2025年10月5日:改訂版発売
白水社のページ ➡ 独検対策準1級・1級問題集[改訂版](音声DL付) - 白水社
過去問や練習問題はすべて入れ替えてありますので, 従来通り,誤植,間違い,問題点を発見次第,このページで公表します。
今回,改訂版を作るにあたってどのような作業をして何を考えたかを簡単に 「ドイツ語あれこれ」> 「独検対策準1級・1級問題集〔改訂版〕」 にまとめましたので,興味のある方はご参照ください。
『独検対策準1級・1級問題集 [改訂版]』 (2025)、白水社
Errata (Stand: 07.11.2026)
私のミス:(2026年11月4日:読者からの指摘:21頁下から4~3行目
「Betrachtungen anstellenの訳語として「観察をする」が挙げられていますが、「考察する」の間違いではないでしょうか。DWDS、独和大辞典、アクセス独和ではいずれも「考察する」という意味が掲載されているようです。」
コメント:ご指摘の通りです。ご指摘の通り、Betrachtungen anstellen の中のBetrachtung は、DUによれば 2. Überlegung, Untersuchung と言い換えられていますので、「考察をする」「調査をする」の意味だと思われます。無冠詞複数形で用いられるのが普通なので、敢えて言えば「(さまざまな)考察をする、調査をする」のだろうと思われます。ネット上の例文を以下に挙げます。
Der Professor stellte umfassende Betrachtungen über die Auswirkungen des Klimawandels auf die arktische Fauna an.
(その教授は気候変動が北極の動物相に対する影響に関して広範囲にわたる(さまざまな)考察を行った。)
Die Regierung stellt derzeit wirtschaftliche Betrachtungen an, um die Inflation zu bekämpfen.
(政府は、目下、インフレを抑え込むために(さまざまな)経済的な調査を行っている。)
修正前(21頁下から4~3行目):Betrachtungen anstellen(観察をする)
修正後(21頁下から4~3行目):Betrachtungen anstellen(考察をする、調査をする)
私のうっかりミス:(2026年11月4日:読者からの指摘:39頁練習問題 (2)
「正解は2ですが、beantragen(と3のbeauftragen)は弱変化名詞のため本来空欄に当てはまるのはbeantragtとなるように思います。」
コメント:ご指摘の通りです。(2) b. の文が完了形になっているのですから、選択肢はすべて過去分詞形にすべきでした。なお、選択肢の 4 は、vertragen で、不定形と過去分詞形は同形ですので修正は不要です。
修正前(39頁上から14行目):1 antragen
修正後(39頁上から14行目):1 angetragen
修正前(39頁上から15行目):2 beantragen
修正後(39頁上から15行目):2 beantragt
修正前(39頁上から16行目):3 beauftragen
修正後(39頁上から16行目):3 beauftragt
私のミス:(2026年11月4日:読者からの指摘:40頁上から1行目、3行目
読者からの指摘の文章が長いのでそのまままず、以下に引用します。
a. Ich habe sie ausdrücklich davor gewarnt, sich an dem Gegner ( ) zu nehmen.
b. Ich habe sie ausdrücklich davor gewarnt, den Gegner zu rächen.
正解は「Rache」とされていますが、次の2点に疑問があります。
・aは「an dem Gegner Rache zu nehmen」とし、sichを削除する必要があるのではないでしょうか。
・bの「den Gegner rächen」は「敵のために仇を討つ」という意味になり、「敵に復讐する」を表すには「sich an dem Gegner rächen」とする必要があるのではないでしょうか。
aとbを同じ意味にするのであれば、次の形になると理解しております。
a Ich habe sie ausdrücklich davor gewarnt, an dem Gegner Rache zu nehmen.
b Ich habe sie ausdrücklich davor gewarnt, sich an dem Gegner zu rächen.
修正前(40頁上から1~2行目):(5) a Ich habe sie ausdrücklich davor gewarnt, sich an dem Gegner ( ) zu nehmen.
修正後(40頁上から1~2行目):(5) a Ich habe sie ausdrücklich davor gewarnt, an dem Gegner ( ) zu nehmen.
修正前(40頁上から3行目): b Ich habe sie ausdrücklich davor gewarnt, den Gegner zu rächen.
