 叔父さんが deconstruct したので、甥は construct しているのだな。
などと英語ならではの軽口をたたくのであった。

保存則のある確率過程で、long range coorelation があっても、収束するクラスター展開が作れるのではないか、という Raphael のアイディア。 物理的にいえば、どうでもいい long range correlation と、SST 的な本質を分離するという重要な話、ともいえる。 もちろん、物理的にも微妙だし、技術的にも猛烈に難しそうで、できる見込みは高くはないけれど、こういう話の方が興奮する。

議論の途中で、突発的に、東工大の笹本さんに来ていただいてセミナーをしてもらうことに決定。 asymmetric exclusion process (など)を行列の方法で解く彼のお仕事(など)について話していただく予定です。 明日(11月2日)の夕方、4時とか4時半くらいから、南三号館の4階でやります。 (言語は英語です。) めっちゃ急ですが、ご興味のある方は、どうぞ。 (大学の方は大学祭だから、ついでに来るのもおしゃれか?)


11/2/2001(金)

一日中ずっと Raphael と高麗さんと議論。夕方から、笹本さんをお迎えして、議論+セミナー。

きわめて初歩的なことから、かなり気合いの入ったことまで、いろいろと考え続けて、きわめてよい感じ。

それにしても、朝9時前に家を出てから、10時過ぎの今まで、一度も家に戻っていない。 多くの日本のパパにとっては普通のことだろうけれど、ぼくにとっては、出張と同じくらい非日常なのであった。

というわけでこれから帰ろう。


11/3/2001(土)

Raphael が京都に戻る日。

ぼくが、朝、大学に来る途中で思いついた driven lattice gas の変種について Raphael と議論。 Raphael が唱えて、ぼくらで夢想している新しい展開法の練習問題として適切な題材のような気がする。ぼくのモデルを Raphael が単純化したものを、ぼくらの間で、standard model と呼ぶことに決定。 一見、簡単そうでいて、本気で考えると罠がありそう。(収束するクラスター展開ができそうにみえるのだが、実は、gap はサイズを大きくすると 0 になる。統計力学系と確率過程の微妙だが本質的な相違も見えてきた。)


先月の終わり(10/30)に試行錯誤で LaTeX の余白を調整したという事を書きました。 実は、LaTeX の紙の大きさの指定は、人のを適当に移したり、理解しないまま、行き当たりばったりでやっていたので、一度、ちゃんと理解している人に教わって決定版を手に入れたいなあと思っていたのでした。

あの雑感を読まれた廣田さんが、早速、そういう決定版的解答をおくって下さいました。

ぼくがあとで見直すため(←「雑感」の主目的は「老後の楽しみ」なので、こういう「近老後の実用」も、まあよしとしよう)、および、同様の悩みをお持ちの方のため、廣田さんのお許しを得て、メールの該当部分を以下に貼り付けておきます。

LaTeXは何もしないと紙の左上隅を原点にして右に1inch、下に1inchオフセットをいれます。 自分で印 刷領域を決めたいときは不便なので、私は次のようなものをプリアンブル(\begin{document}の前)に入れています。

\voffset = -1in \hoffset = -1in
\topmargin = 10mm \headheight = 10mm \headsep = 10mm
\textheight = 240mm \textwidth = 150mm \topskip = 7mm
\evensidemargin = 30mm \oddsidemargin = 30mm \footskip = 15mm

1行目はオフセットをキャンセルするため。

2行目は紙の上端からヘッダーまでの距離(\topmargin)、ヘッダーの高さ(\ headheight)、ヘッダーの下から本文領域までの距離(\headsep)です。ようするに 3つ足した数字が上のマージンになります。

3行目は本文領域の高さ(\textheight)と幅(\textwidth)。\topskipは本文領域 の中で1行目をどれだけ下げたところから始めるか、です。

4行目は、紙の左端(右端)から本文領域までの距離です。\evensidemarginは奇数 ページで、\oddsidemarginは偶数ページで使います。\footskipはフッターの下端を 本文領域の下端からどれだけ離すか、です。

A4の場合は高さ297mmで幅210mmなので、上の場合は、上マージンが30mm、下マージン が27mm(297-10-10-10-240)、左マージンが30mm、右マージンが30mm(210-30-150) になります。

上の4行をコピーしてあとはちょこちょこいじってお使い下さい。


昨日から大学祭。 学内を少し移動するだけでも、「お好み焼きいかがですかぁ」攻撃とかにあいまくるのだ。

大学院生の頃、正門前の下宿からいつもどおり研究室に向かおうと思って学内に入ったとたん、普段の通路がびっしりと出店と(急増した)女子大生に満ちていて、「クレープいかがですかぁ」攻撃等々を受けまくったのを思い出す。 大学が大きいだけに学祭も大規模で、攻撃も長く執拗だった。 こっちは数理物理に青春を捧げた孤独の若者だったから、あの攻撃はかなり厳しかったことであるなあ。 (ちゃんとたえたけどさ!(←ま、たえなかったから別にどうなるってもんじゃなく、単に、クレープ買わされて「ありがとうございますぅ」って言ってもらって即座に無視されてよけいがっくりして研究する意欲を失う程度か。)


