日々の雑感的なもの ― 田崎晴明

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茶色の文字で書いてある部分は、相当に細かい仕事の話なので、ふつうの読者の方は読み飛ばしてください。


2009/11/8(日)

Jona-Lasinio 週間がおわった。

1 日の夕方に Jona-Lasinio さんを東京駅に迎えに行き、今朝、日暮里まで送っていって京成スカイライナーに乗るのを見届けてきた。 ちょうど一週間の東京滞在。まったく顔をあわさなかったのは火曜日一日だけで、かなり長い時間をいっしょに過ごした。


夏に初めて Jona-Lasinio さんとお会いしてとても好印象を持ったことは既に書いた(8/7 の雑感)。 今回は、夏の京都とは比べものにならないほど、彼を知ることができたと思う。 その結果、やっぱり第一印象の通り、本当に威張らない気取らない誠実な素敵な人物であり、学者であると確信した。

会議の場でハイゼンベルクとパウリが互いにいじり合うのを目のあたりにし("they were always teasing each other" とおっしゃっていた)、ディラクとも食事をし(ただし、ディラクは一言もしゃべらず奥さんばかりがしゃべっていたらしい)、ご自身も南部さんとともに素粒子の全く新しい理解の道を開き、くりこみ群と確率論の関わりに誰よりも早く注目し・・・という超大物からすれば、ぼくらはほんとにただの雑魚のはずだ。 でも、そんなことは全く頭にも心にも浮かばないようだ。 偉そうにする素振りなど微塵もなく、一生懸命にぼくらの話を聞き、自分の仕事について語り、いっしょに「うううん」と悩んだり、冗談を言ったり、これ以上ないほどに対等な学者として接して議論してくれた。

ホテルのロビーで待ち合わせて一緒に食事や大学に向かうときなど、ぼくが完全に手ぶらで彼が重そうなリュックをしょっているので、当然ながら「持ちましょう」と言うのだが、頑として持たせてくれない。 「自分は鞄持ち(←イタリア語にも同じニュアンスの同じ言葉あるとおっしゃっていた)はいらない」と断言して、パソコンの入ったリュックをしょったまま、4 階までの階段をしっかりとした足取りで歩かれていた(初日と最終日に大荷物を運ぶときだけは、ぼくがトランクと大きな袋を運んだけれど、それでさえ、随分と抵抗された)。


「Jona-Lasinio 週間」の最大の山場は 4 日の一般向けの講演会だった。

この雑感の冒頭にも、

Jona-Lasinio さんによる特別講演会のお知らせ
Spontaneous symmetry breaking: some history and some variations on the theme
「対称性の自発的破れ:歴史、そして、主題からのいくつかの変奏」
(講演は英語ですが、簡単な通訳を(ぼくが)つけます)

2009 年 11 月 4 日(水)16 時 30 分より 学習院大学 西 5 号館地下教室にて

入場無料。予約は不要です。 ご興味を持ちそうな方に是非お知らせください。 メーリングリスト、掲示板、blog 等でお知らせいただければ幸いです。

という(大きな文字の)宣伝を載せたし、なんと毎日新聞にもかなり大きな記事を載せてもらった。

もとはといえば、Jona-Lasinio さんの学習院訪問のホストである谷島さんと「せっかく彼が来るだから、なんかやってもらいましょうよ」と立ち話をしたところから軽い気持で生まれた企画だった。 どうせやるならと思って、西 5 号館地下の大きな教室を予約した。 せっかくだから学生さんにも気楽に聞いてもらいたいので、ぼくが通訳をしようと決めた。

ここらへんまでは、なんか気楽にすいすいとやっていたのだが、期日が迫ってくると、少し気持が揺らいできた。 周りの人からも「え? あんな大きい部屋でやるんですか?」とか言われるし、「ブログで宣伝して!」とお願いした割に検索しても宣伝してくれているブログは一つか二つ、なんと mixi の「物理コミュニティ」なるところにまでイベントの宣伝を出したんだけどこっちも反応ゼロ。 こうなると急に弱気になってきて、ひょっとして、あんまり人が来ないんじゃなかろうかと徐々に不安になってくる。 講義でもせっせと宣伝してみんなに来るように、友達も誘ってくるように、お願いした。 Jona-Lasinio さんがやってきた月曜や火曜くらいは、不安がピークで、なんか訳の分からない講演会の夢を見て苦しんだりしていた。

でも、当日の水曜になると、開き直って気分もすっきりして来た。 いっしょにお昼を食べ、簡単に打ち合わせをしてから、「講演会の部屋を予約しようと思ったら、やたら小さい部屋と、あとは、やたら大きな部屋しか空いていなかったのです。」などと言い訳しながら会場に向かった。

