「東アジア言語研究・言語教育」研究教育プログラム

李 尚秀(LEE SANG-SU)

「東アジア言語研究・言語教育」研究教育プログラム・招聘研究者

1995年釜山外國語大學校日本語學科卒業
2001年釜慶大學校日語日文學科ヘ育大學院碩士修了
2006年釜慶大學校日語日文學科大學院博士修了
2001〜現在釜慶大學校外國語ヘ育院 講師


研究テーマ
「韓国の日本語学習者によるアスペクトの習得」




概要

日本語のアスペクト表現の典型とされる「テイル」「テイタ」という言語形式に焦点を当て、
韓国人日本語学習者による習得過程を明らかにする。
アスペクト・テンスの対照を通じて両言語の時間表現の普遍的特性を探り、
言語習得に役立つ方法を研究する。



目的

(1) 韓国語を母国語とする学習者の「テイル」「テイタ」習得に際し、
母語がどのように影響しているのかを明らかにする。
(2) 学習環境の違いが「テイル」「テイタ」習得に相違が生じているかを探る。
(3) 「テイル」「テイタ」習得困難点と考えられる基準時間の分類を行う。
(4) アスペクトに関する第二言語習得の問題点を探る。


方法

(1) 韓国語の学習者に対象として「テイル」「テイタ」の習得状況の個別性と普遍性を探る。
(2) 対象者を集団として扱う方法をとり、集団テストで学習者の習得状況を測る。
(3) 日本語学習者の言語能力を知るため、ストーリーテリング、面接、ロールプレイ、
自由作文などの言語産出能力調査方法、与えられた資料の誤用を訂正させる方法、
文法性判断テストなどの言語理解能力を調べる方法、自然発話を採用する。
(4) 両言語(韓国語と日本語)の異同が実際に日本語の習得の面において
どのような影響を及ぼしているかについて分析する。


成果

韓国人日本語学習者によるアスペクトの習得過程を通じて、
母語の転移という要因を明らかにするとともに、
日本語と韓国語間の言語個別性に関わる要因を明らかにする。
韓国人日本語学習者間に共通した習得過程が観察できる。
過去のテンスとの関わりにおけるアスペクト表現の習得過程の解明が出来る。



以上