茶色の文字で書いてある部分は、相当に細かい仕事の話なので、ふつうの読者の方は読み飛ばしてください。
「基礎研究」についての真摯な考察(5/2)で始まった五月の雑感だったが、その結び(5/30)は、どうでもいい日焼けの話になってしまった。
で、そこで提唱した「ランドセル焼け」について、さっき歩きながら考えていたんだけど、上半身裸にランドセルだけ背負って外にいたら、肩や首だけじゃなくて、胸やお腹まで、ぜんぶ日に焼けてしまいますなあ。 こりゃ、だめだ。
じゃんけんに負けた奴が(次の電柱まで、とか決めて)二人分のランドセルを前と後ろにかけてることがあるけど、あれだね。 ぼくは、あれを上半身裸でやったときの日焼けについて語っていたんだ。
朝からスケジュールがびっしりの一日だったが、われながら、公私ともどもに、よく働いた。
講義ふたつも(いつものこととはいえ)目一杯ハイテンションでがんばったし、一休みしてから、事務仕事もし、Raphael とも気合いを入れて議論をし黒板でいっぱい計算もした --- と書いてみると、別に、「公私ともども」というわけじゃないですね。
Rapahel とは、相関関数の摂動展開の可能性について吟味し(けっきょく、われわれの測度の展開の方がすぐれていることを納得し)、ついで、われわれの展開を対称法以外に拡張するという作業をまじめに開始。 対称法ではきれいにキャンセルしていたところが、たしかに、それ以外では・・
思わず
Ugly Metropolis..とつぶやく私。 さて、物理の本質を美醜で判断できるのか?
その答えがわかるのは、・・・・、いつだ? いつだろうか、佐々さん??
かなり前のことになるけれど、佐々さんの 3 月 23 日の日記に曰く、
年を重ねるにつれ、「10分で発表なんかできない。学会にでても学生の未熟な発表ばっかりではないか。」ということをおっしゃり、学会には原則不参加・原則未登檀になっているえらい先生方(←蔑称としてつかっている) が増えていることへの抵抗でもある。
ぐはっ・・・
いや、もちろん、おいらは、
それが、いつの頃からか、ぼちぼちと足が遠のき、よほど東京に近いところで開催されない限りはまったく出席しないという「学会さぼり倒し野郎」になってしまったのであった。
嗚呼、少年易老、酔歩不帰(←けっこう気に入ってたりする(1/12/2001))。
その原因が、単なる個人的な気まぐれや怠慢によるものなのか、はたまた、日本の学界への深く真摯な絶望感によるものなのか、それは今となっては本人にさえ判然としない。
おまえが行くことで少しでも盛り上がりそうで、おまえにとっても得るところがありそうで、それに意味があると感じるのなら、行けばよい。 そう思わないときは行かなければよい。 それでええやないか、と。
たしかに、そうだ。
田崎:佐々さんの日記に書かれちゃったからっていうわけでもないけど、そろそろ学会も出てみようかなと思って。 今度、東北大だよね。実は一度も行ったことがないので、いいチャンスかなあとも思うんだ。O さん、邪魔してごめんちゃい。H さん:あ、いえ。今度は東北大じゃないですよ。青森です。東北大よりもずっと遠いですよ。 東北大は新幹線で行けるんですけど、青森になると、新幹線じゃ無理なんです。もう、飛行機って感じで。
田崎:げ、そんな遠いのか。やっぱ、やめようかなあ・・
O さん:(机に向かって仕事中だったが、さすがに、聞き過ごせなかったようで)いえ。青森も新幹線で行けます。
田崎:ま、いずれにせよ、せっかく久々に出席するなら遠いところで出た方がいいよね。
H さん:そうですか。
田崎: ほら、あんまり近いところだと、近いから来たんだな程度に思われておしまいだし。 青森をパスするとすると、次は、たしか千葉だったから、それに出てもねえ。
H さん:あ、青森の次は千葉ですか。
田崎:うん。たしか、そう書いてあったと思うよ。予定表に。
O さん:(机に向かって仕事中だったが、さすがに、聞き過ごせなかったようで)いえ。青森の次は理科大です。
しかし、雑感読者ならご想像になれるように、申し込みを着実におこなうため締め切りの期日をきちんと調べたりということは、もちろん、しなかった。 秋なんだから、まだまだ先だとか、思っていた。 そうして、なんだかんだとあわただしくしているうちに日々は過ぎていった。
で、けっきょく締め切りが過ぎて申し込み損ないました、ちゃんちゃん、という脱力オチにもっていくのが web 日記の筋というものだろうけど、もちろん、そういう王道をポジティヴに裏切るのが「日々の雑感的なもの」でございます。
持つべきはよき先輩。 ご自身も久々に物基統計のセッションに申し込まれたという清水さんが「おまえも行くと言っていたけれど、申し込んだか? 締め切りは近いぞ」とのメールを送って下さり、さらには、web 申し込みの情報なども転送して下さった。
ここまで来たら申し込まないわけにはいくまい。 最初は苦労したけど、だんだん web 申し込みの手順にも慣れてきたので、けっきょく
参加されるみなさんにはお会いできるかも知れません。
息子: おれは今度の合宿は東北なんだ。申し込むだけじゃなくて、ちゃんと行き着かなくては。わたし: パパは秋に学会で青森に行くんだ。
娘、息子: ふうん、青森か。
妻: 青森のどこ?
