第5刷の改訂 [10.03.2012]
2012年1月27日に郁文堂から在庫が僅少になったから、 第5刷を出すという知らせを受けました。 この機会に、たまった小さな修正をすることになりました(第2版を作るという話は、残念ながら出ていません)。 以下に今回修正を加えた10箇所を列挙しておきます。以下の第2刷以降に気がついたもの4点、 並びに、Tee vs. Ocha [30/01/2012] を含みます。
1.
S.37 Z.11
wärend に対する英語の対応表現として
while が載っているが、これをduringに訂正。
理由: 前置詞として考えると、during が対応表現としてふさわしいから。
2.
S.47 練習問題 1.
選択する対象となる形容詞が四角で囲まれているが、この中に、形容詞
heiß を追加。warm を削除。
理由: 2)の正解は、heiß 以外に考えられないから。
詳細は、Tee vs. Ocha [30/01/2012] を参照。
3.
S.52 練習問題 1. 3)
Wegen der Depression ... となっているが、
Wegen der Depression ... を
Wegen der Wirtschaftskrise ... に変更。
理由: 「不況」の意味で、Depressionを使うのは、
やや古風な用法となりつつあるので。
4.
S.63 練習問題 1. の設問
「カッコ内に適切な完了形の助動詞を入れ」の部分の「完了形」を「完了」に訂正。
理由:「完了形の助動詞」というと、違う意味になってしまうから。
5.
S.67 Z.2
anerkennenan となっている部分を、
anerkennen に訂正。
理由: なぜか、動詞の後ろに、anがくっつき、
存在しない単語になっていたので、正しい形に改める。
6.
S.67 Z.12-14 ☞(2)
kennenlernenの扱いに関して、正書法部分改訂により、
当初、kennen lernen と分かち書きすることになっていたものが、
kennenlernen と旧正書法の書き方も認められるように変更されていました。
具体的に言うと、
Duden: Die deutsche Rechtschreibung 23. Aufl. (2004: 538)
では、分かち書きのみを認めていましたが、
Duden: Die deutsche Rechtschreibung 24. Aufl. (2006: 572)
では、お勧めの書き方として、
kennenlernen の方を選択しています(分かち書きしても、
間違いではない、というスタンスです)。
旧正書法での「動詞+動詞の形の分離動詞」の新正書法での扱いは、
かなり混乱しています(気になる方は、たとえば
Duden: Die deutsche Rechtschreibung 24. Aufl. (2006) で、
S. 937 の sitzen bleiben や、
S.950 の spazieren を比べて下さい)。
困ったものです。詳細には立ち入れないので、
以下のような変更にとどめました(この説明の仕方にも、まだ不満が残っています)。
追加変更部分にアンダーラインを引いています。
旧:旧正書法では,動詞+動詞の形の分離動詞もありました。
新聖書法では、分かち書きするようになり,
kennen lernen「知り合いになる」,
spazieren gehen「散歩に行く」,
sitzen bleiben「座っている;落第する」
のように書きます。
新:旧正書法では,動詞+動詞の形の分離動詞もありました。
新聖書法では、原則的に分かち書きするようになり,
spazieren gehen「散歩に行く」,
sitzen bleiben「座っている;落第する」
のように書きます。
ただし kennenlernen「知り合いになる」
は,分かち書きしなくてもよいことになっています。
7.
S.78 Z.15
... einen neunen Computer ... となっているが、
neunen ではなく、neuenと訂正。
理由: スペリング・ミス。タイポ。
8.
S.83 練習問題 2.
5) Der Tag ist der 21. Dezember. [kurz]
となっているが、冬至は、太陽暦では、12月21日、あるいは、12月22日になる。
そこで、上記の文は、
5) Der
Tag ist
entweder
der 21.
oder
der 22. Dezember. [kurz]
のように訂正。
理由:事実に反する記述だったため。
9.
S.90 Z.4 von unten
wer (= those who) となっているが、
この部分を、wer (= anyone who) に訂正。
理由:「...する人ならどんな人でも」という意味を表す英語表現としては、
those who より、anyone who の方が適切な対応表現なので。
10.
S.115 Z.8
(14) Das ist aber neu. を
(14) Das ist mir aber neu. へ変更。
理由:これは、間違っていたから訂正した訳ではありません。
実は、教師用参考資料の中で、「それは知らなかった。(それは初耳だ。)」
という和訳が参考につけられていて、それに合わせた形での変更です。
mir が無いと、「おお、それは新しいぞ。」
という感じで、「知らなかった」の意味にはならないからです。
なお、教師用参考資料は、Verena Calenberg先生からの指摘を受け、2年前に誤植・誤った記述を修正したものを出しています。
Lektion 17, S.83, 2. Z. von unten
「形容詞と副詞の比較表現」P.83 の練習問題 2. 下から2行目.
ドイツ語の間違いではありませんが、2011年の冬至が12月22日だったので、気がつきました(遅すぎました)。
5) Der Tag ist der 21. Dezember. [kurz]
となっています。冬至(Wintersonnenwende)は、「太陽の黄経が270°に達した日」で、太陽暦では、12月21日、あるいは、12月22日になります。
ということで、年によっては、この文は偽(falsch)となってしまいます。
ちなみに、Duden で (die) Wintersonnenwende を調べてみると、
Zeitpunkt, an dem die Sonne während ihres jährlichen Laufs ihren tiefsten Stand erreicht.
