茶色の文字で書いてある部分は、相当に細かい仕事の話なので、ふつうの読者の方は読み飛ばしてください。
5 月前半
よし、やるぞ、元気だ。快調だ。
教育:「現代物理」を含めた三つの講義の準備、「量子力学 2」の講義ノートの作成、いろいろあるけれど、どれもピントがあっている。 「現代物理」はかなり先まで見通すことができた。これは楽しい。
研究 1: 4 月の終わりにできた新しい定理を含めた結果をしっかりとまとめて、論文にしていく作業。 「本当の物理」とのつながりは未だ不完全だが、これは、ずっと考えずにいた時間スケールの問題に本格的に向かうための重要なステップだと思う。うれしい。 前の短い論文を本格的な長い論文にする作業も進めるぞ。
研究 2: 正月に熱川の温泉に浸かっているときに着想を得てその後一気に進めた boson 系の論文(2/28 の日記)の一回目のレフェリーレポートはきわめて好感触。 これを逃す手はないので、慎重に書き直し、丁寧な返答を書く。 この最後の一押しで、難なく Phys. Rev. Lett. に掲載が決まった。 軽い仕事ではあるけれど、正統な問題にピタリとはまるアプローチができたのは大変にうれしい。
一般向け情報発信: 今月も放射線についての一般向けの講演がある。 二年以上が経過した今、さまざまな測定データもそろってきた時点で、重要な情報を整理しつつ、ぼくなりに現状の見通しを立てる。 そして、これから先、ぼくに何かできること・すべきことがあるのか、落ち着いて考える。
その他: 国際会議の準備をいろいろ。科研費の使い方を事務に教わり、ポスターのデザインを相談し、いろいろな方針を相談し・・・。目まぐるしいが、本番はもうそろそろだ。
自分でも驚くほど能率的。 頭を使うテーマを切り替えると、ほとんど即座に新しい課題に全集中して最大の能率で仕事ができる。 夜のあいだに二つ三つと仕事をするのだが、ほとんど時間のロスがなく仕事ができる。 ついに、この年齢になって、複数の仕事をパラレルに能率的にこなす能力が身についたのかも知れない。 ま、まだ研究への埋没の仕方が足りないからかな? いずれにせよ、これは、うれしいぞ。がんばろう。
あれ? なんか調子でないなあ。朝から腰も普段より痛い。 講義で板書しようとすると、ちょっち肩が痛くて腕がうまく上がらない。ま、書けるんだけどイマイチだなあ。
これって、五十肩っていう奴か?
そうそう。むかし、妻に「それ、五十肩よ」って言われて「おれは五十代じゃない!」って騒いでいたのも遠い昔だよなあ(2003/1/21 の日記)。きっちり堂々の五十代になっている私であった。
やっぱり、18 日の「朝日カルチャーセンター千葉」での講演がストレスになっているのだろうか? いや、しかし、そんな甘えたことを言ってる暇はないぞ。元気なんだから、どんどん仕事だ。
しばらく風邪の兆候らしきものはあったのだが、気力で発症を抑えていたにちがいない。 18 日の講演会では(確かに、少し精度が悪かったが)それなりに元気に話したし、その後の(きわめて有意義だった)「関係者」での相談会(お茶会)でもしっかりとしていた。 千葉から家に帰ったあたりで崩れ始め、翌日の日曜日は、クシャミ鼻水咳など風邪の諸症状と闘いながらひたすら寝た。 月曜の「現代物理」のノートを寝床で復習し、まわらない頭でトークを考え、ただただ回復を目指して寝続けた。
普段なら、これでなんとか回復するところだったのだが、しない。 気分が悪く、色々と考えていると無力感がばかりが先行して自己嫌悪に陥る。辛い。 それでもひたすら寝る。
そして、夕食に起きて二階に行って熱を測ると、9 度近い熱。 やれやれ、苦しいわけだ。食欲があるのが救いだが、これではさすがに出講は無理。駒場には休講の通知を出し、Twitter で休講情報を流す。
月曜(20 日)は朝一番で医者に行き、薬をのんで、あとはひたすら寝る。食事をした以外はただただ寝る。 自分でも信じられないくらいずっと眠って過ごした。
火曜日(21 日)、午後からゆっくりと復活。ふらふらと大学へ行き、国際会議のポスターを印刷。
水曜日(22 日)。再びハード。朝は量子力学の講義。珍しくマイクをもって。そして、居室に戻ってできるだけ休息を取り、夕方から、立教でのセミナー。 Komatsu-Nakagawa-Sasa-Tasaki の SST の話。国内でこのあたりをまとまった話すのは初めてか。 疲労困憊して帰宅して寝る。
木曜(23 日)は休息しがら雑用をこなす。 Physical Review Letters の校正が前から来ていたのを無視していたら催促されたので、適当に、単数と複数をなおして、あとはこのままでいいですとか書いて送ったら、ちゃんと質問に答えろという返事が速攻できてしまった。やれやれ。ちゃんと呼んでないのがばれている。
金曜日(24 日)は講義とゼミ。今年の田崎ゼミの気合いの入り方はすごいが、今日はいよいよすごい。 2 時に始まり、わずかな休憩をはさんで、7 時を大幅に過ぎるまで。ひたすら計算し問題を解くセッションだ。とくに S 君はこの日だけでどれだけの計算を板書したことか。 まだまだ本調子ではないのでもちろん疲労困憊。
この土日はなるべく休息を取りつつ月曜以降の準備をして過ごす。 実は明日 27 日からの週もかなりハードで、基本的に休みがない。28 日には再び放射線関連で遠出をする。
是非、最後まで乗り切って、また 6 月は元気いっぱいで過ごしたいものである。みなさま、是非とも応援をよろしくお願いします。
椎名林檎さま、メジャーデビュー 15 周年おめでとうございます。
で、今日からの目標は、「疲れすぎない、疲れを次の日に残さない」である。まったく小学生っぽくない、おっさんならではの目標だが。
なるべくゆっくりと休んで、夕方から夜は、ひたすら各種のメール書き。 日本語、英語交えて、何通書いたことやら。 いや、しかし、疲れすぎないよう、休み休み、控えめに。
ちょうど 15 周年の日に発売された林檎ちゃんの新しい CD 『いろはにほへと / 孤独のあかつき』を謹んで聴く。
『いろはにほへと』は林檎ちゃん得意のちょっとレトロな切ないメロディが特徴的な名曲。A メロ、B メロともに秀逸で十分に堪能できるんだけど、さらに、このちょっと意外な(林檎風というよりも東京事変風の?)C メロ(って言うのかな?)もサービス満点。 なんと言っても、やっぱり、ねちっこく色っぽく可愛い林檎ちゃんの声がよい。泣ける。
『孤独のあかつき』は軽やかな目なポップロック路線か。 この方向性だと、やっぱり、ちょっと前のシングルの『自由へ道連れ』がよかったよなあと思って、つい、そっちも聴いてしまう。 嗚呼、ライブでギターをもって『自由へ道連れ』を歌う林檎ちゃんの姿を見てみたい、声を聴いてみたい。
「疲れすぎない、疲れを次の日に残さない」を守るためにも、早々に寝よう。
おやすみなさい。