11/4/2001(日)

ほんの少し前のことになるけれど、研究室のお茶部屋に入っていくと、3年生の学生さんがもってきてくれた手作りのクッキーがあった。 ちょうどお茶をしようと思っていたところだったので、ありがたく一枚いただいたのだった。

と、こう書くと、よくある普通の話で、みなさんは、自分の焼いたクッキーをちょっと照れくさそうにみんなにすすめている女子学生さんの姿を思い浮かべたりするんだと思う。

ただ、この話が、ちょっと微妙なのは、クッキーを焼いたのは、女の子ではなくて、男の子だったということ。 本人はいなかったのだけれど、聞くところでは、サークルの学祭の出し物がどうしたこうした、で生まれて初めてクッキーを焼いたらしい。

それはそれでほほえましい話だし、ぼくは、

女の子の焼いたクッキーなら喜んで食べるが、男の子の焼いたものは食べない
とかいう悪しきジェンダーバイアスのかかった人間じゃない。

ただですね、

クッキーを焼いて下さったのが、他ならぬ K 君だと聞くと、つい、柔道着を着て気合いをいれまくってクッキーの生地をこねている姿を想像してしまって、クッキーを心底すなおに味わうことができなかった事は正直に告白しておきます。


ううむ。 standar model は、平衡系に慣れきったぼくらの直感を裏切ったふるまいをしてくれるようだぞ。 excitation もいったんできてしまえば、なかなか死なない。

おもしろい。 long range correlation の素性も見えてきそうな気がする。 (ただし、現段階では、手も足もでないけど。)

それでこそ、ぼくらに色々な事を教えてくれる「先生」の役割を果たす、よいモデルなのだ。


11/5/2001(月)

これ、いかにもみんなが書きそうで、ぼくが書く必要なんてないと思うので、一文で終わらせることにしようと思うので科学用語の場合の考察などは読者におまかせしたいのでありますが、枕木っていうのは、人間が頭をにのっけるみたいに線路がのっかっているの板だから枕木と呼ばれていたわけだけれど、かなり前から「コンクリートの」なるものが主流になり、言葉の持っていた意味は半分死に絶えてしまっていたのは周知の事実だけれど、今朝の新聞によると、二本のレールそれぞれの下にレールと平行にコンクリートの長い板を置いて(レールと垂直な)鉄の棒で梯子状に連結した新しいタイプの「枕木」の方が優れていることがわかり、近く実用化されるらしく、こうして「枕」でも「木」でもないものを枕木と呼ぶ時代が来るらしい。


こっちは、ぼく以外書かないかも知れないけど、体力と時間がないので、やっぱり一文で終わらせることにしようと思うので現代の一般的状況の考察などは読者におまかせしたいのでありますが、かつて
研究というのは、何をするか考えるのが 1/3、計算が 1/3、論文を書くのが 1/3
と言われていたという話(この後に続いていた部分は意図的に略)を読んだが、ぼくの状況を主観的に表わせば、
何をしたいか・何をするか瞑想したり書き殴ったりするのが 2/3、役に立たずに捨ててしまう計算が 1/3、あと残りの誤差の時間の中で、実際に使える証明や計算と論文書き
っていう感じなので、上記引用が朝永→早川と伝わってきたというのは信じたくない。 しかし最近、瞑想しているつもりで、マジで何もしていない時間が増えてきたような気がして、歳かなとか思うとちょっとびびる。 (←って書いてたら二文になってしまった。 (←って書いてたら三文になってしまった。 (←ええかげんにせい)))
ううむ。

今日は学祭の後かたづけだと思ったら、これは後夜祭というやつだな。 野外ステージでがんがんやっているのがよく聞こえる。 こっちは学生さんのプレゼンテーション練習をがんがんやっているというに。

お、バンドがかわった。

女の子ボーカルが挨拶してる。

はじまった。

ピンポーン。正しい街!!
思わずイントロ当てクイズをしてしまうのではないか。 ま、まさか、林檎様が学習院に・・ (前夜祭の時には、「まさかい×かわ×かが学習院に」というネタを自粛したのだが。)

お、今度は

ピンポーン。Living On A Prayer
まさか、Bon Jovi が・・
11/8/2001(木)

四年生の S 君が、「すぐおいしい〜」と歌いながら、研究室のお茶部屋でチキンラーメンを食べようとしている。

さすが、我が弟子。だいぶ物理研究者らしくなってきたではないか(?)。

あ、しかし、ちょっと待て。 なんだその気のない作り方は!