修正後(40頁上から3行目): b Ich habe sie ausdrücklich davor gewarnt, sich an dem Gegner zu rächen.
・Duden ではなく、LGW (Langenscheidt Großwörterbuch Deutsch als Fremdsprache.(2024) ) の説明が 良いと思っているので、その説明をベースにして和訳、例文と和訳、項構造とその説明を加える形にします。
・なお、説明には、「意味役割」(semantische Rollen) という言語学概念を使います。 意味役割を担う項は、X, Y, Z で区別します。
・例文には、以下、通し番号を付けます(全部で5つの例文を出しました)。 例文中に項構造が分かるように、(X), (Y), (Z) を挿入しています。
・参照しているのは、LGW, Wiktionary、 『独和大辞典』、そして Gemini を通じてのドイツ語検索です。
・辞書では、スペースの関係から十分に例文や説明を入れられないために、動詞 rächen は 非常に分かりにくくなっています。他動詞用法でも、4格目的語が「人」の場合と「こと」の場合で 項構造と意味が異なることに注意してください。
rächen
1. jemanden rächen
wenn man einen Menschen rächt, dann bestraft man (außerhalb des Gesetzes) diejenige Person, die diesem Menschen etwas Böses getan hat.
「ある人 i の復讐をする・仕返しをする・報復をする」というのは、 その人 i に何か悪いことをした人に(法律外のところで) 罰を与えること(ドイツ語では、diesem Menschen となっているが、これは、従属文中の einen Menschen と同一指示。日本語では、このような場合「この人」とは言わないので「その人」とした)。
(1) Der Vater (X) rächte seinen Sohn (Y).
父親 (X) は、自分の息子 (Y) の復讐・仕返し・報復をした。
X:行為者 (Agens)
Y:被動者 (Patiens)(行為を受ける人)
主題 (Thema) は文中に現れていない。 主題は rächen の場合「不当なこと (Unrecht)」で、 行為を誘発する原因 (Auslöser)であり背景に隠れている。
2. etwas rächen
wenn man ein Unrecht rächt, dann bestraft man (außerhalb des Gesetzes) diejenige Person, die dafür verantwortlich war. <einen Mord, ein Verbrechen rächen>
「不当なことに対して復讐をする・仕返しをする・報復をする」というのは、 あることに責任がある人に(法律外のところで)罰を与えること。
(2) Der Detektiv (X) rächte den Mord (Z).
その探偵 (X) は殺人 (Z) の復讐・仕返し・報復をした。
X:行為者 (Agens)
Z:主題 (Thema)(行為を誘発する原因: Auslöser)
主題 (Z) である「不当なこと (Unrecht)」が4格目的語として現れ、被動者(行為を受ける人) が隠されている。
原因として4格目的語に典型的に現れるのは、 Unrecht (不当・不公正なこと)、einen Mord(殺人)、ein Verbrechen(犯罪)、Verrat(裏切り)などの行為
3. sich (an jemandem) (für etwas) rächen
eine andere Person für eine Tat bestrafen, durch die man selbst einen Nachteil, einen Schaden o.Ä. erlitten hat.
他の人 (Y) に自ら不利益・損害などを被った行為 (Z) に対して罰を与える、
(3) Für diese Beleidigung (Z) werde ich (X) mich noch (an ihm (Y) ) rächen.
この侮辱 (Z) に対して、私 (X) はこれから彼に (Y) 復讐・仕返し・報復をしてやる。
X:行為者 (Agens)
Y:被動者 (Patiens)(行為を受ける人)
Z:主題 (Thema)(行為を誘発する原因: Auslöser)
4. etwas rächt sich
etwas hat unangenehme Folgen <jemandes Faulheit, Leictsinn, Unaufmerksamkeit, Übermut>
あること (Z) が不愉快な結果を招く(不愉快な結果の原因となる)。
(「報いがくる、たたる」のような和訳が可能だが、 しばしば意訳しないと不自然な日本語になる。)
Z:主題 (Thema) (行為を誘発すること:Auslöser)
(4) Die Sauferei (Z) rächt sich an seinem Magen.『独和大辞典』
暴飲が彼の胃を悪くした。(=酒を飲みまくったこと (Z) が彼の胃にたたった。)
(5) All deine Versäumnisse während deiner Ehe rächen sich jetzt bei der Scheidung. (Wiktionary)
今、離婚するにあたって、婚姻生活中の君のすべての怠慢な行為 (Z) の報いがきている。
誤植:(2026年1月19日:読者からの指摘:
「40頁の練習問題には、『下線部の語と関係のある』とありますが、下線部が見当たりません。」)
該当箇所:S. 40 下から15行目、11行目、7行目、6行目、1行目
修正前(下から15行目):... ausgewählt haben, ...