[map] 会場に入ってみて、びっくり。 前の方にはよその大学から連れ立って来てくれた学生さんたちがびっしりと座っているし、江沢先生や猪木先生など懐かしい大先生のお顔も。 東京物理サークルの高校の先生たちもいらっしゃるし、その間も、後ろのドアからどんどんと人が入ってくる。 結局、大きな教室がさらりと埋まり、 四百数十人(主催者側発表(←誰も数えてない))が集まった。

講演は、Jona-Lasino さんが英語でまとまった分量を話したところで、ぼくが日本語で要約を入れるという「掛け合い漫才」方式。

こういう通訳をするのは既に三度目だし、この日の食事の後にスライドのファイルをもらい、講演会の前に時間をとってスライドの中身をざっと読んであった。 けっこう(というか、ものすごく)文字の多いスライドだったし、これだけ予習してあれば本番は問題ないだろうと高を括っていた。

が、始まってみると、彼は(特に、最初の慣れないうちは)長々と話すし、なんとスライドには全く書いていないことを客席に向かって延々と話したりするではないか。 通訳のぼくは、ちょっと焦りつつも、舞台の横で必死で聞き取りメモをとり(時には、横に座っていてもらった井田さんや、客席の江沢先生に助けてもらいつつ)まあ、なんとか通訳した。 客席の反応も良好で、面白い部分を通訳するとちゃんと笑いがおこっていた。

講演はけっこう長くなったけれど、みなさん最後まで熱心に聞いてくれた。 しかも、講演の後は、様々な層の人から次々といろいろな質問が出て、質疑応答も大いに盛り上がった。

というわけで、立ち話から始まったこの講演会は、大成功に終わったと思う。 Jona-Lasinio さんも、とても満足そうだった。

参加してくださったみなさん、ご協力してくださったみなさん(特に理学部事務室のみなさん)に心から感謝します。

当日のスライドのファイルは、 お知らせのページからダウンロードできます。
(右上の写真は東京物理サークルのこだまてるおさんにご提供いただきました。左の方で Mac の後ろにいるのがぼく。そのまた左にいるのが井田さん。)


ぼくは、この一週間のあいだ、折りを見ては非平衡系のことを議論したり、ぼくのいくつかの研究について黒板で説明したりと、かなりの時間を物理の議論に使ってもらった。

今回、特に議論しようということになっていたテーマは、彼らが構築している非平衡系の large deviation の理論とわれわれの SST(非平衡定常熱力学)との関連を見いだすことだった。 そのため、木曜の午前には小松さんが、金曜の午後からは中川さんと小松さんが合流して、延々と議論した。

今のところ、彼らの理論はきわめて強力だが物理的な操作とは結びつかず、ぼくらの理論は物理的に自然な(あるいは、自然に見える)操作と測定に基づいてはいるが今ひとつ情報が少ない。 両者の利点を組み合わせるような道がみつかれば素晴らしいのだが・・・・、ううむ。道は決して平坦ではない。

しかし、いろいろと考えるべき論点は出てきた。 また、彼らの理論については、(佐々さんに事前にレクチャーを受けたためにかなり理解が進んでいたとはいえ)直接いくつかのことを議論することで、ずっと見通しがよくなった。

「何か新しいアイディアがいるなあ。次に会って議論するときには解決するさ。」というのが、Jona-Lasinio さんの明快で力強いまとめだった。


ところで、この金曜日の議論には、当然、佐々さんも参加するはずだった。 というより、佐々さんこそが Jona-Lasinio らの理論をもっともきちんと理解しており、今回の議論の主役になるはずだったのだ。 Jona-Lasinio 週間を迎えるにあたって「歓迎プロジェクト」として、具体例で彼らの理論の計算をすべてやり直して、ぼくらにレクチャーしてくれたのも佐々さんだ。

佐々さんのブログをご覧の皆さんはご存知のように、ちょうど Jona-Lasinio さんが東京にいらっしゃったあたりから佐々さんの足の具合が悪くなり、この日も目白に来ることができなかったのだ。

(もちろん、ぼくらもだけど)Jona-Lasinio さんはとても残念がって、みんなでお昼を食べているときに「あとでシンイチに電話しよう」と言われた。 大学に戻ってお茶部屋から佐々さんのご自宅に電話をかける。 Jona-Lasinio さんに受話器を渡すと、「シンイチ、会えなくてとても残念だ。大丈夫かい?」と話している。 そのうち、しばし黙って話を聞いていたかたと思うと「いや、言っていることはわかる。しかし、あの 1/2 の因子はわれわれの輸送係数の定義から出てくるもので・・」と、電話越しに本格的な物理の議論。 やっぱ、佐々さんだ。

長電話のあと「シンイチは "My back is aching, but my brain is working very well!" と言ってたよ」とおっしゃる Jona-Lasinio さんは、少しうれしそうだった。 友人であることによるバイアスが少し入った判断かも知れないけれど、Jona-Lasinio さんは、佐々さんの本質をかなりちゃんと理解されていて、それで、佐々さんのことをかなり気に入っていらっしゃるのだ。