わたし:青森・・
妻:だから、青森市なのか、弘前市の方なのか、とか。
わたし:青森・・・
あー。ほとんど一日中作業したつもりなんだけど、原稿がおわらない。 もう少し進めて人にコメントをもらえるところまで持って行きたかったんだが、そこまでもいかない。 これ(夏のアインシュタイン特集科学セミナーの予稿)の締め切りは15日なのだ。しかも、かなり本気の締め切りらしい。 書くからにはちゃんとしたものを書かないとなあ。 人のコメントももらいたいしなあ。 しかし今夜は遅い。寝なければ明日の講義でへたってしまう。 いや、寝る前に講義の準備じゃ。
講義や会議や議論以外の時間はずっとがんばっているつもりなんだけど、おわんない。 (あ、寝たり食べたりは、してるけど。) どうも能率わるい。 そんだけです。
そんだけじゃなんなのでリンク。この科学セミナーというのの予稿を書いてます。
若い頃は傘をさして片手運転で自転車をこいだものだ。 しかし、年をとって運動神経も鈍くなっているだろうし、ともかく、死ぬ確率を極力低くすることを心がけているので、もう傘さし運転はしないんだ。 乗るならさすな、さすなら乗るな、です。 (青春じゃねえなあ。)
そういう一日だったので、夕食後にばてて寝るかとも思ったのですが、夜になって(ナチュラル)ハイになってしまい、未だに(12:44)快調に原稿を書いています。 もうすぐ、最後まで到達しそうだぞ。 (といっても、イントロは手つかずなんだけど。)
最後の展望の部分を書くべく、ビールを飲み始めた。
さて、このセミナーのタイトルが「アインシュタインと20世紀の物理学」であれば、こうして、20世紀の統計力学の一つの進展を語ったところで私は筆を置いたかも知れない。 しかし、来るべき21世紀の統計物理学の発展を視野に入れたとき、私たちは、もっともっと野心的であるべきだろう。 以下では、あえて、「線形応答の統計力学は、非平衡統計力学のあるべき姿とはほど遠い」ということを述べてみたい。いや、書くのはこっちじゃなくて、あっちのファイルだ。
「おわんない」と書いたが、おわった。昨日、おわった。
日記の世界では、更新一回分でおわった。 でも現実の世界では、一週間以上かかってしまったのだ。 不思議ですね(嘘)。
やっていたのは、科学セミナーの予稿テキストです。 (がんばって書いて、割とまともなものができたと思うので、上で公開しました。)
日々の講義をしながら(しかも、駒場の講義は一時期ネタのストックがゼロに近づいた)、Raphael と議論しながら、「持ちネタ」ではなかったブラウン運動について解説を書く(いつものことながら、大勢に人たちに色々と教えていただき、色々とお手伝いいただいたのだ)、というハードな日々で、さすがに疲れたじょ。
夕方には荷物をまとめてさよならを言う。 Raphael は、九月からの新生活にむけてあわただしい日々にはいる。
「おわった」といっても、とりたてて生活がかわるわけではないのだな。
懸案事項をはじからひたすら片づけていくしかない。 まずは、ナンクロ勝負の後に気づいたこと(5/8)を完璧に一般化し、かつ厳密化した結果を、きちんと書きとめておくという作業。 言ってみれば「一発芸」的な仕事で理論解析の深みはないのだが、driven lattice gas 周辺の風景を確定する上では、それなりに意味のあることに気づいたと思うので、一応、公開するのである。 これを枕にして、Raphael と共著の展開の仕事などが、あとにつづく。
というわけで、今日は(他にやるべきことがあったかもしれないという可能性を忘れ)これに専念して、ほぼ終了。
授業予定カレンダーを見ると
7月だけでも講義が四回ある。まだ6月も半ばだから大丈夫という夢をみた。 夢とはいえ、なんとなく安心した。 安心したまま会議などの雑用を終え、さあ、懸案の計算をやってしまおうと思った。
しかし、ふと夢のお告げが気になって日程を確認する。
なるほど。 ほぼ正夢(まさゆめ)だったが、微妙に定量的にちがう。 真実は、
7月に入ってからの講義は一回。今は6月の後半だから・・・であった。
予定変更してレポート問題を印刷。明日、配ります。
ぼくたちのような方向性で研究している統計力学のグループなんてほとんどないのに、いったい・・・といった思いが頭をよぎらないでもないが、しかし、多くの若い人たちがこういう話に興味をもってくださるというのは、理屈抜きで、すばらしいことである。 若者に負けるつもりは(当分は)ないが、やはり、若い人たちのエネルギーというのはすごいですからね。
みんなの元気をオラたちに分けてくれ!!(佐々さんがばてて倒れないためにも。)
どへー、日記を書こうと思って気づいたけど、もう 27 日じゃん。