修正後(下から15行目):... ausgewählt haben, ...
---
修正前(下から11行目):... beachtete den Mann nicht ...
修正後(下から11行目):... beachtete den Mann nicht ...
---
修正前(下から 7行目):... nicht berücksichtigt.
修正後(下から 7行目):... nicht berücksichtigt.
---
修正前(下から 6行目):... schon entschieden, ...
修正後(下から 6行目):... schon entschieden, ...
---
修正前(下から 1行目):... nicht zu berücksichitigen.
修正後(下から 1行目):... nicht zu berücksichitigen.
---
コメント:校正時に気がつかなかったというお粗末なミスです。
誤植:(2025年9月19日:サンプルの本を見ていて自分で気がついたもの)、 該当箇所:S. 120 下から11行目
修正前:... das Crowdsourcing: DU
修正後:... das Crowdsourcing: DU
コメント: DU は S.8 にあるように
Duden Deutsches Universalwörterbuch を表す本書で用いている記号です。
S.120 下から2行目や4行目にも使われているものです。
記号化されなかった単純な誤植です。
以下は 『独検対策準1級・1級問題集』 (2016)、白水社 の誤植,間違い,問題点です。
Errata (Stand: 05.01.2024)
誤植:(2024年1月5日:読者からの指摘で発覚)、該当箇所:S. 26 下から8行目、S.27 上から13行目
1. 修正前:... zu geben.
1. 修正後:... zu nehmen
2. 修正前:... an jd-m Rache geben.
2. 修正後:... an jd-m Rache nehmen
コメント: 独検の過去問を見て書き写す時に、お恥ずかしながら間違えました。
sich an dem Gegner rächen と書き換えられるのは、an dem Gegner Rache nehmenです。
gebenではありません。
ここではzu不定詞なので、Immer wieder habe ich ihn davor gewarnt, an dem Gegner Rache zu geben. となります。
誤植:(2023年2月28日:自分で発見)、該当箇所:S. 14 上から15行目
修正前:... Lexikon der sprichwörterlichen Redensarten.
修正後:... Lexikon der sprichwörtlichen Redensarten.
コメント: うっかりミスです。Sprichwort の複数形は、Sprichwörter ですが、
Sprichwort の形容詞は、sprichwörtlich です。
改訂版を作成中に気がつきました。
誤植:(2018年1月20日:自分で発見)、該当箇所:S. 159 最下行
修正前:... Wenn ja, unter welchen Voraussetzung?
修正後:... Wenn ja, unter welchen Voraussetzungen?
コメント: ミスタイプです。複数形のはずなのに、なぜか校正時も単数形のまま放置されていました。
調べてみると、最初の原稿ではちゃんと複数形になっていました。
誤植:(2017年1月24日:読者からの指摘)、該当箇所:S. 189 下から 5行目
修正前:auspressen: Er presste den Rest der Zahnpasta aus der Tue aus
修正後:auspressen: Er presste den Rest der Zahnpasta aus der Tube aus.
コメント: ミスタイプです。Tube を Tue のように b
を落として打ってしまいました。
Zahnpasta(練り歯みがき)が分かれば、Tube(チューブ)も想像できた人もいると思います。
説明文の誤り:(2016年11月24日:読者からの指摘)、該当箇所:S. 44 下から 2行目
修正前:「3格 + 4格の語順が普通です。」
修正後:「4格 + 3格の語順が普通です。」
コメント: なぜか校正を重ねる内に、逆転してしまいました。
申し訳ありません。
前の文章を読んでいれば、ここは当然 「4格 + 3格の語順」が分かるはずです。