となっていて、具体的な日にちには言及していません。なるほど、と納得しました。
敢えてこの文を救うとしたら、entweder ... oder ... を入れる方法があります。
5) Der Tag
ist entweder der 21. oder der 22. Dezember. [kurz]
Lektion 16, S.78, Z.19
「zu不定詞」P.78 の上から19行目.
例文(11)
(11) Statt ein neues Auto zu kaufen,
hat er einen neunen Computer gekauft.
なぜか、einen neuen Computer となるべきところ、
n が混入していました。
例文を音読したら、なぜかneun (9) になり、「おやおや?」
と思ってよく見ると、誤植でした。
Lektion 13, S.67, Z.2
「分離動詞と非分離動詞」P.67 の上から2行目.
all-の説明の所:
「[...](anerkennenan⇐an+er+kennen [...]」となっているのは,誤植です.
「[...](anerkennen ⇐an+er+kennen [...]」が正解.
なぜか、anerkennen の後ろに、「an」がくっついていました。
第1刷、第2刷ともにこの誤植があります。
Lektion 12, S.63, Z.8
「現在完了形」P.63、練習問題の設問。
1. カッコ内に適切な完了形の助動詞を入れて[...]
となっていますが、
「完了形の助動詞」というのは誤解を招く言い方です。
(まるで、助動詞が完了形になってしまうようです!)
この誤解を避けるためには、「完了の助動詞」と言い換える方がよいと思います。
間違いとまでは言えませんが、訂正として、
1. カッコ内に適切な完了の助動詞を入れて[...]
と直しておいて下さい。
第2刷以降に気がついたものは、ここから上です。
Lektion 4, S.28, Z.28
「定冠詞と似たもの」P.28 の上から12行目.
all-の説明の所:
「不加算名詞」となっているのは,誤植です.
「不可算名詞」が正解.
Lektion 5, S.34 練習問題 2
問題の指示文に,「wem は,wer の3挌の形です.」となっていますが, もちろん,「wem は,wer の3格の形です.」が正解です. 今日,6月7日の授業で突然気がつきました.思わず我目を疑ってしまいました.
挌は,「カク,うつ」と読む漢字で,意味は, 「なぐりあう,なぐる」です.そうです,挌闘(かくとう)という時の字です.
「3挌」なんて言ったら,3回殴ってしまいそうです.
もちろん,「3格」と訂正します.
Lektion 12, S.61. 12.2 iii)
「与格目的語」
となっているのは,「3格目的語」のことです
(一応,S.7 の一番上に説明がありますが).
(このテキストの以前のものでは,
文法格を正式名称で呼んでいた時代があり,ついそのまま残ってしまったものです.
数字で言うように統一するつもりが,不統一になってしまいました.)
Lektion 13, S.67 「もう一歩進むと」のコラム
stehen bleiben「留まっている;落第する」
となっていますが,これは,
sitzen bleiben「座っている;落第する」
に変えて下さい.
(改訂を繰り返している内に,stehen bleiben, sitzen bleiben と2つの用例が載っていた部分をいつのまにか merge してしまいました.
校正の時に気づくべきことでした.)
Lektion 15, S.73 現在分詞の形の説明
「分詞」の現在分詞の形の説明で,「動詞の語幹+end」となっていますが, 「動詞の語幹+(e)nd」とカッコを入れておいて下さい.
そうすると未来分詞の説明のところにも(動詞の語幹+end)となっていますから, ここもカッコを入れて(動詞の語幹+(e)nd)となります.
「動詞の不定形+d」という説明をした文法書を見かけますが,その説明では seinの場合 *seind (本当は seiend),tunの場合 *tund(本当は tuend)と なってしまいます.(「*」印は,非文法的表現の意味)
Lektion 16, S.77, 例文(3) (a)
Deutsh zu lernen となっていますが,もちろん Deutsch zu lernen の間違いです.
Lektion 20, S.95 練習問題1 4)
練習問題1 4)の受動態を完成させる問題は,動詞 brechen を使っていますが不適切です.
「ベルリンの壁が壊れた」という時,普通は Die Berliner Mauer ist gefallen. のように 自動詞 fallen を使った完了形の文で表現することが普通です. brechen の使い方に関する初歩的な間違いでした. brechen という動詞で「〜を壊す」という意味で使うには,かなりの注意が必要です. その意味や使い方がかなり限定されているからです.「壁を壊す」という意味では使えません. お詫びして訂正します.
訂正の仕方として,以下に2つの方法を示します.
[1] 動詞をbrechen から, abreißen に変えます.
これにより,例文は以下のようになります.
4) 1989 wurde die Berliner Mauer ________.(abreißen)
abreißen の説明に関しては,
改良提案
のところに説明がありますので,興味のある方は,そちらを参照してください.
[2] 年を 1961 に変え,動詞をbauen
に変えます.これにより,ベルリンの壁が崩壊した時の話から,
作られた時の話に変わってしまいますが,ドイツ語としては,
正しい文になります.
4) 1961 wurde die Berliner Mauer ________. (bauen)