土曜の昼間は、Jona-Lasinio さんはお一人で東京観光。 村上春樹をかなり読まれているので、渋谷や新宿など、いくつかの地名には親しみがあるとおっしゃっていた。

夜は、(今週やたらと忙しかった)妻の全面協力を得て、我が家に夕食にお招きした。 予想とはちがう素敵な優しいおじいさんだというのが家族たちの感想。


そして、今日。

7 時前に起きて、8 時に目白のホテルで落ち合った。

特別に早起きさせて申し訳ないとしきりにおっしゃっていた。 せっかく早起きしたから、このあと大学にいって雑用をして、家に帰って、眠ければ昼寝をして、それで夕方にはプールに行くつもりですと答えた。 早起きすると、一日が長そうだ。

スカイライナーの待合室でも最後まで非平衡系について話をした。


そして、Jona-Lasinio さんに話したとおり、大学に行って、明日の講義の準備と、次の水曜から始まる大輪講の準備など。 家に帰って昼食をしてから少し昼寝。 夕方はプールに行って、ゆっくりと 1000 メートル。 週一回のペースを回復したので、息が上がることなく、きわめて快適に泳げる。

明日からは、なかなか忙しい一週間が始まる。


2009/11/16(月)

ぼくが、インターネットの新しい技術に対してさほど積極的でないことは今さら告白する必要もないだろう。

ブログなどは最初からなんじゃらほい状態で未だに html 直打ちの「テキスト系サイト(この日記のことだけど)」をやっているわけだし、Twitter とか面白みどころかそもそもあれが何なのかをほとんど理解していないし、あの Jona-Lasinio 先生も愛用しているという Skype でさえ見たことないという時代錯誤。 ま、YouTube は Perfume の昔の映像とか見るけど・・

そんなぼくが、かなり入れ込んで注目していて、相当に本気で期待しているの新技術があるのだ。いや、まじで。 ガチで。

Google が開発している Wave という新しいコミュニケーションのシステムである。 四十年前に「テキストを通常の郵便のように送り合う」という発想で生まれた電子メールのシステムを徹底的に見直し、現代の技術や知識の蓄積をフルに生かして、現代版の「電子メール」を開発したぞというのが売り文句(の一つ)である。

いくつかのデモを見て使ってみたいなあと思っていたところ、先日、知人から招待してもらったので(まだ未完成版ではあるのだが)少しいじり始めている(まだ完全公開はされていなくて、使っている人から招待された人が試しに使うという形になっている。ぼくは未だ招待枠をもらっていませんし、もしもらった場合の使い方も考えてあるので、申し訳ありませんが、招待希望のメールをいただいてもお応えできません)。 その程度の接し方での感想だが、これは(少なくともユーザーの側からみる限りは)期待通りのかなりの優れもので、うまくすれば大いに普及する気がする。 というより、もっと正確かつ正直にいえば、安定して動くようになって、みんなが使うようになってくれれば、いくつかの仕事の能率が圧倒的に上がるだろうなあと考えているのだ。

以下、(デモのビデオなどに出てくることだが)ぼくなりに期待していることをまとめておこう。


たとえば、ごくごく普通に、誰かと一対一で何らかのテーマについて電子メールをやりとりしていることを考えよう。 郵便に比べれば早いし、相手が世界のどこにいても変わらないし、職場でも家でも出先でもネットにつながれば議論が継続できるし、激烈に便利なシステムであることは言うまでもない。

それでも不便なことはある。

議論が長く続いてメールの数も増え、しかも、ちょっと他のことが忙しくてブランクが空いたりすると、いったい何をどこまで話したか分からなくなることがある。 ある論点を実際に書いたのか、書こうと思って考えていてやめたのか、混乱してしまうことも多い。 そういうときは、保存されている一連の議論のメールを全部読めばいいわけだが、これは言うほど楽ではない。 通信相手とか subject とかでメールをより分けて順に見ていくわけだが、見落としもでるし、一つ一つのメールを順に開いて読んでいくのは苦痛だ(Gmail には同じ subject のメールを自動的にスレッド化する機能があって便利だが、それでも限界がある)。

議論の途中で、前のほうに出てきた話に言及したいときも、やっぱり古いメールを次々と読んでいって、該当箇所を捜さなくていはいけない。 そこをみつけて、引用して reply するわけだが、そのメールを受け取ったほうも、昔の話を思い出す必要があるので、やっぱり古いメールを捜して苦労することになる。

