「東アジア言語研究・言語教育」研究教育プログラム

何 志明(HO CHIMING)

「東アジア言語研究・言語教育」研究教育プログラム・招聘研究者

   
1995年香港中文大学卒業
1996〜1997年香港中文大学日本研究学科助手
2000年筑波大学大学院にて言語学修士取得
2003年筑波大学大学院文芸・言語研究科言語学専攻(博士課程)修了
言語学博士を取得
2003〜2006年香港中文大学日本研究学科インストラクター
2006年〜現在香港中文大学日本研究学科助教授


研究テーマ
「香港の日本語学習者の複合動詞の習得」




複合動詞



それは日本語母語話者(以下、日本人)が日常会話において
頻繁に使用しているものである。


日本語学習者が日本語をよりうまく使いこなすためには、
この複合動詞を理解する必要がある。


従来の先行研究では
学習者の複合動詞の習得においてさまざまな問題がある。


しかし、具体的な指導法を提案しているものは少ない。


本研究は香港の日本語学習者(以下,香港の学習者)が
効果的に複合動詞を習得するには
どのようにすればよいかということを明らかにするため、予備調査を行う。







 日本語複合動詞は
数が多く、生産性が高いという特徴がある。

更には使用頻度が高いものも少なくないので、
日本語学習者に1つ1つすべて習得してもらうことは非常に難しい。

膨大な量の複合動詞から選び出された日本人が
日常的によく使う複合動詞を教材に取り入れる必要がある。



今まで公開されているコーパス言語資料を中心に
日本人が使用している複合動詞を整理し、

香港学習者にそれらの複合動詞を知っているかどうか、
もし知っていたらその意味を正確に理解しているかどうか、

それをアンケートによって確認する。






一般的な香港の学習者は
授業を通して複合動詞を習得する機会が少ない。
そのため、
複合動詞を積極的に学んだり、
使ったりしようとする意欲が弱い。


これは私が以前の調査から、得た結果である。


だからと言って、授業で積極的に複合動詞を取り入れるわけにはいかない。


なぜか?


授業時間数の不足や学習者の学習意欲を低下させるのではないか。


教師の立場から見れば、
そんな懸念があるからである。


本研究では、

今まで日本人がよく使用している複合動詞はどのようなものか、
学習者がそれらをどれぐらい理解しているか、

そういったことを明らかにする。


本研究の成果に基づいて
複合動詞のシラバスや教案作成など、
将来日本語教育現場で計画的に
複合動詞を導入する試みに役立てたい。




以上