というわけで、私の理想とするチキンラーメンの作り方:

  1. どんぶりは小ぶり(←底面の曲率半径が小さいということ)のものがよい。
  2. どんぶりをあらかじめ熱湯で暖めておくとよいが、ぼくもそこまではしないことが多い。
  3. お湯は、必ずヤカンでグラグラに沸騰させたものを、そのままかける。 S 君、それじゃ微妙にさめてるって! お湯は麺がぎりぎり浸る程度の少な目がよい。(どんぶりが大きいと、それでもお湯が多くなりすぎる。)
  4. 何があってもぜったいにフタをする。しろよ、S 君!!(なべ蓋がなければ、皿をかぶせてもよい。)
  5. マニュアル(?)には三分待てとあるが、二分待つ。(ぼくはタイマーで測る。だいたい麺類を食べる人にとってタイマーは必須のアイテムである。(パスタをゆでるにも、生麺をゆでるにも。))
  6. こうすると、かたい麺が柔らかくなりかかった絶妙の食感を味わうことができる。 エスビーテーブルコショーを一振りして、一心不乱に素早く食す。 だから、高麗さんと俺に受け答えなんかしなくていいから、S 君。
このように、私たちの卒業研究では、物理以外にも多面的な教育をおこなっているのであります。 (←ただの迷惑なうるさいオヤジか。あ、しかし、チキンラーメンの作り方だけでなく、プレゼンテーションの仕方とか、英語の読み方とか、も教えています。)
実は、諸雑用が蓄積してカタストロフィーをおこす寸前のような気がしてきた。

(研究も含めて)個々の仕事はちゃんとできるのだが、(スケジュール管理を含めた)全体的なバランス感覚がめちゃくちゃ悪くなっている。 それが証拠に、そんな状況なのに、こんな駄文を書いている。


11/10/2001(土)

おなかがすいたので、南三号館のすぐ下の自動販売機でパンを買おうと思い、悩んだ末に、チーズなんとかパンに決定。 が、財布には、五千円札一枚と硬貨が九十五円分しかないことを発見。

帯に短したすきに長し
とはちょっとちがうか。

空腹のまま研究室に来ると、S 君がまたチキンラーメンを食べていた。 いいなあ。 今日はちゃんとフタを使ったようで、進歩が見られて、よろしい。

と、こんなことばかりかいていると、読者を失うばかりか、世間に蔓延している学習院の まちがった 品のいいイメージをこわしてしまうではないか。

というわけで・・

ぼくが昔、卒業研究をいっしょにやった T さんは、学習院の女子部出身のお嬢様だったけれど、その頃までカップラーメンを一度も食べたことがなかったらしい。 でも、卒業研究があまりにも忙しく(また、まわりでみんな食べているから、というのもあっただろうけど)ついにある日、やはり南三号館の下の自動販売機でカップ麺を購入して食べてみたのであった。

その結果は、

とても不味かったです。
とのご感想であった。

しっかあし、それもそのはずで、 当時あそこの自動販売機には、ぼくがほぼ最低のカップラーメンとみなす×××××が入っていたのだ。

カップラーメンにもいろいろある。 ×××××などは最低の部類。 初心者は、まず空腹のときに△△△△△△などを食べ、それから、○○○○○○などに進むのがよいのではないか。
と講釈を始めようかと思った私だが、一瞬、彼女に馬鹿にされるのではないかという思いが頭をよぎって、つい沈黙を守ってしまった。

というのも、随分と昔の話。 その後、研究者の道を歩んでいる T さんは、今では、すっかりカップラーメンにもお馴染みになっていると聞く。


幻冬舎という出版社から、アフガニスタンでの戦争に反対する趣旨の本を出版するそうで、朝日新聞にのった Hoodbhoy 氏の論説(「暗黒の火曜日:イスラマバードから」を参照)も再録したいとの話があった。

全文をのせる余裕はないそうなので、またしても抄訳で涙をのむことに。

ただし、今度は、全文のあるページの URL を紹介してもらえることになったので、ずっとよい。(というか、それで当然だと思う。なんで朝日新聞は紹介してくれなかったんだろうね?理由がわからん。)

というわけで、廣田さんと二人で朝日版の抄訳に少し手をいれて、昨日担当者に送ったのであった。 幻冬舎バージョンは、「理性で根源に立ち向かえ ― イスラマバードからの視点」 (それにしても、昨日はよく働いた:朝8時出勤。直前の講義の準備。 9時から12時すぎまで講義ふたつ。質問に答えて、12時半に居室に戻る。 原稿の修正をして、廣田さんに送る。 あわてて食事をして、2時からゼミ。 5時からどうしても抜けられない会議なので、けっきょく発表の途中で切り上げてもらう。 8時頃に会議がおわって部屋に戻る。 原稿を見直して、変更点を列挙するメールを書いて、担当者に送付。 ううむ。研究してない。)


げ。 幻冬舎のページ見たら、さ×ま×しの本を出してる・・・
11/11/2001(日)