極めつけは、別の誰かにもこの議論に参加してもらおうということになった時だ。 ぼくも何回かやったことがあるけど、それまでの主要なメールを(まず発掘して)整理して切り貼りして順番に読んで理解できるようにして、背景の解説とかもつけて、それで新しい参加者に送る。 これは相当に面倒な作業である。 そして、たいていは漏れていたメールや論点があって、第三のメンバーが「しかし、・・・・はどうなっているのか?」と質問してきて、「あ、すみません。それは前に既に説明していたんですが・・・」と二度手間の説明をすることになる。


Wave だと、この一連の流れは、はるかにスムーズになる。

Wave の場合も、メールと同じように、自分の要件を書いたもの(これを wave と呼ぶ)を相手に送るのだけれど、相手のほうは(別のメールを書くのではなく)同じ wave の上に自分の返答を書く。 以降、二人でやりとりしながら、一つの wave にどんどんと書き込んでいくのだ。 こうして、一連のやりとりは(複数のメールに分散してしまうことなく)「一枚の紙(wave)」にまとめられることになる。

実は、書き込みは二人で交互におこなう必要もない。 二人が同時に同じ wave に書き込むこともできる。 そのときには、なんと、相手のがタイプしている文字がリアルタイムで画面上に見えるのだ(日本語の場合は仮名漢字変換が終わった時点で表示される)!  これは、すさまじく高度な技術なのだと思うが、使っているほうとしては妙に楽しい。体験してみると快感である。 掲示板やメールで、お互いにほぼ同時に書いていて、完全にすれ違いで送信しあうことがかなりの頻度であるけれど、Wave ならそういうことも決して生じない。

さらに、wave は単なるメール以上に自由に編集できる。 単に相手の発言の後ろに自分の発言を付け加えていくだけではなく、前のほうに戻って、相手の発言にコメントや返答をいれることもできる。 あるいは、自分が前に書いた部分ばかりでなく、相手が前に書いた部分をも修正して書き直すことさえできるのだ。

それでは前に書いたのを消されたりして困るではないかと思うわけだが、Wave には playback という強力な機能があり、その wave の過去の完璧な履歴を「巻き戻して」みることができるのだ!  これは圧巻。

というわけで、二人のあいだでのやりとりだけを考えても、Wave を使えば、きれいに整理された対話の記録が作れることになる。

三人目の参加者を加えるのも簡単。 単に、該当する wave にその人を付け加えるだけでいい。 すると、その人は、きれいに整理されたやりとりを最初から読むことができるし、もし必要を感じたら、playback を利用して、議論がどのように進んだかを完全に把握することもできる。 そして、一連の議論のうちの、好きな部分に自分のコメントや意見を書くことができるというわけだ。

便利そうでしょ?


電子メールが不便な別の(そして切実な)例。

仕事でも遊びでも、何人かの人たちで、会合の日程を決めようと相談するということは実によくある。 その場合、主催者が全員に「候補の時間帯は以下の通りなので、都合の悪いところに印をつけて返信してください」というメールを送る。

これに対して、メンバーが次々と返信メールを送り、学科主任が、じゃなくて、主催者がそれを集計していっていつがいいかを判断することになる。 しかし、この集計はけっこう面倒な作業だ。個々のメールで個々の人の回答が届くから、メールの受信フォルダーに入れたままではすぐにわけがわからなくなってしまう。 けっきょく、せっかく電子メールを使っているのに、紙とかにみんなのスケジュールをメモしておくことになるわけだ(そして、そのメモを紛失したり、家や大学に置き忘れたりする。必ずする)。

さらには、「来るはずだったドイツ人のお客さんが来ないことになり、かわりに科研費の会議が急に入ったので、やっぱり・・・」とか後から言ってくる人が必ず現れるし、「23 日は、やや都合が悪い程度なので、他の皆さんの状況によってはその日でもいいのだけれど皆さんの状況はどうでしたっけ?」とか相談してくる人もいるだろう。 大変でござる。


Wave の場合なら、会合の内容と候補日を書いた wave を一枚つくって、全員に送るだけ。 それぞれのメンバーは自分の都合や希望や感触をどんどん書き入れればよい。 主任でなくても全員が同時に最新の動向を見ることができる。

つまり、これは郵便よりは一枚の紙にみんなが書き込む回覧板の思想。 ただし、次々と回していく必要もなく、全員が同時に書き込んだり見たりできる。

主任としても、メモを大学に置き忘れることを心配しないでも、家から Wave を見れば皆さんの回答が読める。 で、最終的に会合の日程を決めたら、同じ wave で宣言すればいいわけだ。

便利すぎ。


言うまでもないだろうが、ぼくが最も切実に考えているのは、複数の共同研究者のあいだでの研究についての議論のことだ。

ぼくの、現在進行中の(主として二つの)共同研究は、すべて電子メールでの議論や結果の報告を中心にして進んでいる(といっても、やはり直接に出会って生身で議論するのは圧倒的に重要なのだけれど)。 遠方にいる人とは郵便をやりとりして共同研究していた時代を思えば、信じられないほどの便利さである。 便利さなのではあるが、しかし --- 嗚呼、人間とはなんと我が儘な存在なのだろう --- やっぱり、イライラするほど不便なことも多い。