日記なんて書くのやめるか。
昨日、がんばってくりこみの講義の準備を終えたので、今日は、朝から元祖(ハードコアのある) driven lattice gas の最低次の摂動論をまとめて結果をきれいにする作業に専心。
昨夜は、3d 次元空間の三つの d 次元部分空間のまわりに鏡像電荷がどう並ぶかをイメージしようとして死んだままビールを飲んで寝たので、今朝は、やはり初心に帰り、フーリエ変換において対称性がどう現れるかをまじめに検討。 係数まではでないが、これで、三体セクターの 1/r^(2d+1) の減衰は、だいじょうぶ。
夕方から夜にかけて、メトロポリスでの摂動の計算などを泥臭く。
で、夜になって、思いっきり一般のルールにして展開をきちんと導出していくと、あら、あら、予想していた以上に、はるかに、きれいにできている。 おまけに、phi(h) が h=0 で微分できさえすれば、ルールがちがっても、最低次の摂動( E J のオーダー)の結果は、完璧に同じ。 線形非平衡なんだから当然と言えば、当然だけれど、ルールは、なんでもよかったんだ。
あ、ただし、きみ、メトロポリス君だけは別ね。
仲間はずれはかわいそうとお思いだろうが、やっぱメトロポリス君は駄目だわ。 摂動の最低次で、他のルールと定性的にちがってるしねえ。
むかし、あまりに忙しくて雑感を書く暇がなかったとき、その日に自分で書いたメールの中から面白げなフレーズをコピペして雑感のかわりにする、という手抜き技をやっていたことがあった。
今日は、その発展形で、佐々さんに送ったメール(および佐々さんから来たのの一部)をタイムスタンプ付きで並べてみました。 (念のため、佐々さんのドレスを伏せ字にしたら、なんか、いけないアドレスっぽくなった。)
まず、お昼を食べようと思っていたら、昨夜および今朝からの議論の続きのメールが佐々さんから。
ええ? 佐々さんの質問と議論はおもしろいが、そんなファイルは記憶になし。 かんちがいだろう、って感じですぐに返信。 時間をみると、メールを受け取って2分で返信しているみたい。From: sasa@xxxx.c.u-tokyo.ac.jp Subject: Re: Date: June 30, 2004 11:51:16 AM JST To: hal.tasaki@gakushuin.ac.jp--- ここに開放境界条件の系についての議論があったけど略 ---
たしか、田崎さんから 周期境界条件がうみだす病的性質に関するファイルを もらった気がしたので、mail をみたのですが、みつからなかった。
ささ
お弁当(←ハンバーグがいっぱい)を食べ始めたが、9分後には、またメールを書いている。From: hal.tasaki@gakushuin.ac.jp Subject: Re: Re: Date: June 30, 2004 11:53:14 AM JST To: sasa@xxxx.c.u-tokyo.ac.jp> 田崎さんから 周期境界条件がうみだす病的性質に関するファイル
そんなのあったかなあ?
いくつかの方向から考えてみます。これからお弁当食べて次の講義に備えます。
この後は、講義をしたり、雑用をしたり。 その間にも前世の記憶が徐々によみがえる。 ファイルや式は思い出さないが、なにか、ものを考えていたときの漠然とした頭のなかの「絵」だけが思い出されるのだ。From: hal.tasaki@gakushuin.ac.jp Subject: Re: Re: Date: June 30, 2004 12:02:24 PM JST To: sasa@xxxx.c.u-tokyo.ac.jp> たしか、田崎さんから 周期境界条件がうみだす病的
ううん
お弁当食べてたら(まだ食べてる)なんか、そんな話が昔あったような気がしてきたが、前世の記憶的に曖昧である。解析力学の講義を今日と来週でどう着地するか、なかなか厳しい。
で、夕方、仕事が一段落したところでメール。
さて。失われしFrom: hal.tasaki@gakushuin.ac.jp Subject: Re: Re: Date: June 30, 2004 6:13:28 PM JST To: sasa@xxxx.c.u-tokyo.ac.jp> たしか、田崎さんから 周期境界条件がうみだす病的
これについては、ずっと前に Raphael と何かを話し、それについて佐々さんに説明している自分の姿が朧気に思い出されてきた。前世から幼少くらいに近づいてきた。
しかし、おそらくは、何らかの摂動論の不具合のような技巧的な話ではなかっただろうか??で、本題。
--- 以下は略します ---