今日も S 君が(大輪講のプレゼンテーションの練習のあと)お茶部屋でチキンラーメンを食べていたとかいう話をすると誰も読んでくれなくなりそうなので、やめとこ。


先日、文科系の分野の方からいただいたメールに、「理論物理のような分野では、直接あって話しても、あまり実りはないかもしれませんが」という趣旨のことがあった。 そういう誤解がもしあるなら、少しでも解くべく、
いや、理論物理屋は徹底的に discussion をします。 日常語と専門語と数式と身振り手振りと奇怪な絵が混然となった一種異様なコミュニケーションですが、論文だけでは決して伝えられない未だ論理化されていないアイディアの伝達には、これ以外の方法はほとんどないみたいです。
というメールを送ったところ、喜んでもらえたようだった。

実際、多体量子系を本気で数理物理の立場から研究する国内ではほぼ唯二の研究者である高麗さんとぼくの議論だって、たとえば、こんな感じ。(雰囲気だけだよ。)

高麗「と、まあ波動関数をこう分解することはいつでもできるわけで、で、こっち側のノルムについてこれこれこういう評価ができると嬉しい」

田崎「えっと、そういう不等式があるってのは、つまり、電子があーしてこーしてあーするっていうことか。」

高麗「そうそう。あーしてこうする。」

田崎「待てよ。でも、ほら、ここでポテンシャルがぐにょおおっとこうなると(←黒板に変な絵を描く)電子はげげっと思って、こんな風になるから、するとその不等式の右辺に、こういう項がでてしまうぞ。」

高麗「いや、しかし、ポテンシャルの影響は、あーだこーだで、ああなるから、結局は、波動関数はこういう感じで、でええええっと広がった方が有利なわけで。」

田崎「あー。確かに、でええっと。ふむふふ。そうすると、ノルムはこうなるなあ。 あ、でも、おかしいぞ。・・・・・」

以下、奇怪な絵を描き足しながら、つづく。

(↑きわめて具体的な問題でもこんな感じ。もっと漠然と「こんな感じのことがやりたいんだ」みたいな話も多い。) ネットワークでみんなが瞬時にコミュニケートできるとかいうけれど、コンピューターを通してやりとりできる情報なんて、ほんととっても少ないのだ。

あと、微妙に関係する話。「おまえは直感的な話が多すぎる」と言われたという、ある大学院生の方に、次のようなメールを出した。

直感的な話が多いのは別に構わないと思う。

ぼくらが数理物理の人どうしで話すときも、めっちゃ直観的でわけのわからない話を延々とするものです。

困るのは、

  1. ちゃんと根拠があって、わかっていること。
  2. 根拠は言えないが、類推や直観で、こうなってるんじゃないかと思うこと。
  3. 実は何の理由もなく、つじつまあわせのため、こうなっていると思いたいこと。
をきちんと区別しないことだと思う。
「俺は×××みたいな(←適当にかっこいい物理屋の名前をいれる)直感派だ」と開き直って、実は、3 をやっているいいわけにしてはいけない、ということです。 (メールを出した相手には言うまでもないのだけれど。)
11/13/2001(火)

あまりにさえないので、昨日、今日と少し部屋を片づけ、かつ、細々とした雑用も片づける。

要するに、

  1. (新しい展開方とか、DLS 変分原理の別の導出とか)いちばん考えてみたいことは猛烈に難しいので、まだまだ膨大な無駄な計算をしたり寝てアイディアを練ったりする必要がある。 できる見込みは薄い。 でも、もえる。
  2. (自分のモデルのまとめとか)少し時間をかければできることはある。 面白いとは思うが、自分では結果が見えたので、今一のらない。
  3. (論文の直しとか)絶対にやるべきことがある。
という状況で、時間とエネルギーの使い方が定まらないのがいけない。

もう何年もプロの科学者をやっているのだらか、そういう配分のノウハウは確立しているだろうという気がするが、全然だめ。 論文を書かねばという意識がきわめて低くなっているせいか、昔よりもかえってわがままで時間配分下手になっているかもしれない。

もちろん、自己改造して能率論文製造人間になろうなどという気は毛頭ないわけだけれど。


電話「トゥルルルルルル。トゥルルルルルル。」

ぼく「誰かな?××さんかも。」

ぼく「もしもし(アメリカで暮らして以来、電話をとってもすぐには名乗らない風習になってしまった)」

相手「わたくし、APS の○○と申します。

ぼく「(げっ。絵に描いたようなセールス声ではないか。取るんじゃなかった。学習院の教職員名簿を売ってる奴は誰だ。冷たく平板な声で→)どういうご用件でしょうか。

相手「もしもし、田崎さまでしょうか?

ぼく「(単に「APS の○○」というだけでは、全く情報がないに等しいわけで、何の意味もない。何らかの形で用件を言うか、少なくとも『不動産販売の APS』とか『サラリーローンの APS』とか『格安車検代行サービスの APS』とか『北小金駅前たこ入りたこ焼きの APS』とか会社概要を言わなければ、名乗っていることにはならない。よってこちらが先に名乗る義務はない。まったく平板な声で→)どういうご用件でしょうか。

相手「田崎さまでしょうか?