基本的には、上で「一対一の議論」について書いたのと同じことだ。 ただし、参加者が多くなることで不便さが増幅されるし、新たな悩みも出てくる。 たとえば、「reply all」を使って全員に返信しているつもりが、時々、誰かが漏れていて一部の人だけにしかメールが届かないという不手際は、ものすごい頻度で発生する。 これがおきると、収拾するのは相当に面倒になる(というか、完璧な収拾は実質的に不可能)。 また、一対一との大きな違いは、一時的に忙しかったり体調が悪かったりで議論から離脱していても、他の人たちのあいだでどんどんど議論が進んでしまうということだ。 そうなると、復帰したときに、自分がまったく関与しなかった一連のメールを発掘して、順番に読んでいかなくてはならない。 活発に議論している人たちは、いろいろなことにピントがあったまま、古いメールにも言及しつつ、ばんばんと話を進めているので、その文脈を理解し、なおかつ議論されている物理の中身も理解する必要がある。 実はぼくはごく最近、何度かこれを体験しているのだが、想像以上に大変な仕事なのである。


これが Wave を使って大幅に改善できるんじゃないか --- というのが、今、ぼくの頭を占めていること。

言うまでもないけれど、いい道具があるだけで優れた研究ができるわけじゃない。 ただ、一生懸命に研究を進めようというとき、よい道具があって、能率的に意思疎通やアイディアの交換ができれば、すごくうれしい。 無駄なところに時間とエネルギーを消耗せず、研究に多くの力を割くことができる。

また、(wiki など既存のシステムの利点と欠点を踏まえた上で)共同で一つの文章を作成するというのも Wave の標準の使い方として想定されている。 論文を共同執筆することが多いぼくらにとっても他人事ではない。

もちろん、数式が(今のところは)打てないことなど、問題点は少なくない。 しかし、ぼくらの本業を Wave で能率化するというのは、真摯に追求すべき課題だと考えているのだ。


「一対一の議論」にせよ「会合のスケジュール合わせ」にしろ、肝心要の「インターネットを介した共同研究者間の議論」にせよ、すべて、特定の相手があってやることばかりだ。 自分がまさに仕事をしたいその相手が Wave に登録していて、かつ、頻繁にチェックしている環境がなければ、まったく意味がない(ちなみに、公開になっていて誰でも書ける wave というのもあるけれど、これは web 掲示板よりも見づらいし、ほとんど存在意義を感じない)

これは自明な点だが、本質的に深刻な課題かも知れない。 すでに電子メールで十二分に便利だと感じている人たちに、敢えて新しいシステムを使ってもらうには、それなりに大きくて分かりやすいメリットや魅力が必要だろう。 「互いのタイピングがリアルタイムで見えるよ!」というのが、そういう魅力になるとはちょっと考えにくいよね。

また、あくまで一企業である Google 社に依存してしまってよいかという(繰り返される)論点もある。 (ただし、Wave の場合は、技術が公開されていて、他の人が Wave のサーバーを立ち上げることもできるらしい。) 今のところ、Wave にいったん書いたものは決して消せない仕様になっているそうで、これに恐怖を感じる人もいるだろう(実は、インターネットっていうのは基本的にそういうものなのだけど)

というわけで、この先まったくどうなるかは分からないのだけれど、ぼく個人としては、Wave が普及することを当面は本気で願って・信じていこうと思っているのだ(とはいえ、「短い会議の通知を MS Word で書きファイルを添付してメールで送る」という「文化」が定着している世界が Wave に変わっていくことは、ほとんど想像できないわけだが・・・・・)


言わずもがなの付け足し: 「既存の仕事を Wave を用いて能率化する話ばかりで、Wave を使って初めてできる新しいことを語っていない。夢のない奴だ」と思われるかもしれない。 まったく、その通りである。

もちろん、新しい環境や新しい道具から真に新しくて意味のある文化が生まれてくることがあるのは、理解しているつもり。 でも、そういうのは一朝一夕に出てくるものじゃない。 新しい環境に人びとが根付いて本格的に活動を続けていき、そこから、徐々に新しい何かが時間をかけて育ってくるのだと思う。 文化っていうのは、そういう気の長いものだ。 そういう意味で、テキスト系 web 日記だって、 web 掲示板だって、まだまだこれからだと思う。 新しい文化の担い手になる可能性は十分にあるとぼくは信じている(日本でブログが広まり始めた頃に「ブログを使えば新しいコミュニケーションや文化が生まれる」とか言ってた人はマジで馬鹿だと思う。)

