「東アジアにおける儒仏道三教の形成と展開」
研究教育プログラム

任 文利(REN WENLI)

「東アジアにおける儒仏道三教の形成と展開」
研究教育プログラム
招聘研究者

1993年天津商学院卒業
1996年中国社会科学院研究生院哲学系にて碩士学位取得
1999年中国社会科学院研究生院哲学系にて哲学博士学位取得
2003〜現在北京青年政治学院東方道徳研究所副研究員


研究テーマ
「日本の近代化と陽明学の内在的関係について
−日本における陽明学研究から-」




 私は長い間、陽明学の研究に従事してきた。

陽明学は日本において比較的充分な発展を遂げ、
現在においても日本の陽明学研究は盛んな状況である。

私はこれらの状況についてさらに一歩、理解したい。



具体的には二つの方向から研究を行う。



第一は、今日の日本における陽明学研究の発展の現状である。
近年、日中の間の陽明学に関する研究の相互交流は日増しに増えており、
中国人学者によって日本の陽明学研究は一定の理解がなされている。

ただし、当然のことながら、
これらの理解は
荒木見梧・島田虔次・岡田武彦らの世代の
日本陽明学者の研究活動に限られている。


今日の日本の陽明学の現状はどのようなものであるのか。

私にとって、動態的な情報以外の、
さらに深い具体的な研究活動に関する理解には限界がある。

今回の日本訪問の研究を契機に、
関係する状況への深い理解をし、
日本の陽明学研究者との深い交流をすすめたい。




第二は陽明学と日本の近代化の間には内在的関係があったのか、
また、あるとすればどのようなものであったのか。


これは長い間、
私が非常に困惑している問題のひとつである。

東アジア社会から言うと、
日本は明治維新を通して、
比較的早く近代化の過程に入った。
いくつかの説では日本の近代化は
陽明学とある程度の関連があったという。



実際のところそうであったのだろうか?




これは二つの問題に及んでいる。




ひとつは、
陽明学自身は、結局、日本においてどのような発展を遂げたのか。
中国の陽明学の発展とはどのようなところが異なっていたのか。



もうひとつは、私たちは近代化をどのように定義するのか、
近代化と東アジア社会の歴史的現実とはどのような関係にあるのか、
陽明学はこれら二つの間でどのような役割を演じたのであろうか。



以上、二つの研究の方向は私にとって重要なことである。
この期間に理解とさらなる一歩となる研究の門を開き、
それ以後の関係する研究の深い展開に寄与したい。



以上