ぼく「(セールスの奴は、決して、ぎりぎりまで用件を言わないのだ。このやりとりを延々と続けたこともあるが、今日はおわり。)セールス関係のお電話は、切らせていただいております。失礼します。

電話「がちゃん。」

妻「誰?セールス?」

ぼく「『APS の○○』さんだってさ。」

妻「APS?」

ぼく「何の略ですかって聞いてみればよかったか。 ええと、『A あなたの P パソコン S 修理します』かな?」 (お詫び:記述に些細な虚偽のあることをお許し下さい。咄嗟に考えたネタはもう少し品がなかったので、ここではつつしませていただきます。)

む。

待てよ。

APS?

どっかで聞いた響き。

おお、そうじゃ。

American Physical Society(←ぼくも会員です)
ではないか!!

どうも、賞を一つ逃したようですね。


11/18/2001(日)

前回(11/13)のセールス電話ネタは、自分でも不作だなと思いつつ、まあ実話そのままだし、ちょっとした内輪受けののオチもあるし、セールス電話への対応については前から取りあげたかったし --- というので気楽に書いたわけだ。 で、最初に書いてアップした時点では、セールスの相手もちゃんと用件や会社概要をしゃべらなければ、会社の略称を言おうが、名前(←本名だという保証もないし、たとえ本名でも意味のないことに変わりはない)を言おうが、こちらに情報を与えていることにはならないのだ、ということを説明するくだりは、単に

「×××の APS」という風に会社概要を言わなければ
としておいた。

ところが、その後、道を歩いている途中で、この×××のところに自分でいろいろ当てはめている内になんとなく愉快になってきた。 「タイヤ交換の APS」とか「無料車検サービス(←いかにも胡散臭そう)の APS」とかいうフレーズを思い浮かべて、あの軽くちょっと甲高いセールス声に頭のなかでしゃべらせてみると、なんか笑える。 とくに、昔から好きな「たこ入りたこ焼き」というフレーズが妙に心に残り、これを使うしかない、とさえ思うようになった。 はじめ「目白駅前たこ入りたこ焼きの APS」というのを思ったけれど、たこ焼き屋はないし、なんか、もう少し、微妙にマイナーな感じ(←申し訳ありません)がほしいなというので、ちょっと縁のあった駅名の「北小金」がちょうどよいぞ、などと推す動作と敲く動作をくり返しつつぶつぶつ言って道を歩く私。

ぼくはナカムラさんが何とおっしゃろうと、発表後の文章だろうが何ヶ月前の文章だろうが、直せるものは、自分の気に入るように堂々とこっそり直す主義である。 もともとインパクトのないネタに単なる脱力ネタを足すという情けない修正でも、人目を気にせずあえて行なう実行の人である。

というわけで、上の部分は、

少なくとも『不動産販売の APS』とか『サラリーローンの APS』とか『格安車検代行サービスの APS』とか『北小金駅前たこ入りたこ焼きの APS』とか会社概要を言わなければ
という冗長で意味のない文章になり、11 日の雑感は、どこからどう見ても、中身のない B 級の雑文となっていったのだった。

ところが、何日かして、そんな私のところにメールが届いた。

なんと、subject は takoyaki。

本文の出だしには、

「北小金駅前たこ入りたこ焼きのAPS」という部分が非常に琴線に触れました。
とあるではないか。

なんだ、またハイパーローカルネタか --- と、かつての「俺の方が北千住に近いぞ論争(←さがすのが面倒なのでリンク略)」を思い出された方ももしかしたらいらっしゃるかもしれないが、しかし、北小金駅のほど近くの実家を離れて暮らし、故郷のたこ焼きの味に淡い郷愁を感じていらっしゃるメールの主の I さんは、

アメリカ合衆国ニューヨーク在住
なのだ。

もう、こうなると、ローカルなのかグローバルなのかわからなくなるのであった。 やっぱし、インターネットはしゅごいものだ。

というわけで、I さん、ごめんなさい。 「北小金駅前たこ入りたこ焼きのAPS」は実在のたこ焼き屋さんないしはいかなる商店とも無関係なフィクションでした。 そういえば、アメリカでは、そろそろ家々のクリスマスの飾りが美しい季節ですね。 夜、それぞれの家で思い思いの灯りが点滅している光景は、大好きです。 こちらは、今度、北小金に行くことがあったら、「銀だこ」でたこ焼き食べてみますね。


定常状態のまわりのゆらぎについての佐々さんのノート。

むずかしい。

というより、これを見て、どう頭とエネルギーを使っていいのかわからない。

佐々さんや大野さんは、この仮説はもっともらしい、こっちは大胆、とか議論しているようだが、文字通り、ついていけない。

ぼくは、もっと具体的で生々しい例とか描像がないと動けないのである。

大野、佐々、田崎のなかで、もっとも泥臭い物理屋は誰か?
というと、これは、絶対に田崎だぞ、とか思う。 (別に、証明好きかどうか、とかとは関係のない話。)