だから、Wave という新しい環境が生まれたからと言って、無理に新しいことをしようと思わなくてもいいのだ。 特に、Wave の場合は(勝手にぼくが言っているだけのことなので、あまり本気にしないでほしいけれど)「今やりたいことがあってバリバリと仕事をしていて、本当にやりたいことを効率的にすすめたいと切望している人」を想定して作られているような気がする。 要するに開発者自身がそういう人たちで、自分たちの今後の仕事にとってもっとも便利なものを作っているんじゃなかろうか?  そういう意味でも、ともかく既存の自分の仕事に使うんだいう態度でいいと思っているわけです。


というわけで、いくつかのリンク。

About Google Wave(本家だけど、そんな読みやすくはない)


以下は、すご〜く長いデモのビデオ。 ぼくは、面白かったので(もろに開発者用の部分は見なかったが)かなりの部分を見てしまった。 英語のプレゼンテーションの勉強にもなるし(Steve Jobs みたいに神がかってはいないので、かえって参考になる)。


これは、上のビデオを 10 分に縮めたやつ。かえって分かりにくいかも。


これは、割と淡々とした解説ビデオ。


これは、ぼくが上で「一対一の場合」のところで書いた内容に近いことをアニメで解説したもの。 こういうところで発揮される、アメリカ人の説明・宣伝センスには、やっぱり脱帽。


2009/11/17(火)

今日は、Herbert Spohn さんをお迎えして、以下のセミナー。

冷たい雨が激しく降る 12 月並の寒い日にもかかわらず、多くの人に参加していただいた。ありがとうございます。

第 1 回統計物理学フォーラムのお知らせ
Herbert Spohn (Technische Universitat Munchen)
Scaling behavior of one-dimensional growth processes
2009年 11月 17日(火) 17:00より 学習院大学 南 3 号館 103 教室
Herbert Spohn さんは、もっともすぐれた現役の数理物理学者の一人です。 研究分野は驚くほど幅広いですが、特に、物理のサイドから見ると、非平衡系の研究ではきわめて非自明で強力な結果を数多く出しています。 Spohn さんは、しばらく九州大学に滞在されていおり、東京にも一週間弱いらっしゃるので、この機会に、物理学コミュニティー向けのセミナーをお願いしました。
これは、長らく凍結されていた(?)「統計物理学フォーラム」の第一回ともなります。 多くのみなさんのご来聴を歓迎します。 アブストラクトは、リンク先をご覧ください。
Herbert とは、2 月の確率論の国際会議(2/19 の雑感)で会って議論しているので、それほど「久しぶり感」はない。 非平衡定常系の問題については前回も議論し、その後もメールもやりとりしたので、今回は歩きながら飲みながらの雑談程度。

今回の主要な話題は、セミナーのテーマでもある界面成長や結晶の平衡形など。 きわめて高度な技術を要する数理物理の研究だが、物理としてきわめて非自明で面白いところに手が届いていると思う(しかし、難しいが)。 セミナーの前に、Herbert と笹本さんといっしょに、佐野研にお邪魔して竹内さんの液晶の実験を見せてもらったのは(いくつかの個人的な理由もあって、心に残る)実に愉しいイベントだった。


2009/11/26(木)

またしてもバタバタと日々が過ぎて、今は福岡に向かう飛行機の中。

昨夜も遅く今朝は早起きだったので搭乗するなり眠りに落ちた。 しばらくして、後ろの席で「わあ、きれい、すごい」という女の子の声がするので、窓を開けてみるとちょうど視界前方に富士山が入ってきたところだった。 きれいに雪をかぶり、一部だけを雲に覆われた、実に素晴らしい富士山の眺めだ。 とても天気がよいので周囲の平野や遠くの海もきれいに見える。

ううん。窓際にしてよかった。


その後も時々窓の外を眺めなたりしながらだいたいは眠って過ごし、飲み物が回ってきたあたりで目を覚まして、今日の発表のスライドをチェックしたところだ。 なにせ、今週も忙しかったから、かなり前から一生懸命スライド作りをしていたのだ(Spohn が来たときに、まったく準備ができていなくて大変だと話していたのを覚えている)。 前半は昔使った部分の再利用が多いが、後半はほとんど新しく作ったもので、けっこう気に入っている。

さて、これから出る会議は、

国際研究集会:数学的場の量子論とくりこみ理論
2009 年 11 月 26 日〜 29 日、九州大学西新プラザ
なんと今年四つ目の国際会議(すべて国内だけど)。 ぼくの講演は初日の最初です。 この前の学会で田中さんが話した金属強磁性に関する(論文未発表の)仕事を中心にハバード模型について話します。
今回話すハバードの仕事の中心になる部分は実はかなり昔にやったもので、最近、田中さんと再吟味しているのだ。 講演のため証明を再検討して、色々と言葉に焼き直していくと、ごく自然に、考えるべき課題、やってみるべき小さな計算、証明すべきささやかな技術的予想などが出てくる。 パズル解きの感覚なのだが、楽しい。好きだ。

さて、ぼくは今回は会議の一人目の講演者だ。今日の午後に話す。

前日にホテルの部屋で練習ができないので、昨日と一昨日は家で大声で発表練習をやっていた。 福岡に着くまで、もう一回、スライドを見直そう。 ここで大声で練習するわけにはいかないので密かに口の中でぶつぶつと練習。


福岡に着いた後は、予定通り、(「正しい街」をひたすらリピートして聴きつつ)ホテルにチェックインし、博多駅近辺でラーメンを食べ、会場へ。 予定通り(始点と終点それぞれで)少しだけ迷ったが、ちゃんと到着。 主役の伊東さん、小嶋さんをはじめ、懐かしい顔が多数。 講演も、まあ、ちゃんとやった。 他の講演も聴いた。Spohn の話はさすがにすごい。彼の講演を聞くのは今年だけで三回目だが、すべて異なった話というだけでなく、すべて異なったジャンルの(しかもトップクラスの)話なので、全く脱帽のきわみ(一応、ぼくも彼の前で二回話をしたわけだが、それも、まったく異なるジャンルではあった)

夜は原と二人で旨い魚を食べ色々とつもる話などを。もちろん、共著の本のことも大いに。


日記にトップに署名の呼びかけへのリンクをはっていたのだが、このオンライン署名そのものは打ち切られているので、トップからは削除。

消してしまうと、こういうことを書いていたことが残らないので、以下、記録として残しておこう。

科学研究費補助金の一部の執行停止に対する反対署名
【今は署名は打ち切られ、次の段階への移行を検討中のようです】 ぼく自身は、基礎科学の研究は人類の文化の主要部分であり、ある程度の経済的余裕のある国家には(国家の利害とはまったく別の次元で)基礎科学研究を支援する義務があると考えています。 そういう意味で「科学技術立国」を全面に出した趣旨には少し違和感を覚えます(とはいえ、世間へのアピールを考えればそういう主張が妥当なのかも知れません)。 また、若手 S のような特別枠を減らすといった配分の見直しだけが(適切な議論を経て)行なわれるならそれにも問題はないと思います(その意味で署名の主張の 2 には必ずしも賛同しているわけではない)。 ただ、今回の流れは、文句が出なさそうなところから減らしていき、けっきょくは総額を減らす(当面は、総額の増加率を抑える程度のようだけれど)という方向を指していると判断したので(やや近似的な「総論賛成」ではありますが)今後の議論を活性化する効果も考えて署名しました(たとえば、こちらにある文部科学副大臣の会見を参照。)。

2009/11/27(金)

研究会二日目。今日もちゃんと聴いた。

研究会の後は、伊東さんと小嶋さんの還暦を祝うパーティー。 会場は、こぎれいな未来都市のような埋め立て地にたった豪華で派手なホテル。こういう感じは実はけっこう好きなのである。

ぼくは、午後のセッションでは座長をやり、また、パーティーではお祝いのスピーチをした。 こういうのはもちろん不得意ではないし嫌いでもないのだが、それでも(あるいは、それだからかもしれない)緊張する。 短いスピーチだが、構成を考え、要点を書き出し、それをさらに別の紙に書き直し、パーティーが始まる直前の会場の隅っこで、ぼそぼそと予行演習を繰り返した。

パーティーは、原の適度にフォーマルで適度にゆるんだ司会で進められ、実によい雰囲気だった。 四つのお祝いのスピーチもちょうどよい分量だったし、最後の、伊東さんと小嶋さんのお二人のスピーチもそれぞれの個性が前面に出た素敵なものになった。

企画を進められた、松井さん、廣島さん、原さんはさぞ疲れたことだろうが、これだけの成功に終わったのだから十分に報われたと思う。お疲れ様でした。


ところで、ぼくは自分のスピーチの途中でも「自分自身は 23 歳くらいの感じがすること多い」と語ってまわりの顰蹙(ひんしゅく)を買っていたわけだが、パーティーの後、ぼく一人が「じゃ、次はカラオケ行こうよ!」と騒いでいて周りの人たちが誰も同調してくれなかったという事実をみると、ぼくの主張はあながち過剰ではないと言っていいのではありますまいか?
2009/11/28(土)

研究会三日目。

夜も寝付きが悪かったのだが、不思議と 7 時前に目が覚めてしまった。 そのままベッドにいようかとも考えたが、思い立って、起き出す。

研究会が始まる 10 時よりも 2 時間前の 8 時には、地下鉄の藤崎の駅に到着。 会場の最寄り駅よりは一つ先だ。

そこから川沿いに海まで歩き、海岸沿いに歩いたあと、もう一つの川沿いに歩いて会場まで行こうという計画。 一時間強の散歩になるはずだ。

椎名林檎ファンには言うまでもないことだし、ファンでない人は何とも思わないだろうから書いても意味がないんだが、これは林檎ファンとしての聖地巡礼の旅なのだ。 最初の川は途中から室見川と合流するし、道の途中には(林檎さんが出た)百道中学があり、海岸は百道浜で、そのあたりは海浜公園でもある。