というわけで(というわけでもないのだが)、泥臭いゆらぎの描像から出発して、large deviation functional を求める試みに着手。 (といっても、妻が用事でいないので、外からみると洗濯物を干しているようにしか見えないのだが。) もちろん簡単ではないが、まだあきらめていない。

ふと佐々さんの日記を見ると、「泥沼戦」宣言があり、見透かされた感じ。


11/19/2001(月)

息子がどうしても見たい、というので、二時にたたき起こして、妻と三人で、見てきました。 ジャコビニ流星雨 しし座流星群。

東京の明るい空の下でも、二、三十分の間に、軽く三十個程度(←妻の概算による。ぼくは、「たくさん」としか把握していない)の流れ星を見ることができた。 ただすっと流れるのだけでなく、まさに、炎のごとく燃えながら流れて消える派手な流星もいくつか。 (そういえば、009 のリメイクをやってますね。) もちろん、こんなにたくさんの流星を一度に見るのは、生まれてはじめて。

しかし、考えてみるとあれですね。 「二時ぐらいからがピークでしょう」とテレビで聞いて、ろくな準備もせずにぶらっと出ていって、たくさんの流れ星が見えるなんて、ちょっと話がうますぎという気もしてしまう。 「そうそう。 流星観測っていうのは、なんか、こうもっと荒涼としているべきなんじゃないか。 何時間も何時間も待っても何も見えなかったり、見えそうになったら雲がでてきたりして、凍えながら、後悔しながら、ずっと待ち続けて、眠りに落ちそうになったとき、ついにスッと尾を引く流星をいくつか目撃して感動する。 そういう、刺すか刺されるかじゃないけど、きわめて緊迫した雰囲気がいいんじゃなかろうか。 それが、ただテレビ見てジャンパー羽織って、普段来てない流星観測に来てんじゃねーよ、ボケが。 二時だってテレビが言ったら、二時かよ。 なんか親子連れとかで来てるし、一家揃って流星観測か。おめでてーな。 よーしパパがおまえの分まで願いごといっちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。」 とのご意見もあるかもしれませんが、こっちは楽しいんだからそれでいいんだよおおだ。

おっ。 流星にからんで、物理っぽいことを何も書かなかった。


11/20/2001(火)

Derrida-Lebowitz-Speer の変分原理 (9.5) の現象論的理解という課題は、佐々さんがやっているからぼくは触らないことにしていた(ミクロモデルからの一般的な導出は、Raphael と議論しているテーマの一つ)のだが、佐々さんの結果がぼくには formal に過ぎると見えるので、日曜からバックグラウンドで考え始めている。

なにか、うまく行きそうで、ぎりぎりでしっくり来ない。 なるべく D-L-S の式は見ないようにと思うのだが、つい見てしまうと、微妙に思わせぶりで、そわそわしてしまう。

うううむ。結局は、佐々さんの通った道を辿るしかないのか?

天気がよいので、散歩瞑想モードを兼ねて、ラーメンを食べに、西早稲田へ。

後ろに並んだ、女の子一人と男二人の会話が、当然ながら、耳に入る。 女の子が、現代詩の朗読を思わせる(って聞いたことないか)モノトーンだけど微妙にニュアンスのあるちょっとハスキーな話し声で、なかなか感じがよろしい。 「傷口が膿んでいるのをずっとそのままにしてるくせに『電車乗ると人がじろじろ見るんだぜえ』とか言っている」という知り合いの話。「処置しろよな。」確かに。と、一気に、「C-NMR とかやると、そいつの膿のピークがでたりして」と超理系ネタに跳んだ(化学の院生の方たちのようでした)ので、秘かにうけておりました。

ずっと遠回りして、散歩+瞑想を続けて、大学へ。

三つくらいアイディアが、生まれ、検討され、消えた。


11/22/2001(木)

DLS 変分原理難航。

気が弱くなって、もっともらしい形式論に踏み込もうとすると、佐々さんのノートに酷似していく。


いろいろ多忙になってきた。

明日が休日でなかったら破綻していたところだ。 しかし、講義の進み具合を思うと、この休日は痛いけどね。 先週の講義のとき、「せっかくのってきたところで休日はつらい。ここは、祝日破りで講義を敢行しよう」と一瞬言ってみたけど、当然賛成する学生さんはいないと思って、すぐにギャグにしてしまった。まじで提案していたら、どうなったんだろ?普通の学生さんが休みの日の補講でも、けっこうみんな出席してくれているから、面白がって来てくれたかもね。

などと言ってないで、やるべきことをやろう。

しまった。セーブしようとして、間違って LaTeX の typset のショートカットをおしてしまった。 (TeX 文書も html 文書も同じエディターで書いている。) こんなファイルを typset しても、エラーしかでないのは至極もっともである。


11/23/2001(金)

実は、日曜日に、入学関連の業務があって、ほぼ一日つぶれるので、月曜日の The Second International Symposium on the New Frontiers of Thermal Studies of Materials の準備を前日にやるわけにはいかないのである。

というわけで、まずは、発表の準備を最優先。 佐々さんと SST の導入の仕方について、いろいろ再検討しているので、それを反映させた最新の発表になるのであーる。

ここで、妻曰く。「そういう工学系の会議だと、みなさん、OHP はコンピューターできれいに作ってくるんじゃない?」

た、たしかに・・・

でえい。ごちゃごちゃ言うんじゃねえ。 理論物理学者の生き様を見とけええ。 (昔の例

あっ。 でも、ちゃんとネクタイはしてくので、みなさんご安心下さい。 浮くのは発表だけ。


11/24/2001(土)

明後日の会議では、口頭の発表とポスターセッションの両方をやることになっているので、模造紙とマジックを買ってきて、床に模造紙を広げて、ポスターを書いているのだ。(う。字がでっかすぎて、内容が入りきらないぞ。)

この会議に誘ってくださった斎藤さん(10/3, 10/4)と生徒会をやっていた頃、放課後の執行部室で、模造紙に生徒会の連絡とかを書いていた頃を思い出す。 初心者のぼくに「マジックはこう使うんや」と教えて下さったコバヤンはトボロジストになっているのであった。関係ないけど。


11/25/2001(日)

あー。眠い。疲れた。

入学関連の雑務二つと T 君の大輪講発表の練習の合間をぬって、OHP とポスターの準備ほぼ完了。 (昨日、ポスターを書いている際に、式の導出の仕方とか、例示すべき式を変更しようと思い立ったので、さらに書き直しが発生したのだ。)

これで、準備万端か、というと、あとは真面目な服装の用意。 ちゃんとはけるスラックスがあるかが最大の課題である。


11/27/2001(火)

ううむ。 われながら見事な状況判断。 25 日の「最大の課題」は、やはり、曲者で、けっきょく 25 日の夜遅く、妻といっしょに池袋に行って新しいスラックスを買い、妻に裾上げまでしてもらうこととなった。 こうなってしまった理由を愚考するに、

  1. かつて私は異常なまでに細かった。 (中学でバレーボールとかやるときも、「田崎、頼むからミスせんといてくれよ」とは言われず「田崎、頼むから折れんといてくれよ」と言われた。)
  2. それが、近年になって、少しだけ太さが増した。
  3. しかし、ジーパン以外をはく機会がほとんど皆無だし、ごくまれにはくことがあっても卒業写真撮影前後の三十分などの短時間なので、苦しくても我慢していた。
  4. 妻に、再三「スラックスを買いに行こう」と言われても、たまたま仕事が極端に忙しかったり、たまたま重要なアイディアが生まれかかっている時期だったり、たまたま体調が悪かったりして、逃げていた。
という、ほぼ不可避の事情によるのであった。 これからは気を付けます。
そうやってスラックスまで調達し、慣れぬネクタイを締めて参加した The Second International Symposium on the New Frontiers of Thermal Studies of Materials だったけれど、実は、それを補ってあまりがめちゃありまくるほど、とても面白かったのだ。

熱測定を中心に化学や物理の様々な専門の人が集う国際シンポジウム。 当然ながら、そっちの分野に、知っている名前もないし、知っている顔もない。 それでも、人々の様子を見ていると、お、この在外の先生はきっと○○先生みたいな感じの人だろうな、とか、、おおこの在米の中国人のおっちゃんのエネルギーは××さんみたい、とか、この半分以上寝ている外人のおじいちゃんは分野の長老なんだな(←って、おじいちゃんなんだから当たり前か)とか、人間模様がいろいろわかって面白い。

それと、ぼくの知っている分野よりも、活躍している女性が多いのは印象的だった。 元気な外人のおばちゃんとかが議論を切り回していて、ちょっと新鮮。 あと、日本人の女性の参加者の英語の発音がよかったのは不思議。 (男性は、そんなことない。) ほとんどの人が日本人離れしたきれいな発音だった。 なぜだろう。 一人、院生だろうけれど、ぼくの聞いた範囲(←結構、判定は厳しいはず)では、完璧な native に聞こえた女の子が一人いたなあ。

ともかく、ぼくと北原さん以外は、ほぼ全員が実験家。 おまけに、ポスターをマジックで手書きしていたのは、ぼく一人みたいで、もう浮きまくることを気にするのは無意味。 午後のポスターの後くらいから、寝不足もあってぐったりしてきたのだけれど、夕方の講演のときには、なぜかぐおおおおっとエネルギーが出て、自分でも驚いたほど熱の入った発表になった。 聴衆も極めて熱心に聞いてくれていて(←おじいちゃんは寝てたけどね)、要所要所で会場を見回すとちゃんとうなづいてくれる。 質問時間は短かったけれど、ちゃんと(やらせでない)質問が出た。 よかったよかった。

夕方の講演が終わると、最後に、三十分の公開議論。 なかなか野心的なプログラムである。

ただ、その割に、議論が盛り上がらず、かつ、日本人の発言が少ないので、図々しさの塊としては黙っていられず、つい挑発的な質問をしてみたりする私であった。 (その内容については、また後日書くかも。)