[map] 重度の方向音痴のぼくがこんな大がかりな散歩に挑戦するのは無謀と思われるだろう。 しかし、右の地図を見ていただくとわかるのだが(A というところが会場)、これは、ほぼ一貫して川や海に沿って歩くだけのコースであり、ある意味で、本来は二次元問題である散歩が、完璧な一次元問題に還元されている状況と言ってよい(おまけに、百道浜までの道は、何年か前に原に案内してもらって歩いたのだ)。 間違いを犯す可能性があるのは、初期速度つまり駅を歩き出す方向だけだったが、これについては、徹底的に地図を検討し、方向を何度も何度も確認して事なきを得た(実は、初日は地下鉄の駅を降りたところで完璧に 180 度方向を間違えてしまったのだ。地図をもってうろうろした後、通りかかった人に地図を見せて現在地を教えてもらった。その人はしばらく怪訝そうに地図を見た後、それをクルリと 180 度回転させてから、ぼくがどこにいるかを教えてくれた)

埋め立て地の海岸は驚くほどきれいで「生活感」がない。 穏やかな海、豪華なマリンハウス、そびえ立つ近代的なビルやタワーを眺めながら iPod で「正しい街」をリピートして聴きながら歩いていく。 痛いファンだなあと思うだろうが、まあ、そうですね。すみません。

結局、十分に時間があったので、昨日のパーティーのあったシーホークホテルやヤフースタジアムのあたりも歩いてから、会場へ向かう。 それでも会場へは一番乗りだった。


2009/11/29(日)

研究会最終日。

午前には渡辺さん、午後には原さんと、二人の物理学科の同級生が話をした。

渡辺の話を聞くのは二回目だが、前回のレビュー的な講演より、今回の、ご自分の仕事を中心にした話の方が面白かったと思う。 きわめて丁寧に準備された発表で、講演も明快きわまりなかった。

原の講演。結果についてはそれなりに理解しているつもりだが(しかし、ぼくが大昔に一発芸的に証明したパーコレーションの定理をいつまでも引用してもらえるのはお恥ずかしい)、証明手法である lace expansion についても、最近になってようやく少しずつ(雰囲気が、だけど)わかるようになってきた気がする(おまえもやれと言われてもできないだろうが)

しかし、こういうテーマ(高次元での臨界現象)について、伊東敬一さんや Erhard Seiler のいるところで、くりこみ群との融合の可能性や φ44 triviality などにまで話題を広げながら議論していると、学生時代にこのあたりの問題を一生懸命に追いかけていた頃をありありと思い出す。 二十年以上が経って、全く理解が進まない部分もあるが、驚くほど進んだ(原たちが進めた)部分もある。 後者の新たな発展についていえば、だいたい二十年くらいの(原たちの)精力的な研究の結果、ようやく風景がはっきり見えてきたところか。 そろそろ次の質的に新しい発展が現れてもおかしくない時期なのかも知れない --- と原と話す。

最後の Seiler の講演は面白かった。 これもまた昔懐かしい古典スピン型+場の量子論の世界での、少しエキゾチックな話題だった。 Seiler の名前は学生時代からよく知っていたが、不思議なことに、直接会うのは今回が初めてだった。


今日は田中さんも会場に顔を出して下さった。

短い時間だったが、いっしょに昼食を食べ、また、研究会がおわって飛行場に向かうまでのわずかな時間に、ハバード模型に関する共同研究について議論。 今回講演した内容に関連して、具体的に考えるべき課題を二つほど煮詰めることができた。 というか、そのうちの一つは、喫茶店で話しているあいだにほぼ定理に昇格したと思っている。


というわけで、四日間の研究会はすべて終わり、今は再び飛行機のなか。

外は真っ暗なので富士山も何も見えないが、少なくとも、離陸の際に見た福岡の街の夜景は素晴らしかった。

今回の研究会はかなりテーマが広く、また、講演の質にも多少ムラがあったが、ぼくとしては耳学問の幅を一気に広げるちょうどよい機会だった。 とくに、非相対論的 QED とその関連分野の様子と問題意識がかなりしっかりと分かった気になったのは、大きな収穫だ。 いつものことながら、主催者のみなさんには大いに感謝したい。

いつものことだが、初日から最終日まで全ての講演を前から二番目の座席で聴いた。 ぼくがもっとも質問・コメントを多くした参加者だったのも、いつもの通り。

さすがに疲れたが、明日はさっそく講義だ。がんばろう。

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田崎晴明
学習院大学理学部物理学教室
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