一日の会議が終わると、駅前のホテルに移動して立食パーティー。

会場では、かなり色々な人に話しかけてもらって、なかなかよかった。 特に、SST とそれに関連したわれわれの実験の提案について、(ぼくをこの会議に誘って下さった、元生徒会長の)斎藤さん(←私信コーナー:改めて、ありがとうございました)を始め、実際に熱の実験をおこなっている人たちに真摯に議論してもらえたのは、最高の喜びである。

いや、本当に、うれしくて、未だにちょっと興奮しているのだ。 ぼくみたいに、定理を証明して、数学の人と議論したり、確率論の会議に顔を出したりしていたようなこともある研究者が(←って過去形で書いてしまったが、もちろん、今でもやっている)、こういう相当に異なった分野の実験家のみなさんにも多少の意味のある話ができて、ある種の興奮を分かち合えるっていうのは、やっぱり科学はひとつなんだよな、っていう感じ。 素朴にうれしいな。 単細胞だけどさ。 (単細胞で何が悪かろう?)

実は、こういうエネルギーに満ちた国際シンポジウムが実現しているのは、一重に、主催者である阿竹先生という方の強烈な個性があるためのようだ。 阿竹先生というのは、熱測定に関しては右に出る者はないというようなすごい方らしいし、メールなどをやりとりした範囲ではもの凄く丁寧な感じだったので、何か角張ったおじさんを想像していたのだけれど、実際に斎藤さんに紹介してもらってみると、上方漫才師を思わせる小柄で気さくな雰囲気の方であった。 (そういう外観が、ある意味で、大物の証なのかもしれない。) わずかに言葉を交わしただけだけれど、熱力学への深く強い思いと強烈なエネルギーが溢れる雰囲気で、つよい印象をもったのであった。


今日はシンポジウム二日目。夕方の自由討論では、ミクロな系への熱力学の適用可能性や、非平衡の話もするという予告だった。 まさに、ぼくに乱入してくれ、といわんばかりのテーマだし、雰囲気も気に入ったので、是非是非参加したいところだったのだけれど、ま、大学に勤めていると諸般の事情がありまして、今日は欠席。

朝から晩までいろいろと働いていましたが、なんとかなったので、夜の十一時半ですが、これを書いているところ。

これから、もう一働きしたら、家に帰ります。 お休みなさい。


11/28/2001(水)

ふうう。

大輪講、大終了。疲れました。

四年生の皆さんもご苦労様でした。 学問的にいっても、プレゼンテーション的に言っても、様々なレベルの人がいましたが、総じてよかったと思う。 今回、根性を入れて臨んだ人にとって、大輪講の経験は、大きな宝になるであろうと信じます。(ちょっとくさいけど。)

それが証拠に、というわけでもないけれど、ぼくと同年輩のみなさんの大先輩の F田さん(昔の理論研を知る人は、『F田の馬鹿笑い』が耳に浮かぶであろう)も、この前いただいたメールで

何を喋ったか覚えてませんが、なんか暗い部屋だったような記憶があります。 思い起こせば青春の一ページみたいな感じです。
と大輪講を懐かしがっていらっしゃいます。 それだけでなく、「プレゼンテーションの技術は役に立ちますね、きっと。 学生さんがどんな分野に行っても。」とおっしゃる F田さんは、アメリカに何年も滞在し、就職の面接がプレゼンテーションだというようなアメリカの企業でばりばりと活躍されている方なのであるぞ。 説得力が違うだろ。
少し自分の時間ができたところで、Sasa-Tasaki の改訂作業。

佐々さんとの議論と、月曜の会議(え?あれが一昨日??なんか、遠い昔の感じがする)での発表のノリを踏まえて、大幅書き換えを断行中。

かなり読みやすくなると思う。


11/29/2001(木)

大流行だそうで、午前中だけで W32.Badtrans.B@mm が出したと思われるメールが二通。 どちらも一般プロバイダのアドレスの知らない人からでした。 Microsoft の OS なんか使っているからそういうことになるんでしょう。さっさと みなさん、是非、お気をつけ下さい。

しかし、添付ファイル名が、YOU_are_FAT! だったので、「スラックスが入らなくなったくらいで、そりゃないだろ」とワームに文句を言ってしまう私であった。


11/30/2001(金)

午前中。 お日様が照ってポカポカ陽気。 講義のときは、セーターを脱いで、窓まで開けてしまう。

午後。 昼過ぎから夕方まで、ぼくらがゼミをしている間に、強い風が吹いて、冬がやってきた。


「にしむくさむらい、小の月」と唱えてみて、今日が月末と認識した。

前の月へ  / 次の月へ


言うまでもないことかもしれませんが、私の書いたページの内容に興味を持って下さった方がご自分のページから私のページのいずれかへリンクして下さる際には、特に私にお断りいただく必要はありません。
田崎晴明
学習院大学理学部物理学教室
田崎晴明ホームページ

hal.tasaki@gakushuin.ac.jp